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2014年2月 7日 (金)

いすゞの4~12月期、純利益38%増 最高益、国内でトラック好調

いすゞ自動車が2月7日発表した2013年4~12月期連結決算は、純利益が前年同期比38%増の894億円だった。国内でトラックの販売が好調に推移し、4~12月期として最高益となった。
営業利益は47%増の1,329億円、経常利益は50%増の1,426億円と、いずれも4~12月期として過去最高だった。国内は東日本大震災からの復興関連需要のほか、公共事業の拡大も追い風となり、トラックなどの車両販売台数は7%増の4万8,000台となった。全社的に進めたコスト低減も寄与した。売上高は9%増の1兆2922億円。
一方、海外は主力のタイが苦戦し、車両販売台数は7%減の32万1,000台にとどまった。記者会見した片山正則取締役はタイに関し、政府の購入支援策終了などで販売が低迷していると指摘。「回復が想定よりも遅く、第3四半期(13年10~12月期)に生産調整を実施した」と述べた。先行きは「政治的な要因も想定せざるを得ない」と語り、同国の政情不安に警戒感を示した。
2014年3月期の連結業績は従来予想を据え置いた。売上高は前期比10%増の1兆8200億円、営業利益は38%増の1,800億円、純利益は19%増の1,150億円を見込む。4~12月期の純利益の通期予想に対する進捗率は78%となる。年間配当計画は12円(前期実績は10円)で変更しない。(日本経済新聞:2月7日)


いすゞとトラックの事業について考える。


いすゞの決算推移を確認する。季節変動要素もあるのだろうが、最近の変化を確認する為に四半期毎の連結決算から売上高と営業利益、売上高には国内と海外の区分をつけて推移をまとめた。結果を下に示す。

■ いすゞ四半期連結決算推移 (単位:億円)
   年       売上高    国内    海外    営業利益
  2009 Q1    1,874     785    1,089     -146
      Q2    2,554    1,093    1,462     -54
      Q3    2,851    1,093    1,757     143
      Q4    3,530    1,359    2,171     167
  2010 Q1    3,663    1,182    2,481     238
      Q2    3,586    1,369    2,217     230
      Q3    3,455    1,163    2,292     225
      Q4    3,451    1,272    2,180     189
  2011 Q1    2,884     974    1,870     144
      Q2    3,697    1,368    2,370     294
      Q3    3,064    1,409    1,655     204
      Q4    4,356    1,833    2,522     332
  2012 Q1    3,917    1,310    2,607     281
      Q2    3,884    1,484    2,400     292
      Q3    4,057    1,428    2,629     330
      Q4    4,698    1,700    2,998     405
  2013 Q1    4,224    1,269    2,954     445
      Q2    4,528    1,625    2,904     458
      Q3    4,170    1,564    2,606     426

2012年から売上高、利益とも良い結果で推移している。東日本大震災の復興関係や、もろもろの公共事業による底上げが効いているようである。海外については好調ではあるものの2013年頭から伸び悩み状態に入っている。主力工場があるタイの政情不安も影響しているのだろう。タイの安定化は短期に解決する様子はないから、経済活動に影響しないよう願うよりないというところだろう。国内市場について確認する。国内のトラック生産台数を専業メーカ四社で確認した。数字は日本自動車工業会による。結果を下に示す。

■ 国内トラック専業四社の生産台数推移
    年       2008     2009     2010     2011     2012     2013
  いすゞ     253,913    120,110   203,716    201,701   241,247   244,162
  日野      106,216    66,670    99,311   113,788   152,839    158,804
  三菱ふそう  126,184    54,467    76,593    79,154    87,086    96,790
  UDトラックス  47,960    20,290    30,426    23,261    21,855    18,405

バブル崩壊後のトラックの国内市場状況は、四社の内一社が事業を止めても好景気には戻らないと言われていたと記憶する。消える一社がいすゞなら好景気も可能だろうが、三菱くらいでは楽にならないという話だったのだろう。その後、外資の出入りがあってスリム化もしたのだろうから、何とかやっていける水準に回復したというところだろう。注意としては、日本自動車工業会の資料によるとトヨタ(約300k台)や日産(約100k台)と大きなトラック・バスの生産台数が記されている。(スズキも約170k台) 乗用車ベースのものだけとは限らないので、専業四社と関係する部分もある可能性もある。特にトヨタは日野との関係があるので注意を要する。スズキのものはすべて軽自動車と考えて良いだろうが、だから無視してよいかというと考えてしまう。という数字である。上記の数字で判断すれば、上位の三社は伸ばしたが、UDに関しては不調となっている。UDは、旧社名が日産ディーゼルで、日産の資本が入っていたが日産の経営不振の影響で、ボルボの傘下に入ることとなった。バスについては三菱からOEM供給を受けていたが撤退となっている。UDの生産台数についてはボルボ製品との関係があるのだろうと想像される。UDは上尾のトラック会社で閉じる会社ではなく、ボルボのアジア太平洋地域における本拠の機能があると理解しなければならないようだ。
参考の為に、同じ資料からバスの台数についての推移をまとめた結果を下に示す。

■ 国内トラック専業四社のバス生産台数推移
    年       2008     2009    2010     2011    2012    2013
  いすゞ      3,221    2,077    2,434    2,375    2,544    1,965
  日野       5,179    4,473    5,569    5,285    6,202    5,905
  三菱ふそう  10,611    4,982    6,404    5,485    5,923    6,860
  UDトラックス  1,977    1,639     581     192     241     238

バスの方が絶対数は少ないのだが、伸びていないようである。震災復興とバスは結びつかないようだ。なお、UDに数字がある理由は分からなかった。
いすゞの好調の理由は分かってきたが、この先というとよく分からないというところである。タイの情勢が気になるが、自動車会社の多くがタイに生産拠点を置いている状況からすれば、いすゞに限った話ではない。


災害復興の好景気という説明は、説明文の始めから怪しさに満ちている。

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