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2014年1月 9日 (木)

フォード:小型車「フィエスタ」発売 日本で7年ぶり

米フォード・モーターの日本法人は1月9日、排気量1,000ccの小型車「フィエスタ」を2月1日に発売すると発表した。同シリーズは累計約1,500万台を販売する世界戦略小型車で、日本で発売するのは7年ぶり。小型エンジンを過給器で補う「ダウンサイジング」技術を採用しており、燃費性能を高めた。小型車ニーズの高い日本市場で、若年層や女性など新規顧客の開拓を目指す。
価格は229万円から。フォードが日本で販売する車種の中で、最も安い価格に設定した。3気筒1,000ccのエンジンを搭載しており、1リットル当たりの走行距離は17.7キロメートル。前方に障害物を検知すると自動でブレーキがかかる「低速時自動ブレーキシステム」を標準搭載した。フィエスタは1976年に欧州で発売し、現在は世界140カ国で販売している。日本市場では07年にフィエスタをはじめ小型車販売から撤退していたが、小型車ニーズの高まりを受け再投入する。同車種の発売に合わせ、1月末から10年ぶりにテレビCMも放映する。
同日記者会見した日本法人の森田俊生社長は、「燃費性能と力強い走りを両立した。日本の顧客の需要に合った製品だ」と強調した。また、2014年後半には小型新型多目的スポーツ車(SUV)「エコスポーツ」も発売することを明らかにした。小型車で日本市場に攻勢をかける方針だ。(日本経済新聞:1月9日)


欧州フォードと輸入車について考える。


フィエスタは欧州フォードのコンパクトカーである。フィエスタに搭載される1リッターエンジンはインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを獲得している。参考の為に記すと順位は以下のようになっている。

■ International Engine of the Year 2013
 ranking Points   Maker & Engine
  1.    479    Ford 999cc three-cylinder turbo
  2.    408    Volkswagen 1.4-litre TSI TwinCharger
  3.    247    BMW 2-litre twin-turbo four-cylinder petrol
  4.    245    Porsche 2.7-litre DI
  5.    233    Ferrari 6.3-litre V12
  6.    197    BMW/PSA 1.6-litre turbo petrol
  7.    180    McLaren 3.8-litre V8
  8.    111    Audi 2.5-litre five-cylinder

3気筒のフォードのエンジンと、フェラーリの12発が同じ土俵で比較されるのはこの賞くらいではなかろうかと思う。BMWよりポルシェより上にあるのがこのエンジンである。このエンジンは、フォードのイギリスのテクニカルセンターで生まれた997ccのフォード最小ガソリンエンジンである。直噴ターボで、吸排気の可変バルブタイミング機構を備える。3気筒に不可避の振動は、エンジン全体で入念な動的バランスを取ることで解消し、重量やフリクション増加をもたらすバランスシャフトを持たない。CO2排出量=99g/kmという環境性能を実現する一方、最高出力はいわゆる「リッター100ps」超えの100ps/6,000rpm。17.3kgmという1.8リッター級の最大トルクは1,400rpmという低回転から発生する。エンジンのスペックを下に示す。

■ フィエスタのエンジンスペック
  エンジン     FIESTA 1.0 EcoBoost
  種類       直列3気筒ターボ
  型式       SFJ
  内径×行程[mm]          71.9×81.9
  総排気量[cc]             997
  最高出力 [kW (ps)/rpm]      74 (100) /6,000
  最大トルク [N・m (kg-m)/rpm]  170 (17.3) /1,400-4,000
  燃料供給装置            電子制御フューエルインジェクション
  燃料                  無鉛プレミアムガソリン
  燃料タンク容量[l]          42

リッター100馬力のエンジンである。ひと昔前ならスポーツエンジンとして広告に使われていた仕様である。最新鋭のエンジンの割には、JC08モード燃費が17.7km/Lと控えめである。国産のクルマに多く見られるアイドリングストップ機能は付いていない。アイドリングストップはMT車のみで、パワーシフトと呼ばれるゲトラグ製6段自動MTが搭載される日本仕様は適用外のようである。
国内クルマでは、MTよりCVTの方がJC08燃費が良好なことが多い。段数が多くできて変則レンジも幅広いことがCVTに有利であるにしても、伝達効率で劣る機械が優るのは理解できなかった。JC08燃費の測定方法が、MTの場合にはどのギアに入れるかを指定されるのに対し、ATはDレンジに入れていればフリーであることが分かった。JC08モードに最適化した変速をするようにプログラミングすることが可能であるから、CVTの燃費が有利になる要素になるのだろう。一般走行の場合(アクセルの踏みが大きい)には別の制御プログラムになるだろうから別に使用上の問題はない。カタログを飾るだけだという指摘はしなければならないが、燃費改善の為にゆっくりとアクセルを踏む動作で実際の燃費は良くなるのだから、利用者の使用方法に幅広く対応しているのだとメーカが説明したら、ハイそうですかと返すよりない。
さて、この搭載される変速機はデュアルクラッチ式である。ロスの小さなロボタイズドマニュアルトランスミッションで、多段化することで燃費改善を目指しているのに、燃費が良くならないのはなぜかと考えた。輸入車には、年間2,000台以下のPHP(輸入自動車特別取り扱い)制度がある。フォード車は、2013年トータル約3,500台だったから、この簡易承認制度で輸入されている。この利益を得ているからエコカー減税の対象にはならない。つまり、カタログ燃費を良くする動機に乏しいようだ。もちろん、燃費測定のスペシャリストがいない事情もあるだろう。

ハイオク仕様になっているのも気になる。欧州のガソリンはレギュラーがRON95、ハイオクがRON98というのが一般的なようだ。日本のオクタン価仕様は、レギュラーがRON89、ハイオクがRON96となっている。実勢は、レギュラー90、ハイオク100というのが日本の状況のようだ。欧州のレギュラー仕様は、日本に入るとハイオクになるという事情のようだ。混ぜれば良いと言う話もあるが、メーカではハイオク指定にレギュラーを使用すると出力も燃費も悪化すると発表している。難しい所である。
最近のエンジンブロックは鉄が用いられるようである。過給機付きで、なおかつシリンダー間の寸法を小さくしようとすると、重量が二割増えてもアルミより鉄ということのようだ。もちろん、音や振動の対策も関係しているだろう。このエンジンはサイズの大きな車種である、フォーカスやモンデオにも搭載されている。ダウンサイジングは欧州では強いようだ。


もう少し実際的な燃費モードを誰か提案しないのだろうか。

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