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2014年1月13日 (月)

サントリー、米首位を買収 蒸留酒で世界3位に

サントリーホールディングス(HD)は1月13日、米蒸留酒最大手ビーム社を総額160億ドル(約1兆6,500億円)で買収することで同社と合意したと発表した。買収でサントリーHDは世界の蒸留酒メーカーで10位から3位に浮上。かねて懸案だった蒸留酒事業の巨額買収で、世界の酒類市場でグローバルプレーヤーとしての地位を固める。(日本経済新聞:1月13日)


サントリーと酒の産業について考える。


サントリーは株式非公開の会社であり、同族会社でもある。金融系列では旧三和銀行系となるが、そんな事情であるから分類はそれほど意味がないと考えた方が良いだろう。サントリーは商品名で、その前の社名は壽屋であった。これが有名なのは、PR雑誌の洋酒天国の編集に、山口瞳や開高健という直木賞、芥川賞作家が社員として関わっていたことがいろいろなところに書かれるからだろう。二人ともコピーライターでもあった。それを前提に考えてみれば、サントリーの缶コーヒーやビールは、コマーシャルをつくる為に商品を企画製造しているようにも思えてくる。ビール事業は赤字だったと書かれていたのを読んだ記憶があるし、缶コーヒーはジョージアよりは売れていないだろう。コーヒーの話はコンビニでの販売と合わせていずれ考えたいと思っている。
非上場の理由としては、酒の醸造には時間がかかり、短期的な利益を要求される株式公開に馴染まないというのが代表的なもののようだ。株主に商品の味を左右されたくないというのもあったが、この手の話はどこでもある。自分の嗜好に合うことを営利活動より優先する株主が多数になるとは思えないが、それを心配するような企業風土があるということのなのだろう。直接的な利益に結びつかない文化事業のリストラを要求されるというのもあるが、これは株式の公開をしていなくてもそうだろう。社員の給料を抑えて文化活動をしているとしたら、労働組合は騒がなければならないだろう。程度やバランスで判断される事柄を、理由として例示するのはセンスが悪い。
新聞記事にある蒸留酒企業の世界ランキングを下に示す。

■ 蒸留酒世界ランキング (小売りベース2012: International Wine & Spirit Research)
  順位  会社名          本社    売上高(百万ドル)
  1 ディアジオ           英      31,896
  2 ペルノ・リカール        仏      18,725
  3 サントリー + ビーム   日+米      9,508
  4 バカルディ・マルティーニ   英       8,890
  5 ブラウンフォーマン      米       6,694

ブレンドは有名でも会社名は知られていない場合もあるので確認していく。
ディアジオは1997年、ギネスとグランドメトロポリタンの合併した英国の会社である。ギネスはギネスブックで有名な1756年創業のビール会社である。ギネスブックは1997年の合併の際に、Gullane Entertainmentに売却され、更に2002年にはこの会社ごと現出版元であるHIT Entertainmentに買収され、2008年にこの部門はJim Pattison Groupに売却されている。本業ではない文化活動が一定レベルの価値を獲得すればM&Aの対象になるということである。文化活動は営利を目的にしないと考えるなら、利益を生み出す文化活動は文化活動ではもはやなくなるから売却対象になるという理屈も成り立つ。すると、儲からなければ儲からないほど良い文化活動だとする尺度も成立するが、このダイナミックな旦那芸は営利団体の枠から離れて、個人でやって貰うのが馴染む仕事なのだろう。脱線した。
巨大企業なのでウィスキーブランドだけでも、ホワイト・ホース、ブラック&ホワイト、オールド・パー、ジョニー・ウォーカーと幾つもあげられる。ウォッカのスミノフもこのグループである。この会社もロシアから米国経由で英国企業の傘下に収まっている。
ペルノ・リカールは名前の通り、ベルノとリカールが1975年に合併したフランスの会社である。こっちも企業買収に熱心でシーバスリーガル(2001) 、バランタイン(2005)といった多くの有名ブランドが傘下にある。
ビームはジム・ビームで有名なバーボンウィスキーの会社である。
バカルディ・マルティーニは、マルティーニ・エ・ロッシとバカルディが1993年に合併した会社である。マルティーニはモータースポーツにもマルティーニ・レーシングを通じ積極的に参加している。白地に赤と青と黒のラインが引かれたマルティーニ・ストライプのカラーリングはレースの記録映像ではよく見かける。マルティーニ・エ・ロッシはイタリアの会社で、バカルディはキューバで創業した会社だが、キューバ革命後の国有化政策による接収を恐れ、1960年にキューバから撤退し、本社をバミューダ諸島のハミルトンに移転した。バカルディは米国のハード・リカー部門で圧倒的な強さを持つという。
ブラウンフォーマンは、シーグラムに次ぐ米国第2位の会社である。ブラウン一族が経営権を握っており、ブランド数も他に比べ非常に少ない。また、その市場のほとんどが北アメリカ大陸に集中していることも特徴になっている。ジャック・ダニエル、アーリー・タイムズといったブランドを有する。

ブランドを確認して気が付くのは1980年代以降、世界の多くの地域で企業買収が行われているのが酒造産業の特徴であるようだ。ある意味地場産業であるウィスキーの製造が、ブランド価値の向上により、世界的な販売網で量を増やして販売されるという図式になるようだ。サントリーは成長が期待できない日本から、途上国市場を重視した経営を行わなければならないだろう。その市場で販売するのに、日本のブランドと、米国のブランドのどちらが売り易いかを市場ごとに判断して商品投入をすることになるのだろう。ブランドの札を多く持つ方が自由度は大きくなるが、動きを悪くする要素にもなるのは歴史の示すところである。多額の投資をどのように回収する計画なのだろうか。このあたりの情報が公表されないのが、非上場会社の残念なところではある。


缶コーヒーの市場シェアを調べようとしたら思いのほか難しいことに気付いた。

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