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2014年1月31日 (金)

任天堂、株価急落…新サービス発表も「期待外れ」 過去のヒット作頼み

任天堂の岩田聡社長は1月30日、東京都内で開いた経営戦略説明会で、これまで消極的だったスマートフォン(高機能携帯電話)を通じた事業と健康分野で新サービスを始めることを発表した。平成26年3月期連結業績予想を大幅下方修正した直後だけに、業績改善に向け「抜本的な改革案が示されるのでは」と注目が集まったが、発表後に任天堂の株価は急落。収益改善への具体策の乏しい説明に、市場関係者の期待感もそがれた。(産経新聞:1月31日)


業績の良くない任天堂の経営者の言い訳を読んでみる。


ゲームが専用機からスマートフォンなどの汎用機をベースにした環境に移ってきているというのが大方の分析である。これに対する任天堂の対応として説明されたのは以下の通り。
スマートフォン対応として、ゲーム情報を発信するアプリを開発して年内に配信する。「マリオ」など人気キャラクターを使用しミニゲームを遊ぶことで、利用者が任天堂のゲームに興味を持てような内容を目指すという。スマートフォンのアプリ開発はそれほど難しいものではないのだろう。マリオを使うというのは、任天堂の昔からの財産の活用ということで、歴史のある会社にしかできない仕事ではある。一方で、過去にしがみ付いて未来志向でないという指摘もでるだろう。
任天堂が盛んにCMを流している健康分野では、ソフト・ハード一体型の新事業を2015年度中に始めることを表明した。ノンウエアラブルで楽しみながら健康に良いことを続けられる仕組みだという。それにしては随分と先の話である。計画があって詳細の検討をしているというより、これから検討するの方に近い気がする。
投資家たちの目も同じようで、具体性に欠けるという評価になっている。経営不振の元凶は Wii U の販売不振にある。Wii U を見切って携帯型ゲーム機ニンテンドーDSに注力するというのも手段としてあるだろうが、過去のヒット頼りという印象である。力強さに欠けるといわれるのはもっともな話である。
社長の岩田は、説明会において株主から要望の多いマリオなど人気タイトルをスマートフォン向けゲームとして有料配信することを否定している。専用機から軸足を移す考えはないということである。つまり、ゲーム機とソフトの両輪で稼ぐ従来のビジネスモデルを継続していくということである。
専用機が売れるというのは、人気のあるソフトがあるということなのだが、ソフトが旧作に頼っている状況ではここから抜け出すのは難しい。過去の作品が売れた状況と、通信関係の環境変化が大きいことを考えれば、焼き直しより新規のソフトの方が馴染むだろう。それができれば簡単に儲かるのだが、できないからどこでも苦しんでいるということである。経営者が打開策を示せないまま放置すれば責任を問われるのは必然である。来年以降の話をするというのも、年が明けたばかりなのに鬼も飽きれて笑わないかもしれないが、株主は飽きれて投げ出しそうである。

任天堂社長の岩田は、業績悪化の背景にあるのが過去の成功体験であると認識している。立て直し策として、新興国での廉価版ゲーム機の販売、M&Aの推進を挙げている。廉価版というのが曲者で、機能を下げ部品を減らすことを実施しても、数が出ないと安くならない半導体部品を抱えていては難しい。半導体部品からすれば汎用品の組み合わせに近い構成が安いのだが、それはほぼスマートフォンの姿になってしまう。スマートフォンの中身でゲーム専用機というのが最も現実的な方法だが、それだとスマートフォンと直接的に競合する。経営状況が悪い説明にM&Aを口にするのは、経営者が言い訳を思いつかないときだと決まっているのだが、任天堂に何を足せば新しいことができるかというと簡単ではない。任天堂はゲーム機、ゲームソフトに関して、古く大きな会社になってしまっている。

過去のヒット作に頼るといっても花札では雇用の維持はできない。健康推進がお気に入りのようだが、ダイエットの類の健康増進というのは先進国の一部で起きているものである。それを柱にして、廉価版で途上国を狙うというのは、確実に市場が違っている。途上国向けに文化や風俗、宗教上の違いを意識して新しいゲーム機の提案をする、というくらいの大風呂敷を広げた方が経営責任を問われたときに言い訳になりそうである。


これでは株価も下がる訳だ。

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