« 送電線工事発注、東電社員が談合助長 | トップページ | オハラ:HDD用ガラス基板事業の撤退 »

2013年12月23日 (月)

福島県の首長選挙

福島県相馬市長選は12月22日、投開票され、無所属現職の立谷秀清氏(62)が、4選を果たした。東京電力福島第一原発事故後の対応への不満から県内で現職首長の落選が相次ぐ中、早期の復興策が評価された。投票率は63・96%(前回69・77%)。
立谷氏は9,385票、無所属新顔の荒川五郎氏(65)は9,110票だった。立谷氏は「本当に薄氷の勝利だ」と一瞬沈黙。「逆風の強さを改めて感じた。反省材料にしなければ」と語った。
相馬市は福島第一原発から北に約40キロ。津波で1千戸以上が流され、458人が亡くなるなど県内市町村で2番目に被害が大きかった。原発事故の避難指示区域に指定された近隣の南相馬市、浪江町などの避難者が暮らす。子育て世代を中心に放射能への不安があり、漁業もいまだ本格操業を再開できないなど、放射能対策が課題だった。
立谷氏は「力強い復興」をアピール。被災自治体で、住民の外部・内部被曝の徹底検査、津波被災者向けの災害公営住宅(復興住宅)建設にいち早く取り組んだ姿勢が評価された。
県内では今年に入って、郡山市やいわき市、福島市など6市町の首長選で現職首長が落選していた。(朝日新聞:12月22日)


福島県の首長選挙について考える。


2013年の福島県内の市町村長選挙の結果を確認する。無投票がいくつかあったがそれは除いた。有権者数、有効投票数、投票率と前回の選挙の投票率を示し、現職の立候補の有無とその勝敗を下に示す。

■ 2013年の福島県内首長選挙結果と投票率
   投票日    市町村    有権者数  有効投票数 投票率 前回投票率 (差)  現職勝敗
   3月10日   ■双葉町      5,360     2,859   56.6%    77.6%  (-21%)   ―
   3月17日   ■小野町      9,191     7,439   82.2%    86.9%  ( -5%)    ●
   4月14日   ■郡山市    259,088    116,613   45.0%    51.5%  ( -7%)    ●
   6月16日   ■会津坂下町  13,819     9,426   68.9%    87.9%  (-19%)    ―
   7月21日   ■西会津町    6,226     5,334   86.4%    88.2%  ( -2%)    ○
   7月21日   ■富岡町     11,631     7,775   68.0%    88.2%  (-20%)   ●
   9月 8日    ■いわき市   273,142    139,649   51.1%    56.0%  ( -5%)     ●
   9月22日   ■下郷町      5,303      4,543   87.4%    89.2%  ( -2%)   ―
  10月13日  ■泉崎村      5,283     3,486   68.1%    84.5%  (-16%)   ○
  11月17日  ■福島市    231,791    113,803   49.1%    38.2%  ( 11%)    ●
  11月24日  ■広野町      4,163     3,351   81.2%    88.5%  ( -7%)    ●
  11月25日  ■二本松市    47,650     30,841   64.7%    77.0%  (-12%)    ●
  12月22日  ■相馬市     29,308    18,744    64.0%    69.8%  ( -6%)    ○
                             ※ 勝敗 ●:現職負け、○:現職勝ち、―:現職出馬せず

現職候補の負けが目立つ。今年度である4月以降で、3勝6敗2分となるのが現状への不満という表現になっているのだろう。復興が遅々として進まぬことへの不満はあるだろうし、そのことが現職に逆風に働いたことは想像に難くない。しかし、この意見に疑問も感じる。あれほどまでの大きな震災に見舞われた地域において、そこに暮らす人が復興が進まないことの不満を行政に向けるかということである。前回の選挙の投票率との比較で、福島市を除いては投票率が下がっている。あまりに大きな災害であったので、人間の出来る仕事の範囲に絶望して投票しないという行動に至ったのではないかと心配する。
行政機関の成せることなど知れたものであるかもしれない。建物を直すのも、放射線被害を回復するのも容易なことではない。出来ないなりにも仕事をして、希望の光を灯すことこそが復興という名の仕事なのだと考える。雨風を防ぐ環境になれば、暑さ寒さに、その先には狭いとか不便だとか、欲望に限りは無いということで、それに対応しないで希望などないと言う話はもっともなことではある。しかし、この国の半世紀前は貧乏であった筈である。そこに絶望しなかった理由は、きっと豊かになれると信じられたからである。それと比べれば、福島県に投入される税金は、希望に向かわずに利権に結び付いていると感じられているのではないだろうか。被害に遭わなかった人が、遭った人で儲けるという図式は絶望するのに十分である。復興の美名のもとに行われている多くの事業に、欲得で動く事業の色彩が濃くでているのなら、復興ではなく営利事業として行っているとしてほうが潔い。
これの代表的な事業が除染活動である。放射性物質は化学的な反応で放射線を出しているのではないから、無害化するのは出来ない。広まったものを集めて適正に管理するより方法はない。原発事故で広く拡散した放射性物質を集めるというのは効率の悪い作業である。しかも、時間の経過によって拡散は更に進んでいる。除染と称する作業は、こっちのものをあっちに移動するだけの作業に過ぎないが、除染と言えば無害化できるように感じてします。こっちがあっちにいっても、そっちからこっちにくることを排除しなければ、元の木阿弥となる。20年間住めませんと宣言すれば楽になるのだが、この宣言は原発を再稼働させるのに障害になりそうだから、言う訳にはいかないのだろう。出来る範囲の対策として、落ち葉などを集めて焼却して密度を高めるのが最も現実的な対応だと思うが、それすらも簡単な話ではないようだ。どこかにボタンの掛け違いがあるのだろう。原発は安全と言うことになっていたというのを掛け違いとする説もある。これだと身も蓋も無いので、もう少し後の方で掛け違いはないのだろうかと感じる。

現職者が立候補した選挙で当選者と次点者の獲得した投票数に対する割合を確認した。現職が敗れた場合は次点になっているので、現職候補者とその他の最多得票者の比較になっている。結果を下に示す。

■ 現職候補の立候補のあった首長選挙の当選者・次点者の獲得投票率
  市町村   現職勝敗   当選    次点     差
  小野町    ●     43.9%    39.0%     5.0
  郡山市    ●     52.7%    46.1%     6.6
  西会津町   ○     51.0%    49.0%     2.1
  富岡町    ●     50.4%    49.6%     0.7
  いわき市   ●     39.6%    34.5%     5.1
  泉崎村    ○     85.1%    14.9%    70.2
  福島市    ●     63.7%    28.9%    34.8
  広野町    ●     60.2%    39.8%    20.4
  二本松市   ●     50.7%    48.4%     2.3
  相馬市    ○     50.1%    48.6%     1.5

現職が勝った泉崎村の例を除けば接戦で、負けた場合には大敗もあるという結果である。小さな町村では地域的な対立の図式もあるだろうから、単純に現状への不満と考えるのはどうかと思う。確実に言えるのは、四年後に置いてもそう環境は変わらないということである。二十年後であれば環境の変化はあるだろうが、数年では放射線量に大きな変化は期待できない。国政選挙においては、震災への対応で、当時与党であった民主党に厳しく表れたのだが、震災復興の与党である自民・公明に対して信任されたとは言えないだろう。バラマキ予算が動いているが、これだけで解決することもない。これでお腹を満たすのは、自民党の関係する既得権企業であるなら許されることではない。この姿は、今年当選した長の四年後の姿でもある。


小さな町の選挙結果の方が面白そうだが、余所の人が言及する話でもないようだ。

« 送電線工事発注、東電社員が談合助長 | トップページ | オハラ:HDD用ガラス基板事業の撤退 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 送電線工事発注、東電社員が談合助長 | トップページ | オハラ:HDD用ガラス基板事業の撤退 »

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ