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2014年1月29日 (水)

参院代表質問:首相「貿易赤字、恒常化しない」 

参院は1月29日午前の本会議で、安倍晋三首相の施政方針演説への各党代表質問に入った。首相は2013年に過去最大となった貿易赤字について「政府としてはこの状態が恒常化するとの見通しは現在持っていない」と表明。「一時的なショックがあった場合でも持続的に成長する強い経済を実現することが重要だ」と述べ、デフレ脱却と経済再生の取り組みを進める決意を示した。
輸出額が輸入額を下回るのが貿易赤字。首相は貿易収支や経常収支について「世界経済の動向など様々な影響を受ける。背景を含め慎重に見極める必要がある」とも指摘した。自民党の溝手顕正参院議員会長への答弁。
首相は昨年末の靖国神社参拝に関して「私人の立場で参拝し、供花代は公費から支出していない。憲法の政教分離の原則に違反する可能性があるとの指摘はあたらない」と語った。中国、韓国との首脳会談を「私の方から両国に積極的に働きかけている」と強調。「困難な課題があるからこそ、前提条件をつけずに会談すべきだ。両国にも同様の態度を求める」と会談の早期実現を訴えた。
憲法改正では「国民的な議論の深まりを踏まえ、しっかりと着実に取り組んでいきたい」と意欲を表明。特定秘密保護法をめぐっては、民主党の神本美恵子副代表が「国民の不安や疑念は歴史の教訓を踏まえたものだ」として、法律の拡大解釈によって国民の生活が脅かされる可能性があると追及。首相は「丁寧に説明を重ね、効果的な運用ができるよう準備する」と理解を求めた。
4月の消費税率引き上げで大手企業が中小の納入業者に、増税分の価格転嫁を拒否することなどがないよう「監視と取り締まりや事業者への指導、周知徹底に努める。政府一丸で万全の転嫁対策を講じる」と述べた。
高校で選択科目となっている日本史の必修化については「日本人としてのアイデンティティー、日本の歴史や文化の教養を備えてグローバルに活躍できる人材育成の観点から検討する」と述べた。(日本経済新聞:1月29日)


引用が長いが経済状況について考える。


貿易赤字が続いていることは問題があるのだが、首相が問題ですとこの時期に発言する訳にはいかない。よって、発言自体は当然のことと理解する。貿易赤字が問題だと言ったら、就任依頼続けていた政策を自己否定することになる。
アベノミクスと称する内容に乏しく看板ばかり仰々しい偉大なる経済実験は、短期に円安誘導をして輸出産業に好景気を与えて、その効果によって国内の個人消費を刺激してデフレを脱却するというものであろう。間違ってはいないのだが、楽観的過ぎる物語である。悲観的を不景気のもとだからといって、楽観的が好景気のものにはならない。
輸出産業がテーマということで、代表して自動車産業を考える。自動車メーカは、これまでに何度も経験した円高の影響で、海外生産の充実を計ってきた。それでも輸出が大きいのは、利益が期待できる高級車を北米に輸出することから、円安は利益の拡大につながるという図式である。全部ではないが、これが柱である。労賃や税制の負担が大きい日本での生産で価格競争力は期待できないから、品質での競争を求めることになる。そんな訳で、各社の最近の決算発表では円安による利益拡大とある。自動車産業は、四半世紀前の北米に大きく依存した体質では、円高対応しきれないと現地生産を推進してきたし、新興国市場向けには現地の求める価格での販売の実現の為に現地化せざるを得ない状況になっている。円安になれば販売が楽になるという幻想を抱くより、円高に対応する経営方針を決定することが経営実務というものである。
最近の円安は自動車産業には干天の慈雨であろうが、この円安が継続すると原油高、即ちガソリン価格の高騰が進み、ただでさえ苦しい国内販売が更に冷えってしまう。それに加えて、若者の自動車離れが著しいこともある。ガソリン価格と自動車利用は比例することで知られる。利用が減れば、販売が伸びる理由もなくなる。つまり、円安はもっと大きなリスクであることを経営者は認識しているだろう。経営者は、為替がどう動いても対応できるように準備する。円安にしても円高にしても海外シフトしなければならないことになる。結果的に海外進出しないで済む可能性もあるが、準備をして状況によってブレーキを掛けるということになるだろう。ここまでは想定済みであるから、アベノミクス効果という円安程度で浮かれていては次でしくじる。準備は怠りなく進める。アベノミクスを信仰して、自社を人身御供にする経営者などどこにもいない。
アベノミクス効果というのが発揮されれば、企業利益が拡大することになる。その結果は、円高方向に動く。これは必然である。アベノミクスという実体経済とは遊離した好景気ムードは、円高方向に動いた瞬間にしぼんでしまう。企業経営を担っている人は、安倍頼みにする筈もなく、円高に動いた場合の対応も考慮しているだろう。

円高を諸悪の根源と、それこそ親の仇であるかの如く言っている。日本が資源を海外に依存していることを考えれば円高は悪いことではないだろう。むしろ、円安の方が怖いはずだ。どちらも急激な変化が生じれば問題であるが、変化が緩いことが前提、つまり投機的な動きが無視できる実体経済ベースの話で動く範囲であるなら、円高と企業努力の組み合わせで対応していく問題であろう。国が行うべき政策としては、企業活動の環境整備や税制の見直し、労働環境の整備など地味で即効性はないが長く効果が続くものに計画的に取り組むことだろう。もちろん、投機的な資金の流れが実体経済に影響するようなら緊急的な対応はしなければならない。しかし、アベノミクスが投機的な動きだとしたら、付ける薬はないことになる。


役人の作成した書類を読むだけでも、理解の程度が知れてしまう。

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