« JR九州高速船:ビートル1隻売却へ | トップページ | 電車事故 »

2014年2月21日 (金)

車両火災の現状

独ポルシェの日本法人「ポルシェジャパン」は2月21日、現行型の「911GT3」について、所有者に対し、車両の使用中止を要請した。
同社によると、エンジンの損傷をきっかけとする車両火災が欧州で2件起きており、原因究明に一定の時間がかかるための措置で、このトラブルによるけが人や事故はないという。日本国内では今月から納車が始まり、現在の登録済み車両は約40台となっている。車両価格は1,859万円(税込み)。同社は所有者に連絡を取り、使用中止を呼び掛けている。(読売新聞:2月21日)


自動車の火災事故について考える。


車両火災の発生件数は、消防庁の発表によると2012年で4,534件 (2011年5,129件) ある。車両火災には車両の問題だけではなく、いろいろな要因を含むことに注意を要する。全体の総出火件数は 44,102件であった。おおよそ一割が車両火災である。火災発生の内訳を下に示す。

■ 火災発生件数の比較 (消防庁:平成25年4月16日)
                     2011年     2012年
   総件数              50,006     44,102
   建物火災            26,795     25,525
   (うち住宅火災)         14,973      14,108
   車両火災             5,129       4,534
   林野火災             2,093       1,176
   船舶火災              90        86
   航空機火災              4         1
   その他火災           15,895     12,780
   火災による負傷者       7,286      6,806
   うち65歳以上の高齢者     711       677
   放火               5,632       5,340
   たばこ              4,752       4,192
   たき火              3,443       2,425
   放火の疑い           3,931       3,184
   こんろ              4,178       3,941
   放火と放火の疑いの合計  9,563       8,524

自動車が燃えるのは、所有者が違法改造を施した結果というような雰囲気が過去の報道ではあったが、これだけの件数があるとその扱いは妥当でないだろう。日本の車両登録台数は、8,037万台である(2013年11月)。このうち乗用車が6,000万台である。約一万台に一台の割合となる。
車両火災の内訳に関する消防庁のデータが見つからなかったので、東京消防庁の車両火災のデータから、乗用車の発生原因を抜き出した結果を下に示す。車両火災全体の件数は596件であった。

■ 乗用車出火原因 (東京消防庁 『火災の実態(平成16年版)』)
                       普通    小型    軽
   合計                 107     73     27    *
   金属と金属の衝撃火花       1      1      -    *
   放火(疑い含む)           19      9      6
   電気関係 小計           29     23      6
        交通機関内配線      11     13      4
        ディストリビュータ      8       5      -
        蓄電池            3      2      -
        その他の電気関係     7      3      2
   排気管                 16     16      7
   たばこ                  4      7      -    *
   ライター                 8      3      1    *
   車両等の衝撃火花          4      -     -
   触媒装置                5      1      3
   内燃機関                1      4      -
   ブレーキライニング          3      -     -
   車輪                  -      3      -
   金属と非金属の衝撃火花      1      -     -    *
   その他・不明             16      6      4    *

車両火災には放火等も含まれているので、車両そのものに原因でないものを外すと、全体で207ある出火に対して、90件が車両本体でない原因であった(右端に * の項目)。結果として車両に原因があると推定される件数は117件と、車両件数全体の20%が乗用車の車両原因と推定される火災であった。この割合が維持されていると考えると、1,000件程度の車両火災が日本で毎年発生していると見積もられる。

ポルシェ911GT3に戻って、ハイブリッドを採用した車両かと疑ったが違っていた。欧州での燃費対策はダウンサイジングに走っているので、ターボチャージされていると思ったが、これもはずれであった。
エンジンは、水平対向6気筒 3.8リッターの自然吸気である。発生する最高出力350kW(475PS)、最大トルク440Nmとある。最高出力を8250rpmで発生するほか、レブリミットは9000rpmに設定されるなど高回転型となっているのが特徴である。このエンジンと組み合わせるトランスミッションは、7速デュアルクラッチトランスミッションで、マニュアルトランスミッションはない。この他に新しい点としては、ポルシェ車として初の4WSシステムが採用されたことがある。
トランスミッションも、4WSも単独では火災発生の要因にはなりそうもないが、起こりそうもないことが起きてしまって容易に原因がつかめないというのだから、無関係と言い切る訳にはいかない。エンジンの方で新規の技術がないかと確認したら、エンジンに初採用となる技術があった。燃料の直噴メカニズムである。従来採用されていたものは、最高噴射圧が同じシリーズの911カレラ用ユニットでは120barであるのに対して、GT3では200barにまで引き上げられている。当然、コンロッドやピストンも性能向上対策を施されている。最高噴射圧を高くすることで噴霧の微粒化が実現されることが期待されるから、燃費や排ガス対策、もちろん出力向上も期待できるのだろう。直噴自体は2008年から採用されている実績のある技術であるが、120barも高い数値のように思うが、200barは随分と高い。ここが怪しそうだが、それくらいで片付くことなら簡単な話である。そもそも、ドイツのテストコースで気が付く話である。もう少し難しい問題なのだろう。


買うことはないだろうから、要らぬ心配かもしれないが、信号待ちで前にいたら不安になる。

« JR九州高速船:ビートル1隻売却へ | トップページ | 電車事故 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« JR九州高速船:ビートル1隻売却へ | トップページ | 電車事故 »

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ