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2014年2月 6日 (木)

三菱重の純利益54%増、17年ぶり最高益 14年3月期

三菱重工業は2月6日、2014年3月期の連結純利益が前期比54%増の1,500億円になりそうだと発表した。従来予想の1000億円から上方修正した。1997年3月期の1,236億円を上回り、17年ぶりに過去最高益を更新する。1日付で火力発電事業を日立製作所と統合したことで、持ち分変動利益1,000億円程度を特別利益に計上。一方で構造改革費用として特別損失を約500億円積み増す。
売上高は17%増の3兆3,000億円を見込む。従来予想は3兆1,500億円だった。機械・設備システム事業が収益を押し上げる。旧日本輸送機との事業統合でフォークリフトが伸びているという。営業利益の見通しは従来予想を据え置いた。収益予想の前提になる為替レートは対ドルで95円を据え置き、対ユーロでは130円と従来の120円から円安方向に見直した。
同時に発表した2013年4~12月期の連結決算は、純利益が57%増の782億円だった。交通・輸送事業のほか、エネルギー・環境事業が収益をけん引した。交通・輸送は米ボーイングの航空機向け部品が、エネルギー・環境はロシア向け化学プラントがそれぞれ寄与した。売上高は15%増の2兆2,627億円、営業利益は68%増の1,321億円だった。
記者会見した野島龍彦取締役常務執行役員は同社が大株主である三菱自動車が優先株を消却したことについて、「これまでは再建のため、これからは自立のために、中計(中期経営計画)期間である3年間程度は従来通りの支援を続ける計画だ」と述べた。さらに「採算面での影響はほとんど出ない」との見通しを示した。(日本経済新聞:2月6日)


大きな会社を調べても分からないことが多いが、三菱重工業について考える。


三菱重工の全体と主要セグメント売上を四半期毎の推移を確認する。最新の四半期決算(10-12月)ではこれまでのセグメントを修正した。この為、合計金額のみを記す。
大きな機械や設備を販売する事業の場合、売り上げを立てる約束事が単純ではなく、何段階かに分けて売上が生じるので、受注額の状況が経営を考えるに重要な要素であるようだ。しかし、受注状況は手におえないので売上だけを追うことにする。

■ 三菱重工業四半期セグメント売上高推移 (単位:億円)
  売上高     合計  船舶・海洋  原動機  機械・鉄構  航空・宇宙  その他
  2007-1Q    6,857    689    2,274     865    1,102    1,927
  2007-2Q    7,607    692    2,223     915     868    2,909
  2007-3Q    6,820    543    1,784    1,081    1,083    2,329
  2007-4Q    10,746    915    3,188    1,864    1,952    2,827
  2008-1Q    6,983    710    2,264     837    1,134    2,038
  2008-2Q    8,763    566    3,151    1,354    1,025    2,667
  2008-3Q    8,050    589    3,057    1,354    1,092    1,958
  2008-4Q    9,960    536    3,619    1,877    1,872    2,056
  2009-1Q    6,033    346    2,330    1,117     901    1,336
  2009-2Q    7,183    709    2,542    1,441    1,236    1,256
  2009-3Q    6,777    601    2,319    1,668    1,071    1,118
  2009-4Q    9,415    650    3,470    2,031    1,794    1,469
  2010-1Q    6,641    834    2,392    1,410     806    1,197
  2010-2Q    6,927    668    2,171    1,611     978    1,498
  2010-3Q    7,309    648    2,792    1,248    1,258    1,364
  2010-4Q    8,160    874    2,614    1,306    1,680    1,686
  2011-1Q    6,136    632    2,135     842    1,075    1,450
  2011-2Q    6,800    952    2,287     924    1,013    1,623
  2011-3Q    6,653    766    2,237     897    1,225    1,529
  2011-4Q    8,620    766    2,894    1,625    1,646    1,688
  2012-1Q    6,491    837    2,283     936     942    1,492
  2012-2Q    6,763    489    2,507    1,105     961    1,700
  2012-3Q    6,479    472    2,312    1,163    1,071    1,460
  2012-4Q    8,445    460    2,785    1,621    1,884    1,697
  2013-1Q    7,474    606    2,658    1,077    1,327    1,804
  2013-2Q    7,581    432    2,424    1,210    1,386    2,130
  2013-3Q    7,572     -      -       -      -       -
           ※ 2013第3四半期はセグメント変更により分類が異なる。

三井造船の話で確認したが、造船部門の位置付けは三菱重工の中で低い。と言っても、年間売上は1,000億円を超えるのだから大変な金額ではある。前の調べの数字で、三井造船が 3,214億円、川崎重工が 903億円 (いずれも2013年) であった。三菱の造船は川崎並みの規模と考えて良いようだ。全社に対する造船の割合も一割未満と同じようなレベルにある。
売上の柱は原動機になっている。それに次ぐセグメントは似たようなレベルであり、その他の事業はセグメントの扱いが上記期間で変化しているので、この大きな会社の中では主要な事業と呼ぶには少し小さいようだ。続いてセグメント利益の推移を同様に確認する。

■ 三菱重工業四半期セグメント利益推移 (単位:億円)
           合計  船舶・海洋 原動機  機械・鉄構 航空・宇宙 その他
  2007-1Q    247    16     145     -27      45       68
  2007-2Q    311    10     102     28       6      165
  2007-3Q    381    13     125     67      57      119
  2007-4Q    421     1     210     45       38      127
  2008-1Q    222    48     138     -22      30       28
  2008-2Q    505    20     288     57      -27      167
  2008-3Q    278    18     240     140      -63      -57
  2008-4Q    53    -70     134     141      -43      -109
  2009-1Q    38     84     134     -68       0      -112
  2009-2Q    213    41     183     15       31      -57
  2009-3Q    209    -20     256     76      -40      -63
  2009-4Q    196    40     253      7       -55      -49
  2010-1Q    390    58     343     85      -28      -68
  2010-2Q    255     0     137     118      -18       18
  2010-3Q    163    -13     168     24      -10       -6
  2010-4Q    204    -27     182     43      22      -16
  2011-1Q    387    38     342     34      -29        2
  2011-2Q    344    -48     284     42       2       64
  2011-3Q    249    -12     181     39      55      -14
  2011-4Q    139    -16     116     138      -81      -18
  2012-1Q    365    -24     365     34       0      -10
  2012-2Q    107    -39      71      42       7       26
  2012-3Q    313    55     195      23      26       14
  2012-4Q    850    123     258     165      258       46
  2013-1Q    353     4      201     44      103        1
  2013-2Q    401     0      167     86      84       64
  2013-3Q    567    -       -      -       -       -

利益では原動機事業が大きく、造船部門は弱い。機械・鉄構は良いように見えるが、航空・宇宙は波がある。航空・宇宙は、防衛産業の割合が高く入っていると予想される。日本の防衛産業は、輸出制限があることから事業の継続が短期的に困難になることにならないように配慮がなされているようだ。一方で、大きな利益が出るようなこともないという事情がある。航空機事業も利益につなげるとなると大変なようである。機械・鉄構事業は三菱日立製鉄が含まれる。火力発電で共同出資の会社に移行するより前に両社をつないだ事業である。この事業は、地球環境の保全、社会経済を支える産業設備の提供、人・モノを繋ぐ交通・物流の革新の分野とあるから対象が幅広い。
最新のセグメントでの前年同期との比較を下に示す。

■ 三菱重工業2013年第3四半期決算と前年同期の比較 (単位:億円)
               売上               営業損益
              2012-3Q   2013-3Q     2012-3Q    2013-3Q
エネルギー・環境   7,457       8,280        618        772
交通・輸送        2,901      3,344       -121        99
防衛・宇宙        2,514      2,879         152       150
機械・設備システム  6,601      7,776         201       347
その他           959      1,095         62        82
消去または共通     -700       -749       -126       -129
合計           19,733      22,627        785      1,321

新しい分類に従うと、エネルギー・環境事業は、火力、原子力、再生可能エネルギーなどのエネルギー分野と、水処理、排煙処理といった環境分野が入る。日立といっしょになった火力発電もここで、三菱重工の中心になる事業である。交通・輸送事業は、民間航空機、商船、交通システムなどの陸・海・空の先進的交通・輸送システムとなる。自衛隊関係の仕事はここには入らない。一方、防衛・宇宙事業は、名前の通り国からの仕事を受けるようだ。機械・設備システム事業は今後移行するということで内容は公表されていない。ということは、少々複雑な話なのだろう。日本輸送機の扱っているフォークリフトが好調とあるので、これは交通・輸送事業ではないということだ。

大きな会社なので小さいと思える事業でも、充分巨大であるので判断が難しい。少なくとも、この大きな会社を推進していく力は、発電関係に大きく期待している様子が窺える。火力も原子力も輸出しないといけない会社で、国際競争力をどう付けていくかが課題といえるのだろう。


数字が大きいことより、扱い品目が理解を深められない原因のようだ。

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