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2014年1月26日 (日)

首相:日中関係を英独関係に例え「問題ない」

インドを訪問中の安倍晋三首相は1月26日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で日中関係を第1次世界大戦前の英独関係に例えた発言について「同席していた方に聞けば全然何の問題もなかったことがわかってもらえると思う」との認識を示した。ニューデリー市内のホテルで記者団に語った。日中関係に関しては、25日のインドのシン首相との会談で「偶発的な衝突が起こらないようにコミュニケーションチャネルを作っていきたい」と説明したことも明らかにした。
施政方針演説で「責任野党との政策協議」を打ち出したことに関連して「ぜひ責任野党であるみんなの党の渡辺喜美代表とも政策的な協議を行っていきたい」と指摘。「アイデアがあればどんどん出してほしい」と渡辺氏に電話で伝えたと語った。通常国会では「建設的な議論は行いながら修正が必要だと思えば修正していくという謙虚な態度で臨んでいきたい」と述べた。(日本経済新聞:1月26日)


安倍の発言について考える。


通訳が適切に行われなかった結果生じた誤解であるというのが政府の見解のようだが、それで済むことかという疑問がある。ダボス会議というのは、世界経済フォーラムの通称のようだ。ダボスというのは都市名でスイスにある。つまり、欧州で開かれた経済会議で日本の首相が発言した内容が今回の話である。乱暴にまとめると間違えそうなので、問題になっている発言に至る部分を確認した。
司会を務めた英紙フィナンシャル・タイムズのギデオン・ラックマン主席外交解説委員が「尖閣諸島をめぐり、日中が武力衝突することはありうるか」と安倍に尋ねた。これに対して安倍は

「日中間で軍事衝突が起きれば、両国にとって大変なダメージになる」

と日本語で答え、さらにつけ加えた。

「今年は第1次大戦(の勃発)から100年目。英国とドイツは、戦争前に貿易で相互に関係が深かった。日本と中国も今、非常に経済的な結びつきが強い。だからこそ、そうならないよう事態をコントロールすることが大事だ」

この発言をめぐり、ラックマンはその日の同紙ブログで以下のように伝えた。

「首相は興味深いことに、紛争は論外だと言わなかった。日中間の緊張を、第1次大戦前の英独のライバル関係と比較し、『同じような状況だ』と述べた」

と、首相が軍事衝突もありうると示唆したと受け取れる表現になっている。この同じような状況の部分がオリジナルの発言にはないから、通訳の問題という見解につながっている。
欧州を主戦場として1914年7月28日から1918年11月11日まで多くの戦死者を出した対戦である。各国はドイツ・オーストリア・オスマン帝国・ブルガリアからなる中央同盟国と、三国協商を形成していたイギリス・フランス・ロシアを中心とする連合国の陣営が基本となり、後に各国が参戦することになる。英独の関係というのがこの対立の中心にあると考えて良かろう。
このあたりを踏まえてもう一度発言を考える。欧州で開催された会議の席で、英国の経済紙の記者が、日本の首相 (第1次世界大戦では日英同盟の関係で中央同盟国側) に対して日中関係について質問した。首相は、日中を第1次世界大戦の英独関係になぞらえて回答した。これを聞いて記者は、日本の首相は1914年と比較するとは、恐ろしく、怒りをかき立てると反応したのである。

欧州で回線100年を迎える大戦を比喩に用いることの無神経さは、なかなか凄いものだと感じ入るよりない。常識的には神経を逆なでる行為をしないように配慮するのが社交の原則である。国際会議で外国人記者が挑発的な発言をすることもあるだろうが、軽くいなすのが作法だろう。外国で記者相手に喧嘩しても国益にならない。喧嘩するなら、叩くべき相手国か、国際的なシステムでなければならないだろう。記者の質問は日中関係であるから、中国の動きを牽制する回答をしたかったという意図は分からないではないが、日中関係をそのまま説明すれば済むことである。気の利いた回答をしようと比喩を用いた、それも質問者の英国を含めて英独関係に求めたのだろう。というのは贔屓目に過ぎて、単純に思いつきに過ぎないかもしれない。
甚大な被害があった戦争を比較に用いたということは、日中関係は英独が開戦する直前と同じくらい緊張した状態にあることを示してしまった。これが誤解の本質だと思うのだが、政府関係者は開戦直前の緊急対応を練っているということなのかもしれない。これはきっと国家機密なのだろう。ということは、安倍は重要機密を漏洩した犯罪者に位置付けられるべきなのだろう。

結論として、安倍の言葉の選択は軽く薄い。声の薄っぺらな印象と合わせると悲劇的である。どこかの暴力団の組長が、安倍の面構えが弱いと指摘していた記憶があるが、見栄を張る渡世人の感性ではそう見えるようだ。温室育ちの弱さと括っても良いが、学校でたいして勉強もしないで卒業し、企業での経験もたかだか三年と、政治家の息子のお守りをさせられただけの時間を貴重な経験と語るのは、世間知らずのお坊ちゃんと呼ばれる経歴である。そうであるかないかは置くとしても、他人がそう思うかもしれないという想像力は持っていて欲しものだと思う。
こんな状況で安倍の周囲に誰かいないのかと思うのだが、お友達しかいないのかもしれない。親族とお友達に囲まれて幸せな人生を送っているのかもしれないが、親族でもお友達ではない多くの国民の利益を無視してはいけない。安倍一族、岸家を含めた人達、山口県西部、最大拡大して山口県の利益しか頭にないようでは国の舵取りには不適である。滑舌の悪さを改善する努力はなさったようだが、滑舌より内容の改善に努めてもらいたいものである。


苦いことを言ってくれる人は大切な人だ。甘い言葉に囲まれて育つと碌なものにならない。

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