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2013年12月 9日 (月)

みんなの党と政党の動き

みんなの党の江田憲司前幹事長は12月9日午後の記者会見で、年内の新党結成を目指す考えを強調した。「野党に課せられた使命は政治理念や基本政策を一致させ、自民党に対抗しうる、政権交代可能な勢力を作ることだ。志を同じくする人と新党結成の準備に入りたい」と述べた。
江田氏を含む同党議員14人は記者会見に先立ち、離党届を提出。江田氏に加え、青柳陽一郎、井坂信彦、井出庸生、小池政就、椎名毅、畠中光成、林宙紀の8衆院議員と、小野次郎、川田龍平、柴田巧、寺田典城、藤巻幸夫、真山勇一の6参院議員が離党届を出した。(日本経済新聞:12月9日)


みんなの党が分裂した。この国会における各党の動きについて考える。


みんなの党に在籍した江田が、渡辺の党運運営に反対して党を出るであろうことは予想出来な話である。みんなの党は、歳出削減と既得権益の排除を掲げて、原発ゼロとも言っているの。だから、現政権の方向性とは違うだろうと感じる。最近の代表である渡辺の動きを見ると、政権にすり寄っているように見えるから反発するものがあってもおかしくは無い。もともとみんなの党と自民党の違いなど微々たるものとも言えるから、すり寄るもないのだろうが、そう見えてしまうものは仕方がない。政権実現には権力に近付く必要があるというのが渡辺の論理だろうが、党の掲げた方針に反するとする江田の主張には説得力がある。
みんなの党は、小泉の路線を継承している政党にも見えるが、小泉改革が失敗だったとする評価に落ち着いてしまっては次の選挙が戦えない。経済成長を重視する姿勢は、アベノミクスと称される政策と差別化は困難だ。既得権益の排除は経済成長優先の動きに水を差すと言われるだろうし、原発ゼロは共産党と同じだとされては支持者に混乱を呼ぶ。全体として自民党と差が無いのだから、対立軸が無いと存在感を失ってしまうのがこの手の政党の運営の難しさである。渡辺党に属していても次はないと判断すれば、沈む船から逃げるよりないのだろう。江田丸が大海原を進む船には思えなくても、どこかの船に乗り移れるかもしれない。年内に新党をつくれば政党交付金の3億円が手に入るのも助かる。
渡辺のオーナー政党に見えるみんなの党で、江田が目立つというのは渡辺の嫉妬を買うだけである。子分に囲まれていい気分でいられるというのは少数政党では難しい。渡辺のやり方は自民党的であり、父親のイメージも永田町では残るから尚更だろう。官僚支配の自民党、労組依存の民主党では真の改革は出来ないと結党したが、官僚を保護する法律で自民党に乗っては党存亡の危機だ。
立ち回り方が自民党的に見えるが、自民党なら子分が動くところを自分でやらなければならないところが辛い。分裂に至る経緯を振り返るにつけ、渡辺にとっては唯一のパートナーである江田が、嫉妬の対象でもあったということのだろう。

民主党の前原、細野は江田の動きに乗る可能性があるようだ。江田は労働組合系は飲み込みたくないだろうから、民主党の保守系議員がターゲットになるが簡単ではないだろう。この手の議員には新党に移るメリットが乏しい。この辺に一定の支持基盤がある政党と、そうでない新党との違いがでるのだろう。
民主党は特定秘密保護法案で反対ばかり叫んでいると自民党は批判していたが、自民党の横暴ぶりを国民に印象付けるにはこれ以外に方法はないだろう。政権与党であった政党のやり方ではないとの指摘はもっともであるが、風前のともしび状態の政党なら手段を選ぶ余裕はない。昔の社会党みたいになるが、反対する国民が多くいるなら反対することを目的にしていると指摘されようとも反対し続けることに価値がある。実際、法案可決後の支持率調査では民主党の支持が増加しているようだから、対応としては間違いがない。しかし、それで政権に再び就けるかといえば大いに疑問である。

日本維新の会は江田に合流する可能性が高いグループである。橋下の失言問題によって支持率低下から抜け出せない。表札を変えるチャンスと捉えれば江田の動きは渡りに船だろう。人数が増えるのは江田には歓迎する話だが、旧太陽系は要らないだろう。新しいグループにはこの古いタイプの政治家グループは好ましい存在ではない。維新は関西でも存在感の低下が目立っているから、くっついて済む話ではないところが大変なところである。

自民党は特定秘密保護法案の審議について余計な話はしないという対応であった。国会議員に黙秘権があるというのは初めて経験した。黙っていれば徳になるという思想は、国会議員が国民の代表であることを否定して、多数政党が国民から国政を委託されたという姿になる。顔の見えない存在に自分の運命を委ねる行為をするとは、随分と勇気のある話だと思う。利き腕を他人にあずけるほど自信家ではないので、将来を顔の見えない誰かに委ねる気はない。デューク東郷でなくてもそうだろう。
公聴会で元自衛官が海外から情報を入手するには法律が必要だと主張していた。外国に情報を提供するのは洩れることを前提にしている。洩れるより得られる利益が大きいから情報を提供する。法律は洩れる程度を若干は改善させるかもしれないが、有事において法律の存在による抑止力など知れたものだろう。公聴会に御用聞きとして参加した元自衛官も程度が知れたものだと思うが、反対派の火に油で、賛成派に下手なやり方と思われては開く価値はない。急に決まったとはいっても計画案はあったから開いたのだろう。自分に酔うだけの会を開くのは愚かである。
権力を握れば分裂する必要はないから、反対勢力は大人しくしていることだろう。今回のことで支持率の低下は避けられない。次の選挙までにほとぼりが醒めることを願うよりない。ゴタゴタがあれば、あの法案には本当は賛成ではなかったと言い出す議員が出るかもしれない。そんなことをしていては有権者は、こんな議員だとは思わなかったと思う筈だ。こんなが法案に賛成したことか、その後寝返ったことかはそれぞれだろうが有権者をなめてはいけない。

特定秘密保護法案の議論で幾つか気になることがあった。秘密情報の審査を第三者機関がするというが、第三者が関わったら秘密情報でなくなる。適性な審査は必要だと考えるが、その場を凌ぐだけの言葉を吐き出しても世の為にならない。
情報を漏えいした公務員は処分される。裁判をすることになるが、裁判では被告人は弁護する権利があるから、当該の情報とその周囲の情報まで公開される懸念がある。裁判を一部非公開には出来るだろうが、弁護士に裁判情報に守秘義務を課すというのが可能だろうか。高裁にまでいったら情報はどんどん洩れていく。裁判受ける権利を制限する訳にはいかないだろうから、役所内での処分で済ませるのが妥当な処理ではないだろうか。裁判を受ける権利まで制限する法律を作るようではこの国は終わりだろう。
なぜ急ぐのか分からないが、なぜ完成度を高めるのに無関心なのかも理解できない。美後も左も混乱して、正しい議論になっていないように感じる。


情報は洩れる。洩れることさえ利用するのが軍事だろう。

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