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2014年1月23日 (木)

2013年国内パソコン出荷:0.8%減 4年ぶり前年割れ

電子情報技術産業協会(JEITA)は1月23日、2013年のパソコンの国内出荷台数が前年比0.8%減の1,118万台だったと発表した。前年割れは4年ぶり。年後半以降、法人向けが好調に推移したが、タブレット(多機能携帯端末)に市場が侵食された個人向けの落ち込みを補いきれなかった。
法人向けが多いデスクトップは6.8%増、個人向けが多いノートパソコンは3.6%減った。円安による部品価格の値上がりなどで単価が上昇し、出荷額は2.5%増の8,288億円だった。JEITAは法人・個人の内訳を公表していないが、法人向けは4月に迫る「ウィンドウズXP」のサポート終了に伴う買い替え需要が好調で、前年比2割以上増えたもようだ。一方、個人向けの不振は深刻で「足元でも前年割れが続いている」(JEITA)という。 12月の出荷台数は前年同月比16.1%増の133万台で12月単月として過去最高を記録。2ケタ増は3カ月連続だった。(日本経済新聞:1月23日)


国内市場に依存しては事業が成立しないが無視できないというのがグローバル化というものである。パソコンについて考える。


JEITAの統計は月の単位で集計発表されている。パソコンは、全体とデスクトップ、ノート型に分類され、さらに分けられているが、ここまでで集計することにする。JEITAの年度の集計は4月から3月となっているので、暦に合わせた年に集計し直した。出荷台数、金額、平均単価の推移を下にまとめた。

■ パソコンの国内出荷台数 (単位:千台)
           2008      2009      2010      2011      2012      2013
  全体      9,297      8,724     10,760     10,868     11,274     11,188
  デスクトップ  3,047      2,576      3,343      3,209      3,062     3,272
  ノート型    6,251      6,148      7,418      7,659      8,212     7,917
                                    

■ パソコンの国内出荷金額 (単位:億円)
           2008      2009      2010      2011      2012      2013
  全体      10,726      8,424      9,663      8,706      8,090     8,289
  デスクトップ  3,440      2,664      3,145      2,724      2,252     2,406
  ノート型     7,285      5,760      6,518      5,983      5,837     5,881

■ パソコンの国内平均単価 (単位:千円)
           2008      2009      2010     2011      2012     2013
  全体      115.4      96.6      89.8      80.1      71.8      74.1
  デスクトップ 112.9      103.4      94.1      84.9      73.5      73.5
  ノート型    116.5      93.7      87.9      78.1      71.1      74.3

リーマンショック後の景気後退の影響が出ている2009年以降、出荷台数は増加していたが2013年に減少した。個人向けが多いといわれるノート型は2009年以降伸びているが、法人向けが多いデスクトップは2010年以降減少している。パソコン全体に対するデスクトップの割合は全体の三割前後で推移している。パソコンというのは個人向けが多いという特性があるようだ。ただし、この傾向が世界で共通化というと疑問がある。世界のパソコンの出荷でノート型の占める割合は2010年では六割に満たなかった。液晶ディスプレイの価格低下によってノート型の増加は確かなものであるだろうが、それで片付けて良いのかどうかというと分からない。国内に関しては記事の通りなのだろう。
金額については、2012年まで減少傾向(リーマンショックの影響を除く)であった。2013年に増加したのは単純に為替の影響だろう。対ドルで2012年と2013年で二割円安に動いているから、毎年一割程度減少する商品単価を埋め合わせて余るというくらいの影響はある。単価の上昇と合わせて合理的説明が付きそうだ。

タブレットPCについては、国内の出荷台数の調査が乏しいが、2011年278万台、2012年568万台というのがあった(MM総研)。市場調査の開始直後に認められる傾向として、対象とする商品が適切かどうかというところで問題がある場合がある。タブレットPCではスマートフォン、電子書籍端末との境界が曖昧になっているようだ。含めても含めなくても大きな数字の差にはならないが、連続性が損なわれる可能性に注意を要する。なお、世界のタブレットPCの出荷数の推移は、2011年が70、2012年が135、2013年が190百万台という水準のようだ。成長著しい商品になっている。
ノート型のタブレットPCへの置き換えというのには少々疑問がある。JEITAの統計では、ノート型でモバイル用とA4型・その他にさらに分類している。2013年に出荷台数が減少したのはA4型・その他である。心情的には理解するものの、タブレットPCやスマートフォンの普及により市場を失うとしたら、ファッションとしてパソコンを購入するような層が流れ出てしまったと考えた方が良さそうである。これは市場の一部が崩壊していることを認めることだから、公式発表には載せられない内容になっているのではあるが。


毎度のことながら、報道において数字の扱いが雑である。

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