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2014年2月25日 (火)

近鉄:来春に持ち株会社化

近畿日本鉄道は2月25日、来年4月1日に持ち株会社へ移行すると発表した。持ち株会社の社名や人事については今後、検討する。これまで近鉄本体が運営してきた鉄道やホテル、不動産などの事業を分割し、新設する各事業会社が直接、運営する。沿線人口の減少など経営環境が変化する中で、各事業会社に権限と責任を委ねて環境の変化に速やかに対応する狙い。(毎日新聞:2月25日)


私鉄会社について考えてみる。


日本の大手私鉄16社の経営状況を確認する。対象となるのは国鉄を起源にする会社を別にする鉄道事業者である。

■ 大手私鉄16社の経営情報 (日本民営鉄道協会より)
            従業員数 連結売上高 営業km   駅数  在籍客車数 年間輸送人員 旅客輸送人㎞ 客車走行㎞
               人     億円    ㎞      駅    両       千人     百万人㎞     千km
  東京急行電鉄   4,188    10,680   104.9     97    1,252    1,089,488      10,417      139,839
  近畿日本鉄道   8,218    9,321   508.1    294    1,942     565,180      10,808      286,213
  阪急電鉄      2,971    6,824   143.6     89    1,315     615,324      8,646     170,947
  阪神電気鉄道   1,337    6,824     48.9     51     358     221,134      2,081      44,639
  名古屋鉄道     4,988    6,098    444.2    275    1,060     349,165      6,536     189,801
  東武鉄道      4,561    5,772    463.3    203    1,948     879,040      12,471    275,886
  小田急電鉄     3,613    5,152    120.5    70    1,061    721,477      11,246    173,031
  西武鉄道      3,741    4,592    176.6    92    1,286    620,478      8,561     173,733
  京王電鉄      2,370    3,968     84.7    69     843    625,685      7,328     122,964
  東京地下鉄     8,692    3,822    195.1   179    2,719   2,348,913      18,905    283,871
  西日本鉄道     4,126    3,383    106.1    72     329     98,135      1,548     40,252
  京浜急行電鉄   1,504    3,069     87.0     73     790    434,797      6,116     111,655
  京阪電気鉄道   1,592    2,791     91.1     89     718    278,262      3,940     92,755
  相模鉄道      1,095    2,452     35.9     25     408    225,635      2,535     47,029
  京成電鉄      1,706    2,440    152.3     69     594    261,200      3,693     96,142
  南海電気鉄道   2,639    1,844    154.8    100    706    225,129      3,677     94,153

近鉄が最大の私鉄であるという説を聞いたことがあったが、改めて数字を並べてみると営業距離数と駅数では最大であった。売上高は連結すると鉄道事業以外の要素が入るから単純な比較ができないのは理解するが、最大と言うなら輸送人員も最大かと思ったが、これは東京メトロはともかく東急の半分でしかない。在籍客車数も東京メトロの他、東武に少しの差で劣るから最大級ではあるが最大ではないということのようだ。
ずっと昔に佐伯勇だと思うが、近鉄の事業で成功しなかったのはプロ野球だけだと話していたというのを読んだ記憶がある。プロ野球は成功したとはいえないまま2004年11月にオリックスに譲渡された。同じ年の6月にあやめ池遊園地も閉演となっているから、上手くいかない事業を探せばいろいろ出てくるだろう。あやめ池遊園地の閉演に際しては、入場者が沢山あって、惜しんだという話がある。閉まるとなると人が集まり、それを惜しむという話は昔からある。人形町末廣でも向ケ丘遊園、多摩テックでもそうだろう。惜しむくらいなら前から来れば良いというが、来ない理由があっての話ではある。
本題に戻す。16社の鉄道事業の推移をさかのぼって確認する。6年分のデータが集められたので輸送人員の推移をまとめた。結果を下に示す。

■ 大手民鉄16社の鉄軌道部門輸送実績 (単位:千人)
         2012年度    2011年度   2010年度    2009年度    2008年度   2007年度
  東京メトロ  2,348,913   2,277,596   2,302,198   2,309,568    2,321,770    2,276,746
  東急     1,089,488   1,065,364   1,062,590   1,066,673    1,065,439    1,056,977
  東武      879,040    855,714    863,087    866,313     877,683     877,099
  小田急     721,477    708,685    710,405    711,469     717,211     714,031
  京王      625,685    619,063    625,439    633,175     637,180     632,388
  西武      620,478    610,325    617,771    625,860     628,781     622,564
  阪急      615,324    608,632    603,233    605,964     618,585     618,373
  近鉄      565,180    566,061    573,522    576,229     593,879     605,836
  京急      434,797    431,046    437,351    439,122     444,157     441,412
  名鉄      349,165    344,382    340,386    338,155     347,237     345,328
  京阪      278,262    279,092    280,271    283,425     289,893     289,464
  京成      261,200    255,590    258,809    257,358     258,505     255,812
  相鉄      225,635    224,810    227,577    228,156     230,889     231,735
  南海      225,129    223,484    226,065    226,834     232,798     233,605
  阪神      221,134    218,560    205,202    193,620     182,997     180,906
  西鉄       98,135      98,239     99,097     99,230     101,376     101,765
  16社計    9,559,043   9,386,643   9,433,003   9,461,151    9,548,380    9,484,041

鉄道という大きな設備を要する事業では、敷設してから利用者の変動が大きいようでは事業が成立しない。安定しているのは当然ではあるが、それを考慮しても変動が小さいようである。居住している住民も移動しないのだから当然ではある。もっと古いデータで比較すれば違いがあるようだが、入手できなかったのでここまでとする。堅い商売であるということである。
近鉄の運輸事業の占める割合を確認する。セグメント売上高と利益の推移をまとめた結果を下に示す。

■ 近畿日本鉄道のセグメント売上高推移 (単位:百万円)
            2008年3月    2009年3月  2010年3月   2011年3月   2012年3月    2013年3月
  運輸業       229,757     223,609     223,624     218,570     212,558     213,886
  不動産       132,243     111,180     132,367     141,058     139,242     136,303
  流通        450,140     456,373     424,053     408,697     400,472     379,453
  ホテル・レジャー 131,852     195,225     189,336     197,603      197,529     209,829
  その他        47,828      51,544     10,433      11,236      12,133      13,546

■ 近畿日本鉄道のセグメント利益推移 (単位:百万円)
             2008年3月    2009年3月   2010年3月   2011年3月   2012年3月   2013年3月
  運輸業       38,484       32,379     28,310      28,845      27,387      29,668
  不動産       10,617        9,893      7,672       6,866      8,165       8,170
  流通          4,055         692     -1,159       3,606      3,749       4,580
  ホテル・レジャー  2,099       -2,001      -345       -218       -178       3,947
  その他        1,716        1,448       477       618        835        780

運輸事業は全体の二割強の売上高となっている。運輸事業には鉄道の他、バス、タクシーなどがあるが3/4は鉄道事業である。売上では流通が大きいが、利益では運輸事業が圧倒的に大きい。持ち株会社にする理由は、安定的な運営が求められる鉄道事業と、個人のし好の変化に敏感に対応しなければならない流通事業とで、期待される仕事の特性が違うから、責任を明確にして適切な経営判断を行うようにするということなのだろう。むしと、どんな問題があったのかに興味があるが、その辺は外部には話したくない内容であるのだろうと想像する。


近鉄百貨店の業界内でのポジションに興味を持ったが、こちらは手こずりそうなので機会を改める。

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