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2013年11月 6日 (水)

JVCケンウッド:河原氏がCEO復帰 早期退職募集

JVCケンウッドは11月6日、河原春郎・取締役会議長(74)が同日付で最高経営責任者(CEO)を兼務する人事を発表した。江口祥一郎社長兼CEO(57)は社長兼最高執行責任者(COO)となる。河原氏のCEO復帰は約2年半ぶりとなる。車載機器の単価下落などで業績が悪化しており、数百人規模の早期退職も募集する。
江口COOは事業再建計画を実行し、業績の立て直しに専念する。河原CEOは再建計画の実行を見届けるとともに、中長期の成長戦略を指揮する。同日記者会見した河原氏は今回の人事について「業績の悪化を経営陣として深刻に受け止めた結果だ」と述べた。業績再建と並行して「次世代の成長事業に本格的に取り組む」とした。
河原氏は次世代カメラシステムなど、複数の新規事業のタスクフォースのリーダーに就任しており、陣頭指揮を執る。固定費の削減も進める。45歳以上の幹部社員を対象に、早期退職を募集すると発表した。同社単体の従業員数は約4,200人で、1割前後の募集を予定している。役員報酬や幹部社員の給与も11月から来年3月まで減額する。 (日本経済新聞:11月6日)


JVCケンウッドについて考える。


2008年10月1日、日本ビクター株式会社と株式会社ケンウッドが経営統合のため、共同で株式移転を行い、両社の持株会社・JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社として設立した。2011年8月1日に株式会社JVCケンウッドに商号変更し、同年10月1日には傘下の3事業会社(日本ビクター株式会社、株式会社ケンウッド、J&Kカーエレクトロニクス株式会社)を吸収合併して、事業会社となった。
2008年以降の決算について確認した。結果を下に示す。参考の為に、2008年3月期は合併前の合計で、以下合併後の会社の決算となる。

■ JVCケンウッドの決算推移 (単位:百万円)
    期        売上高    営業利益   経常利益   当期純利益
  2013年3月     306,580     9,603      3,106       1,146
  2012年3月     320,868    12,813     6,420       6,032
  2011年3月     352,672    12,956     7,579       -4,025
  2010年3月     398,663    -6,453    -14,752      -27,795
  2009年3月     309,771      107     -6,809      -18,795
  2008年3月(参考) 594,520     1,416     -9,500      -26,890

合併後の純利益が赤字である状態は2012年には黒字化した。この黒字化で経営体制が変わったが、今回河原がCEOに復帰することになったということである。11月6日に発表した2013年4~9月期の連結決算は最終損益が51億円の赤字(前年同期は12億円の黒字)に転落している。赤字になるようでは手を打たなければならない。
セグメント売上の推移を確認する。

■ JVCケンウッドのセグメント売上高推移 (単位:百万円)
   期        カーエレク   業務用  ホーム&モバ エンターテイ   その他      計
  2013年3月    100,548     91,830     68,793     40,858      4,550     306,580
  2012年3月    107,281     93,527     77,545     36,735      5,778     320,868
  2011年3月    108,449     92,545    100,101     42,909      8,666     352,672
  2010年3月    107,813     91,389    141,772     44,933     12,752    398,663
  2009年3月     92,237     78,758    103,885     30,616      4,274    309,771
  2008年3月    120,800    105,600    247,800     61,000     14,300    549,520
   ※ カーエレクトロニクス、業務用システム(プロフェッショナルシステム)
     ホーム&モバイルエレクトロニクス(光学&オーディオ)、エンターテイメント(ソフト&エンターテイメント)

セグメントが少々複雑で、合併前の日本ビクターとケンウッドの流れを受けている。カーエレクトロニクスはどちらの会社も扱っていた品目で、カーナビゲーション、カーAV、カーオーディオなどの製品と、光ディスクドライブや光ピックアップなどの車載機器用デバイスが含まれる。全体の1/3の売上を占める。
業務用システムは、コミュニケーションズ分野とビジネス・ソリューション分野で構成される。コミュニケーションズ分野は、アマチュア無線機器の流れを汲むものでケンウッドの領域、ビジネス・ソリューション分野は、高度な撮像技術、映像技術、音響技術を提供する製品でビクター側である。
ホーム&モバイルエレクトロニクス事業は、民生用AV機器の製品群で、カムコーダーなどの製品が入る。音響機器分野は合併前の両社が扱っていた。
エンタテインメント事業は、ビクターエンタテインメントとテイチクエンタテインメントを核としたソフトビジネスと、CD、DVD、BDの生産を中心とした受託ビジネスで構成される。これはビクター側の領分となる。

エンタテインメント事業が減っているのは市況が悪いことが大きく影響しているだろう。今後の大幅な改善は期待できないから、新しいビジネスを提案していかなければならないだろう。発表資料には細かな提案があるが、それで状況が改善するとは思っていないだろう。悪いなりにどう対応するかが問われる仕事である。この事業が全社の業績を動かすこともない。
ホーム&モバイルエレクトロニクス事業は、重なりが大きかった分、合併会社の再編成によって削られる部分が大きい事業である。その一方で、成長性が見いだせない事業にもなっている。所謂家電製品で利益を出すのが難しいなかで、規模の小さな会社は特徴的な商品を出さないと埋もれてしまうというのが今日の状況である。もともとカムコーダーは市場規模が小さく、国内に関しては季節商品の位置付けであったと思う。家庭用の音響装置も市場規模が小さい。
ということは、カーエレクトロニクスと業務用の製品でどうやって利益を出すかということになる。各セグメントの営業利益の推移を第1四半期と第2四半期を含めて下に示す。

■ JVCケンウッドのセグメント営業利益推移 (単位:百万円)
   期        カーエレク 業務用  ホーム&モバ エンターテイ   その他    計
  2014年-Q2    -1,565    159      -713       -6      -42    -2,168
  2014年-Q1     -336    -89      -787      263      -80    -1,030
  2013年3月     2,494    4,020     1,053      2,044       -9     9,603
  2012年3月     6,346    3,093     1,730      1,212      429    12,813
  2011年3月     7,894    3,594     -835     2,177      125    12,956
  2010年3月     4,090    -1321   -10,752    -1,743      3,273    -6,453
  2009年3月    -4,182    4,552       74       33      -370      107
  2008年3月    -2,600    4,100     1,200     -200     -1,100    1,416

発表では、カーナビゲーションシステムやビデオカメラの販売が落ち込んだことで、2014年3月期の最終損益が55億円の赤字見通し(前期は11億円の黒字)に下方修正したとある。この結果、期末配当を見送り、3期ぶりの無配となる見込みである。赤字額からすると今期の回復は困難だろうから、無配は確定として良いだろう。無配でしたでは株主は納得しないから、トップの交代となったが、この状況で席替え程度の対応で抜け出すのは難しいだろう。かといって、この席に座りたい人はそういないだろうから、他にやりようがないということなのかもしれない。業績の悪化した会社の経営者はいつでもそうなる。
長くなったので、次回もこの話を続けることにする。


アマチュア無線市場が非常に小さくなっていることに少し驚いた。

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