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2014年3月12日 (水)

武田、村上義らに出場自粛1年間 競輪選手会が厳しい処分

日本競輪選手会は3月12日、東京都内で開いた理事会で、同選手会からの退会を表明して、著しく規律を乱したとして、武田豊樹(茨城)、村上義弘(京都)、長塚智広(茨城)に1年間の出場自粛を勧告するなど厳しい処分を決めた。処分の対象は最上級のS級S班5人を含む23選手で、自粛期間は5月1日からの予定。
新田祐大(福島)と平原康多(埼玉)には8カ月間、この他の成田和也(福島)、村上博幸(京都)ら18選手には6カ月間の出場自粛勧告。同選手会の佐久間重光理事長は「軽い制裁ではよろしくないと判断した。本人たちはいかなる制裁も受けると言っている。1年間自粛の3人は大きく関わっていたということ。(1年間自粛は)ここ数年で2例ある」と話した。
武田らは昨年12月に自転車競技の強化普及などを主目的として、同選手会からの脱退、選手会新団体の発足を発表したが、今年1月に入って退会を撤回。謝罪会見も行ったが、同選手会内には厳しい処分を求める声が相次いでいた。(スポニチアネックス:3月12日)

少し前から騒ぎになっていた競輪について考える。


昨年末に選手の脱退がニュースになっていた。競輪の最上位クラスに位置する18選手が一般社団法人日本競輪選手会を脱会するというものである。日本競輪選手会というのが解説がないと理解し難い組織で、競輪場の開催業務を行っているJKAとは別の組織である。日本競輪選手会の選手会支部が37都道府県に設置されており、競輪選手はいずれかの支部に所属しなければならない。所属しなければ競走の斡旋がJKAから拒否されるというから、日本競輪選手会とJKAは共通の目的で動いている団体である。
過去の報道を確認するとこのような構造になっているそうだ。競輪選手は1回走るごとに1万0,500円を日本競輪選手会に収め、この内7,500円が退職金に充てられ、残りが年金などの共済金となる。しかし、年金は2010年から支給が停止され、退職金も2017年まで約20%カットする方針だという。経済用語ではこのような状態を破綻と呼ぶのだろうが、そう表現しないのには公益法人の都合というのがあるのだろう。これに不満があって脱退を発表したと多くの人は感じたことだろうが、当該選手は運営上の問題があるのに放置して、将来を見据えた方針が示されていないなどという理由を挙げている。未来の話と言っても、今日の払いが悪いから、きっと明日も悪いという推定から抜け出ていない。東京オリンピックの対応を示しているが、取って付けた感は拭えない。
日本競輪選手会は、労働組合としての機能がある一方、選手の共済会としての機能もあり、おまけに選手にペナルティーも科すと行動範囲が広い。日本競輪選手会共済会という組織が財団法人として独立してはいるものの、選手会とは一体の関係なのだろう。ある意味仕方のない構造なのだろうが、透明性や安定性があるかというと少々怪しくみえる。退職給付及び競輪選手年金事業は2011年3月に選手会に移したというから、公的な資金運用は外部に切り離すという流れではないようだ。そんな選手会の会員は2,729人ということだから、小さな団体ということではない。大人数の中の23名だから影響は知れていると思ったらそうとはいかないようだ。有力選手、有名選手が多く含まれているからである。人気選手が抜けては興行に影響が出るのは必然である。
競輪というか公営ギャンブルについて無知であるので、売上高の推移を確認する。比較の為に競輪以外の各種公営ギャンブルも合わせて示した。結果を下に示す。

■ 公営ギャンブル売上高推移 (単位:億円)
  年度    競輪   中央競馬  地方競馬   競艇    オート   合計
  1989   16,852   25,545    8,490    19,588   3,020   73,495
  1990   18,846   30,984    9,493    21,394   3,352   84,069
  1991   19,553   34,338    9,862    22,137   3,497   89,387
  1992   18,721   36,138    8,881    20,826   3,394   87,960
  1993   17,544   37,454    8,059    19,585   3,076   85,718
  1994   16,444   38,065    7,320    18,384   2,870   83,083
  1995   16,144   37,666    7,141    18,432   2,701   82,084
  1996   15,672   39,862    6,949    18,038   2,675   83,196
  1997   15,381   40,006    7,070    17,316   2,458   82,231
  1998   14,497   38,012    6,577    15,961   2,130   77,177
  1999   13,553   36,572    6,230    14,706   2,015   73,076
  2000   12,371   34,347    5,560    13,347   1,856   67,481
  2001   11,709   32,586    5,221    12,811   1,688   64,015
  2002   10,464   31,334    4,903    11,990   1,476   60,167
  2003    9,831   30,114    4,447    10,758   1,270   56,420
  2004    9,150   29,131    3,861     9,837   1,130   53,109
  2005    8,774   28,855    3,690     9,743   1,131   52,193
  2006    8,610   28,158    3,760     9,703   1,098   51,329
  2007    8,401   27,601    3,804    10,075   1,092   50,973
  2008    7,913   27,136    3,757     9,772   1,049   49,628
  2009    7,275   25,900    3,634     9,257    972   47,038
  2010    6,349   24,275    3,332     8,434    861   43,251
  2011    6,229   22,935    3,314     9,198    843   42,519
  2012    6,091   23,943    3,326     9,176    756   43,292

売上が1/3になっては従来通りの仕事は出来ないだろう。これは競輪に限らす、中央競馬でも同じだからこの国の環境と考えるよりない。合計額が半分になっていることからすれば、競輪は工夫がなさ過ぎると指摘されても仕方ないとはいえる。オートは1/4だからそれよりましという見方は、関係者にはないだろう。
年金事業は積み立てをしている図式ではあっても、富の再分配であることは疑いないだろう。つまり、売上の減少はシステムが破綻することを意味する。システム破綻の対策として、退職金や年金の引き下げが行われて、その結果として大量の引退者が発生している。昔は1,000万円の年収は当たり前で、早く引退する理由などなかった筈が、数百万円の下の方にまで下がって、ここで引退しないと更に貰えるものがなくなるとなれば辞め時と考えるよりない。選手が引退して楽になったかというと、選手会に入ってくる金額が全体として減少してしまったことで当てが外れたということだろう。この程度の予想もできないようでは、ギャンブラーの資格がないと言えそうだが、もともと年金資金の運用にリスクを冒すのは馴染まないのだからギャンブラーである必要はない。
選手会の組織を小さくする必要があるのだが、単純に歳出カットだけで済まそうとしている。売上減少が伴う行為には慎重にならないといけないのだが、組織にぶら下がっている人たちが食い繋げることが変更の前提になっているのだろう。競輪のファンは、事務方には興味がなくて、選手に関心があるのだから、それでは売上減少にブレーキは掛からない。選手に将来の不安を与えて、反抗的な態度を取ったら粛清にはしるというのでは、ファンはどこかに行ってしまうだろう。選手の取った行動は子供っぽいのだが、選手会の知恵のなさも明らかとなれば、選手処分と同じように運営側の見直しも行うのが正しい作業だと考える。


これだけ公営ギャンブルの売り上げが落ちていて、公営カジノが儲かるという説が理解できない。

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