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2014年2月10日 (月)

トヨタ:2017年末までに豪生産中止 通貨高や人件費上昇を受けて

トヨタ自動車は2月10日、オーストラリアでの自動車生産を2017年末までに中止すると発表した。豪ドル高や人件費上昇を背景にした競争激化で、生産継続は困難と判断した。
同社は現地で車両生産を約50年続けてきた。現在は子会社「トヨタ・モーター・コーポレーション・オーストラリア」(TMCA)が車両やエンジンを生産している。TMCAの従業員は1月時点で約3900人で、今後は再就職を含め「最大限の支援を検討していく」という。開発拠点も縮小する。(日本経済新聞:2月10日)


好調なトヨタでも撤退する市場があるということから、豪州の自動車市場について考える。


豪州の人口は1,200万人に満たない。広大な国土に、豊かな地下資源があることから、農業と鉱業によって外貨を稼いでいる国である。農業については、小麦、羊毛、牛肉が有名で、鉱業では、石炭、鉄鉱石、天然ガス、ウランが代表的である。自動車産業の状態を確認する為に、豪州の自動車販売台数推移をタイプ別で確認した。結果を下に示す。

■ 豪州のタイプ別自動車販売台数推移
   車種        2013年      2012年     2011年      2010年
  乗用車       566,454     575,427     559,314      592,122
  SUV        333,511     307,253     244,136      235,285
  小型商用車    204,566     197,704     176,940      179,553
  大型商用車    31,696      31,648      28,047      28,614
  Total       1,136,227    1,112,032    1,008,437    1,035,574

自動車販売協会連合会によると、2013年の国内RVタイプ(ステーションワゴン、1BOXワゴン、オフロード4WD、セミキャブワゴン)の販売台数が 1,412k台であるから、このタイプのみの日本市場より小さいことになる。
次にメーカー別の豪州での販売台数推移を確認した。結果を下に示す。

■ 豪州の主要メーカー別自動車販売台数推移
            2013年      2012年     2011年     2010年
  Toyota      214,630      218,176     181,624     214,718
  Holden      112,059      114,665     126,095     132,923
  Mazda      103,144      103,886     88,333      84,777
  Hyundai       97,006      91,536     87,008      80,038
  Ford        87,236      90,408     91,243      95,284
  Nissan       76,733      79,747      67,926      62,676
  Mitsubishi     71,528      58,868      61,108      62,496
  Volkswagen    54,892      54,835      44,740      38,016
  Subaru       40,200      40,189      34,011      40,025
  その他      278,799     259,722     226,349     224,621
  Total      1,136,227    1,112,032    1,008,437    1,035,574

トヨタが最も多いが20万台強と、購買力の高い地域としては物足りない量になっている。自動車産業で、工場の採算が取れるのは30~40万台と言われるから利益を出す状況に持っていくには大変な数字である。しかし、1990年では60万台強であったことを考えれば成長はしている。これが1998年には80万台を超えて現在に至っている。
豪州は1980年代前半まで自動車産業について保護貿易的な立場を取って高い関税を設定してきた。それに対応する為に、豪州での自動車生産に各社進出してきた。しかし、その後、関税率の引き下げにより、日産(1992年 = 1970年代に撤退したVWを引き継ぐ)、三菱自動車(2008年) が撤退し、GMホールデン(2017)、フォード豪州(2016)も2013年に撤退を発表するに至っている。ホールデンもフォードも豪州で80年を超える歴史ある会社であるが、関税率が下がり、国際競争にさらされれば事業の継続は困難となるという話である。儲かっているトヨタとて、赤字会社を放置する理由もないから撤退という判断に至ったのだろう。
数年前には、豪州からアジアや中東に自動車や自動車部品の輸出の計画が話題になっていたと記憶する。自由貿易圏の拡大という作業は、国際競争力のある商品のみを生産し、競争力の乏しい商品は輸入するという効率化を全速で進めるエンジンになるようだ。農産品と鉱業品は高い国際競争力があり、自動車はない。今後、タイや韓国からの輸入量が増加することになるのだろう。


国が豊かになって産業が撤退するというのは軽工業に限ると思ったが、自動車でもそうなる。

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