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2013年11月 7日 (木)

JVCケンウッドの決算まとめ

昨日に続いてJVCケンウッドの決算についての確認を行う。


赤字化の理由は売れる商品が乏しいからと解説されるものである。何が売れると思っていたのかを過去の決算資料から考えてみる。まず、四半期毎のセグメント売上推移を確認する。

■ JVCケンウッド四半期セグメント売上推移 (単位:百万円)
   四半期   カーエレク 業務用 ホーム&モバ エンターテイ  その他     計
      Q2   28,462   23,098   22,990      7,978     1,899     78,605
      Q1   25,215   20,885   13,523      9,057     1,126     69,808
  2013 Q4   27,935   26,691   16,655      9,603     1,245     82,128
      Q3   24,177   22,580   11,020     11,152      363    75,186
      Q2   21,374   22,544   24,976     11,186     1,956    76,142
      Q1   27,062   20,015   16,142      8,917      986     73,124
  2012 Q4   29,574   26,385   18,271      8,596     1,499     84,326
      Q3   23,508   22,129   21,275     10,135     1,634    78,681
      Q2   27,599   23,450   19,298      9,011     1,310     80,667
      Q1   26,600   21,563   18,701      8,993     1,335     77,194
  2011 Q4   27,891   25,335   20,934      9,167     2,164     85,490
      Q3   25,565   23,210   26,626     12,702     2,489     90,593
      Q2   26,031   23,657   25,400     10,785     1,968     87,840
      Q1   28,962   20,343   27,141     10,255     2,045     88,749
  2010 Q4   30,072   25,498   23,610      9,896     3,635     92,707
      Q3   26,337   21,316   39,784     11,471     3,191    102,101
      Q2   26,577   24,582   38,504     11,897     3,183    104,746
      Q1   24,827   19,993   39,874     11,669     2,743     99,109

四半期の売上合計としては、2011-2012年の平均が840億円であるから、800億円に届いていないここ2四半期の売上は低い。主力のカーエレクトロニクスと業務用は売上はそれほど悪いとは思えない。ホーム&モバイルの売上減少が目につく。エンターテイメントの減少については予想していたところであろう。
各セグメントの営業利益の推移を下に示す。

■ JVCケンウッド四半期セグメント営業利益推移 (単位:百万円)
    四半期   カーエレク 業務用  ホーム&モバ エンターテイ その他    計
      Q2    -1,229      248      74     -269      38     -1,138
      Q1     -336      -89     -787      263       -80     -1,030
  2013 Q4    1,135     2,773       511      175       227     4,820
      Q3     -490      561      260      559     -473      417
      Q2     304     1,015       204      609      246     2,379
      Q1    1,545     -329       78      701      -9     1,987
  2012 Q4    1,986     1,463       297      62      213     4,022
      Q3     499     -166      835       516     174     1,858
      Q2    2,116     1,279       412      172      -65     3,914
      Q1    1,745      517       186      462      107     3,019
  2011 Q4    1,870     1,747     -457      276      105     3,540
      Q3    1,363     1,198      296      1,041      133     4,033
      Q2    1,885     1,363     -386      330     -195     2,998
      Q1    2,776     -714    -288      530       82     2,385
  2010 Q4    2,252     -1,461    -6,473    -1,001     2,075    -4,610
      Q3     849      -158    -1,561     -642      604     -908
      Q2     989      298    -2,718     -100      594     -935
      Q1    -1,611    -3,218    -1,614       18      397    -6,026

利益ベースで確認するとカーエレクトロニクスの悪化が著しい。2011-2012年の良かった頃から一気に赤字に転げ落ちている。主力製品のカーナビゲーションの値下がりが大きいことで利益が失われているという解説になるのだろう。
業務用分野は、旧ビクターの製品の比重が高いことが予想されるが予想される。第3四半期に下がって、第4四半期に上がるという売上の傾向は企業の設備投資に関する傾向であると思われるが、2014年3月期の上半期の利益がない。売上は例年並みであることからすると放送用等の設備も値下げ要求が強いということだろうか。
ホーム&モバイルは、売上の減少より利益を得られる体質に変換することを重視したと想像される。旧社の重複する分野の整理を進めることで売上は減少したが赤字体質は改善されつつある。しかし、それすれも2014年3月期の第2四半期には赤字化してしまっている。
この辺の事情が海外取引に関わる為替の影響も考えられるので、地域別の売上高の推移を確認した。結果を下に示す。

■ JVCケンウッド地域セグメント売上推移 (単位:百万円)
    期       日本     米州    欧州    アジア   その他   合計
  2013年3月   138,274    87,973   41,911   32,647   5,773   306,580
  2012年3月   141,387    81,943   50,210   40,774   6,553   320,868
  2011年3月   142,284    97,519   58,910   48,066   5,891   352,672
  2010年3月   162,378   104,310    80,800   48,879    2,292   398,663
  2009年3月   113,352    87,615   71,116   35,262   2,424   309,771

国内売上高が四割を超えている。欧州が近年下がっているのは、景気の影響もあると思われる。欧州ではJVCのブランドが高いと聞くから、JVCブランド関連に影響があると思われる。市場の大きな北米での売上割合が高くなく、アジアでも売上を伸ばせていないところにこの会社の問題があるようだ。

カーナビゲーションの売上に期待するのは分かるが、スマートフォンの急速な普及やPND (Portable Navigation Device) の広がりは上記の期間より前に始まっている。自動車用AVの販売経験が深い会社であるから、カーナビゲーションが車載AVの位置付けになってしまえば売上の見込みがどの程度になるかは容易に想像が付いただろう。苦しい期間を経験して楽になりたいと楽観的な予測を立てたいという気持ちは分かるが、楽観的でない状況を知っているのなら問題を先送りしても誰も幸せにしない。
勝手な想像であるが、第3四半期の見込みがもっと深刻なものであり、そこで追加の対策をしなければならず、そこまでの仕事は合併を経験した経営者が指揮しなければならないという考えなのかと思ってしまう。無駄を切った後で、新規の経営体制にというのは心情的には理解できるが、間に合わなくなる懸念があるのではないかと心配する。


アジア地域での売上を重視しないのは、高い製品を売っていくという方針の表れなのか。

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