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2014年2月20日 (木)

JR九州高速船:ビートル1隻売却へ

福岡と韓国・釜山を結ぶ高速船「ビートル」を運航するJR九州高速船(福岡市)が、保有するジェットフォイル1隻を国内の船舶運航会社に売却する方針であることが分かった。釜山航路は、格安航空会社との競争激化や日韓関係悪化などにより利用者が減っており、保有する4隻のうち1隻を売却して収支改善につなげる。
1991年に就航したビートルは2003年から現在の4隻体制になったが、昨春から3隻を使っている。保管船の維持費がかさむため売却を決め、3月中にも売買契約を締結する。ビートルの利用者は2004年度の35万人をピークに減少傾向で、2012年度は約20万人に低迷。2011年度、2012年度は最終赤字に陥り、2013年度も最終赤字の見通し。(毎日新聞:2月20日)

JRの海上輸送について考える。


国鉄時代は連絡船があったから海上輸送を事業として行っていた。橋やトンネルでつながれれば収益の悪化が必然的に生じる。そこを鉄道を通していれば海上輸送を廃止することを想定しているだろうから当然ではある。青函トンネルや瀬戸大橋で鉄道事業者の本業が可能になれば、副業の海上交通の幕を下ろすというのは選択と集中ということである。
JR各社の子会社で海上輸送を行っているこの他の例としては、JR西日本の子会社であるJR西日本宮島フェリーが運営する宮島連絡船がある。鉄道連絡船という言葉があるが、言葉が重要な鉄道と仕方なくやっている船の組み合わせに聞こえる古い印象が残る。鉄道会社でもバス運行は普通に行っているのだから、移動に関する仕事なら領分と考え必要なら行えば良いと思うが、本業意識というのは抜けないものなのだろう。
JR九州高速船という会社は、2005年10月1日に、それまでの九州旅客鉄道船舶事業部が分社した会社である。現在は、高速旅客船ビートルを使用し、福岡市の博多港と大韓民国の釜山港を結ぶ定期旅客船航路を運航している。この事業は分社化される前の1990年5月に、博多港 - 平戸 - 長崎オランダ村間でビートルの運航を開始している。1991年3月に博多 - 釜山間で高速船ビートルIIの運航開始とJR九州のホームページにあるから結構歴史がある。博多港から長崎オランダ村のルートは、オランダ村がハウステンボスに変更になり、1994年3月に運航を停止している。赤字が続いていたようだ。ハウステンボスの入場者数は、年間247万人で売上高は216億円(2013年9月期:単体)となっている。営業利益も48億円出ているというから、HISのもとで経営再建中の企業として効果が上がっていると見てよさそうだ。参考の為に、東京ディズニーランドの入場者数は2,750万人、オリエンタルランドのテーマパークの売上高は3,298億円(2013年3月期)である。これが来たのなら船をどれだけ増やすか考えなければならないだろう。仮定の話をしても仕方ない。
さて、JR九州が運航している高速船ビートルはボーイング929(愛称:ジェットフォイル)である。ボーイングが開発したこの船は、ジェットエンジンで海水を吹き出し、空気のかわりに海水から揚力を得て飛ぶ方式で、いわば海のジェット機である。この船は、水中翼が全て沈む全没翼型水中翼船であるので、ハイスピードと高い安定性、なめらかな航行を実現しているといわれる。この手の新しい技術によく見られるように、この方式も軍事目的で開発されている。ベトナム戦争で有益性が確認され、NATOの依頼により開発され現在の型式になっている。民間の旅客用に転じたのは1974年である。仕様としては、速度時速45ノット(約83km/h)、航続距離約450km、旅客定員約260名である。博多港と釜山港の直線距離は約200kmで、途中に対馬があるので対馬に止まらい場合は迂回する必要がある。時刻表によると所要時間が3時間とあるので、港の中は高速移動できないだろうから妥当な時間といえるだろう。どこかでこの形の船を見た記憶があったので確認したら、東海汽船が東京-伊豆大島で就航しているセブンアイランドがこれを採用していた。

韓国との関係がぎくしゃくすると、影響が最も大きいのが観光関係だろう。円安の問題は日本側からすればあるが、韓国から日本に来るぶんには問題ない。双方向の動きが成立しているなら為替の影響は最小限である。一方で、格安航空券との競合はありそうな気がする。福岡空港からソウル(仁川空港)への所要時間は1時間30分程度である。料金に差がないとすると、ソウルと釜山との比較になる。都会のソウルの方が有利な要素がありそうだが、韓国第二の都市の方が気候の面では日本人に馴染みそうである。


ジェットフォイルが航空機なみのメンテナンスが必要というのでは、利用者数の減少は痛いだろう。

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