« NHK会長の慰安婦発言「まさに正論」 橋下氏が評価 | トップページ | 参院代表質問:首相「貿易赤字、恒常化しない」  »

2014年1月28日 (火)

ソニー:ルネサスの鶴岡工場を70 - 80億円で買収へ

ソニーが、半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスの主力拠点、鶴岡工場(山形県鶴岡市)を買収する方針を固めたことがわかった。1月29日にも発表する。スマートフォンやデジタルカメラに搭載する半導体製品のCMOSイメージセンサの生産工場に転用する。
関係筋によると、ソニーは鶴岡工場を70~80億円で買収し、CMOSセンサーの生産設備に入れ替えるため、200~300億円の追加投資をする。850人の従業員の一部も引き継ぐ。ルネサスは鶴岡工場を閉鎖することを一旦決めたが、CMOSセンサー増強の手段として同工場の買収に意欲を示したソニーが現れたことから、売却の方向に切り替えて交渉を続けていた。
現行、ソニーのCMOSセンサーは、長崎工場(長崎県諫早市)と熊本工場(熊本県菊陽町)で生産。今後もセンサーの需要拡大が見込めることから、数年以内に20%以上の生産能力を増強する計画で、鶴岡工場はその一環として買収する。主力の長崎工場の増強は、今後の市場動向を見極めながら別途、検討する。(ロイター:1月28日)


ソニーの事業について考える。


デジタルカメラやビデオカメラの心臓部といえるイメージセンサーは以前はCCDが主力であった。2000年前後のCMOSセンサーを用いたカメラというのは廉価版の画像の悪いカメラの印象が強かった。これは、CDDセンサーの方がCMOSセンサよりS/N比に勝るという性能がそのまま表れたものであった。しまし、特性を改善した増幅型のアクティブピクセル型CMOSセンサーの技術開発の進行によって、イメージセンサーはCMOSセンサーが主力となっていた。逆転したのはリーマンショック前後で、CCDは民生品のセンサーとしては消えていくものとなるだろう。
CMOSイメージセンサの市場規模の推移とソニーのシェアを金額ベースで確認した。結果を下に示す。

■ COMSイメージセンサー市場規模とソニー売上高推移
   年   世界市場(億ドル)  ソニー売上高  シェア(%)
  2010      42          13        32
  2011      59          19        31
  2012      76          25        32

金額ベースで示したのは、ソニーがCMOSイメージセンサー市場でトップシェアを占めているという表現のトップは金額ベースでの話だからである。数量ベースでは六位まで後退する。イメージセンサーの数量は携帯電話(スマートフォン含む)の使用拡大によって、単価の安い製品が数多く出回っている。数量ベースでトップなのは米国のOmniVisionである。Apple社のiPhoneに搭載されるカメラは4までメインサブともにOmniVision製で、現行品でもサブはOmniVisionであるという (メインはソニーに変更された)。数の上では携帯電話機用途が圧倒しているのが市場構造のようである。ソニーの発表資料から、イメージセンサーの市場規模を引用する。年度は2010年の実績となる。結果を下に示す。

■ 用途別のイメージセンサー市場規模 (単位:億円)
      携帯電話  スチールカメラ   一眼レフカメラ   監視カメラ   ビデオカメラ
  金額   15.3      9.0          11.5          6.7        2.0

大量に出荷される製品は単価が安くても金額ベースの市場規模が大きいことが分かる。OmniVisionに近い安い製品が主力のSamsungの平均単価が1.9ドルに対し、ソニーが7.3ドル(2012年推定)と差が大きい。ソニーも画素数の少ない製品が全く扱っていないということではないが、注力しているのが画素数の大きな製品であることがここからも窺える。
今回の買収から見えてくるのは、イメージセンサー市場は今後も拡大が続くとソニーは判断しているようだ。ソニーのイメージセンサーの生産は、富士通の三重工場でも行っている。この工場は非常に非常に忙しい状況が続いているというが、富士通はこの工場をTSMCに売ることを決めている。2012年8月に富士通は半導体工場三つの売却を決定している。すべてを一社にという訳ではないから、三重工場をソニーに売却するのでも問題はなかった筈である。富士通としては、ソニーからの注文で稼働率が高い優良工場を高く買って貰うように、TSMCとソニーに天秤を掛けた可能性もある。TSMCが高かったから売ったというのであれば当然の結果と言える。鶴岡工場がソニー傘下に入っても稼働して現在の受注状況を賄うまでになるには一定の時間を要する。三重工場は短期的には忙しい状況は続く。ソニーの側の論理としては、高い三重工場より安く鶴岡工場を買う方が良いということなのだろう。
ソニーが市場は拡大すると判断したのは、市場の拡大は緩やかになっても画素数の大きな方向への流れは大きく変わることはないということなのだろう。タブレットPCであっても表示画素数からすれば5Mもあれば十分そうだ。そうは言っても、通信速度が上がってメモリも安いとなれば画素数の少ない方向には流れることはない。スマートフォンのカメラというのが、ソニーのイメージセンサーを買ってきて、画像処理ソフトの最適化を施すというのが最良の製品開発になっている状況は、しばらく変わらないのかもしれない。


カメラが電子部品になると有難みが減る気がするのは気のせいか。

« NHK会長の慰安婦発言「まさに正論」 橋下氏が評価 | トップページ | 参院代表質問:首相「貿易赤字、恒常化しない」  »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« NHK会長の慰安婦発言「まさに正論」 橋下氏が評価 | トップページ | 参院代表質問:首相「貿易赤字、恒常化しない」  »

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ