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2013年12月 3日 (火)

太陽光発電の送電、沖縄でも限界に 鉛蓄電池で対応

経済産業省は12月3日、沖縄本島で太陽光発電の普及が進んだ結果、電力会社の送電網に接続できる容量が限界に達しつつあると発表した。早ければ12月中にも出力300KW (= キロワット) 以上の太陽光発電は新たな接続ができなくなる見通し。沖縄電力などは鉛蓄電池の導入で接続可能量の拡大を目指す。
昨年に再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が導入され、太陽光発電の普及が全国で進んでいる。太陽光は気候次第で出力が変動するため、送電網で送る量に限りがある。北海道でも今春、送電網への太陽光発電の接続がほぼ限界に達している。
沖縄本島は太陽光 (出力300kW以上) の接続限界が57MW (M = メガは100万) だが、申し込みがすでに50MWに達した。このため沖縄電力と沖縄県は容量2MWの鉛蓄電池を設置し、雨や曇りで発電できないときの調整用として使う方針だ。1~2年の実証試験を経て本格稼働すれば、接続可能量を1割弱増やす効果が期待できるという。
また経産省は来年度から、気候変動予測や蓄電池制御などを組み合わせた送電網制御の実証事業にも乗り出す計画だ。北海道や沖縄は、送電網の規模が小さいなどの理由で再生可能エネの接続に限界が生じやすい。経産省は「沖縄と北海道以外の地域では当面、接続可能量が限界に達することはない」と説明している。(日本経済新聞:12月3日)


太陽光発電について考える。


自然エネルギーの問題は、発電量が安定しないことである。安定しないから蓄電する必要が生じる。これは風力でも同じである。気象条件が重ならないように設置できれば蓄電の必要は少なくなるのだが、沖縄のように島に設置したのであれば複数の発電所があっても、類似した発電量となり相互に補完するというのは期待できない。仮に本州で相互補完を目指すというなら、新潟と茨城とか、静岡と福井とか気象条件が異なることが期待できる場所にしなければ意味がない。これくらいの長距離を結ぶとなれば超伝導送電があれば良いという話になるが、電流密度を上げるのが難しい状況では直ぐに実用化を期待するのは難しい。
送電が難しいとなれば、蓄電となるが電池は高価である。もっとも流通していて入手が容易な鉛蓄電池で対応することになったのだろう。規模が大きいので鉛以外は選択肢にならないだろう。二次電池の開発は、エネルギー密度を高める方向で開発が進んでいる。リチウム電池がこの代表的な製品であるが、大規模に安価に、しかも大規模故に安全に実現するとなると技術的な課題が異なる部分がある。少量の内部抵抗の小さな二次電池と、大量のエネルギーコストの安い電池 (当然、内部抵抗は大きい) との組み合わせで、抵抗の小さい電池をバッファーとして用いて最適化する方法が良さそうに思う。電力の使用量の変化が急峻かつ瞬間的であれば効果的だが、継続的に大きいとなると効果は限定的になる。どこかの大学で研究しているのをご存じなら教えて貰いたいものである。

今回の記事によると、送電線の能力に余力が無いという。送電線のキャパシティが限られているのに発電を推奨していては、何を目的にしているのか不明の話で、発電が自己目的化している気もしないではない。自然エネルギーの買い取りをすることを決めて、インセンティブを働かせて進ませようとするのはどこかに無理が出る手法である。予想通り送電系に問題が出て、電池を敷設して凌ごうとしている。この次は電力の安定供給に不都合が発生するというのが順番であるが、これだから駄目だと買い取り制度に制限を加えて、供給不足が生じればベース電源に原子力発電が必要だ、となれば大きな構想に基いた実験がしぼんでしまう。自然エネルギーが上手くいくなどとは、正直なところこれっぽっちも思ってはいないのだが、実際にやってみるという、見識と教養の高い者からすれば愚かとも映るであろう作業を経験することで予想しない学びがある筈だ。逆にここで経験の刈り取りが出来ないのならそれこそ無駄だし、そんな輩はどんな仕事をしても言い訳ばかりで成功しないと思っている。大きな課題に挑戦するのだから失敗するだろう。その失敗から何を得るかで次の仕事の成果は決まる。無暗に送電線の容量を大きくするのは得策ではないが、電池の配分を電力消費に対して最適化する手法は自然エネルギーでなくても、小型の発電所を接続する場合における、最適化技術につながる可能性はある。沖縄のように面積が狭く産業規模に限りがある場所においては、大規模の発電所によって最適化を計ろうというのに向かないだろう。中規模の発電所に小規模の発電所を接続して、供給と品質の安定化を達成する最適化に対する解を検討して貰いたいものだと思う。
東京近郊の電力の大消費地においてはこの技術がそのまま使えないかもしれないが、大消費地の中に太陽光発電を有効利用しようと考えたときに参考にできる可能性はあるだろう。電力供給のあり方について見識を持たない人間が批評するのは如何かとおもうが、将来的な可能性につながると考える。


もっと小規模な島での発電はどうなっているのだろうか。例えば八丈島規模ならどうか。

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