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2013年12月 6日 (金)

ミスタードーナツ:10~11円値上げ

ドーナツ店の「ミスタードーナツ」を運営するダスキンは12月6日、全メニューの約半分にあたる50品目の価格を10~11円引き上げると発表した。26日から全店で実施する。値上げは約6年ぶり。円安などで食材や包装材のコストが上昇しているためで、来年4月1日には消費増税分も上乗せする。
ドーナツ・パイは45品目のうち16品目が対象。定番のオールドファッションやフレンチクルーラーは10円上げて136円に、エンゼルクリームは11円上げて147円にする。麺・おかゆはセットメニューを含めて38品目のうち34品目で10円値上げする。飲料30品目は据え置く。
ドーナツ・パイの原材料となる小麦粉やオイルなどで価格が高騰しているうえ、持ち帰り用の包装材も調達コストが上昇している。内部努力では吸収しきれないと判断した。ドーナツ・パイは今回据え置くメニューのなかでも、8品目は2014年度の商品刷新の際に値上げする見通し。ミスタードーナツは08年2月に9品目のドーナツを値上げし、同年11月には規格の変更に伴って10品目のドーナツとパイを値下げした。(日本経済新聞:12月6日)


円安の負の面が表れている。素材の値上がりから考える。


今年の8月に小麦の政府卸売価格が上がることが発表されている。主要五銘柄の平均で4.1%の値上げで5万7,260円/トンにすると発表されている。うどんや菓子に用いられる薄力粉2銘柄が6.2%、パンや中華麺に用いられる強力粉3銘柄が3.0%の値上げとされている。昨年10月、今年4月に続いて三期連続で引き上げられている。小麦は九割を輸入に依存しているから二割の円安 (84→99円/ドル) 、少雨で生産減になったオーストラリア小麦の価格による影響もある。
食用油の価格がどうなっているかについて確認した。東京油問屋市場のデータで価格推移を抜粋してまとめた。一斗缶(16.5kg)の価格で、大口50缶以上直送の条件による。価格は円である。結果を下に示す。

■ 食用油価格推移 (東京油問屋市場)
     立会日     菜種油(中値) 菜種白絞油(中値) 胡麻油(赤口) コーン(並銘)
  2003年03月末      3,150      3,050       8,300       3,200
  2004年03月末      3,450      3,400       8,300       3,400
  2005年03月末      3,200      3,000       8,800       3,700
  2006年03月末      3,300      3,150       8,800       3,600
  2007年03月末      4,800      4,600      11,000      5,100
  2008年03月末      4,800      4,600      11,000      5,100
  2009年03月末      3,500      3,250      14,000      4,000
  2010年03月末      3,100      2,950      10,700      3,700
  2011年03月末      3,900      3,850      10,700      4,300
  2012年03月末      3,800      3,750      10,700      4,600
  2013年03月末      4,200      4,150      10,700      4,600
  2013年10月10日    4,100      4,050      11,500      4,800
  2013年10月22日    4,100      4,050      11,500      4,800
  2013年11月05日    4,000      3,950      11,500      4,800
  2013年11月21日    4,000      3,950      12,500      4,800
  2013年12月04日    3,900      3,750      12,500      4,800

揚げ物や炒め物など、熱を加えて調理する料理用油は、白絞油が主に用いられるようである。植物油の価格を確認する為にいくつかを拾ったので、それぞれの違いについては議論しない。胡麻油の話は以前扱ったが、生産地の話であった。
植物油は急激値上がりは認められなかった。値上がり基調であるのは食物全般に言えることなので、今後も上がる可能性は高くある。国際価格を確認した結果を下に示す。単位は1トン当りの価格である。

■ 菜種油の国際価格推移 (円/トン:出所 IMF)
   年       菜種油
  1980      129,736
  1985      130,602
  1990       62,050
  1995       59,389
  2000       37,295
  2005       79,552
  2010       88,292
  2013      105,358

価格変動は為替要因が主のようだ。2000年から2010年までは食料の国際価格が上がっていた時期である。国際価格は国内価格の半分である。関税について確認するのは、食品の関税は複雑だったと記憶しているので扱わないことにする。

アベノミクスで円安に誘導して景気回復を目指す手法は、短期的な効果はあるものの中期的には輸入原料の高騰が必然的に生じる。食料自給率が五割以下であれば、個人の食糧に関わる支出が増大し、個人消費を冷やすことになる。国内産業のなかで、自動車産業は海外進出が最も進んでいると言って良い産業である。マツダのように海外拠点を持たない会社は例外的な位置付けである。円安効果はもう少し長い目で見れば、自動車産業においても石油、鉄鉱石などの原料、エネルギー価格が確実に上がるからプラスばかりといえない。1ドル120円が80円になったことに対応してきたのに、100円でなければ商売にならないというのは理屈になっていない。問題は急激な変化であり、投機筋の思惑により実態経済とかけ離れた動きをすることである。特別な作為をもって為替をコントロールしようとする行為は、自由主義経済から外れた行動であり、どこかに大きなひずみを生みだすことになる。それが表に出た衝撃は大きいだろう。その意味で、安倍や黒田東彦の政策は理解できない。原材料を輸入して輸出する国の場合には、自国通貨が高くなることの危険性は対応可能であるが、安くなることは危険を伴うと考えるのが妥当だろう。黒田が短期的な経済回復を意識しているのは発言から窺えるものの、その後に影響が残らない保障は無い。金融の人の間隔は理解できないのである。


勉強しないことを正当化する訳にはいかないが、金融の勉強は性に合わない。

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