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2013年11月15日 (金)

想定上回る勢いで縮むデジカメ市場

デジタルカメラ各社が今年度の販売台数を相次いで下方修正している。カメラ機能を搭載するスマートフォン(高機能携帯電話)に市場を侵食されているうえ、欧州などの景気低迷が販売減に追い打ちをかけている。各社は高価格モデルなどに力を入れるが、キヤノンとニコンは初めてレンズ交換式デジタルカメラの販売が前年度を下回る見通し。不振からの脱却には時間がかかる恐れもある。
「デジカメ市場は年々縮小し厳しい環境が続いている」。カシオ計算機の中山仁執行役員は11月14日、コンパクトカメラの新製品「EX-10」の発表会で危機感を示した。カシオは、EX-10を最高峰モデルと位置付け、高価格コンパクト市場に参入する。想定価格は約8万円で、シャッターボタンを押せば明るさなど設定の異なる9枚の写真を連写。簡単な操作でレンズ交換式のような多彩な撮影ができる。
スマホのカメラ性能が向上する中、コンパクトカメラは低価格モデルを中心に苦戦が続く。価格下落も激しい。だが高機能・高価格モデルは愛好家のニーズが根強く、利益率も高いため各社が開発を加速させている。デジカメ市場の縮小は想定を上回る勢いで進んでいる。ソニーは10月下旬、8月時点で1,250万台とした今年度の販売台数を1,200万台に引き下げると発表。富士フイルムも、700万台と見込んでいた販売台数が500万台程度になるとの見通しを明らかにした。
深刻なのは、拡大が続いていた一眼レフなどのレンズ交換式カメラにもブレーキがかかっていることだ。キヤノンは10月下旬、今年のレンズ交換式カメラの販売台数予想を7月時点の900万台から800万台に引き下げた。下方修正は今年に入って2度目で昨年の販売台数(820万台)を下回る見通しだ。
ニコンも今月、昨年度に698万台を売り上げたレンズ交換式カメラの今年度の販売目標を8時点の655万台から620万台に下方修正した。
背景には、景気低迷が長期化する欧州や、米国に加え、成長に陰りが見える中国などアジアで販売が落ち込んでいることがある。キヤノンの田中稔三副社長は「今までは景気が悪くても2桁近い伸びだったが、ぜいたく品として消費が後回しされるようになっている」と話す。コンパクトカメラの不振をレンズ交換式で補うという思惑もはずれた格好で、各社ともてこ入れが必要になっている。(SankeiBiz:11月15日)


デジタルカメラ市場の縮小傾向については以前書いたので、もう少し細かく最近の傾向を考える。


カメラ映像機器工業会の発表している資料から、デジタルカメラの出荷数量(千台)、金額(千円)、平均出荷価格(円)の月度単位の推移を、コンパクト型、一眼レフ型、ノンレフレックス型に分けて推移をまとめた。結果を下に占めす。

■ デジタルカメラ月別出荷数・金額推移 (単位:千個、千円 = カメラ映像機器工業会)
           <<           コンパクト         >>  <<            一眼レフ          >>   <<     ノンレフレックス       >>
    月      数量    金額   平均単価   数量    金額   平均単価    数量    金額   平均単価
  2013年9月   3,924   39,917   10,173    1,292   39,580   30,624     369    8,965    24,270
  2013年8月   3,858   35,670    9,245    1,294   40,036   30,946     306    7,321    23,939
  2013年7月   3,577   35,341    9,881    1,273   37,124   29,155     205    5,131    24,975
  2013年6月   3,032   28,467    9,389    1,106   29,135   26,348     221    5,304    23,965
  2013年5月   3,785   35,529    9,387    1,174   30,869   26,303     221    5,166    23,416
  2013年4月   4,289   35,824    8,353    1,175   32,306   27,493     162    4,045    24,977
  2013年3月   4,138   30,475    7,365     915   25,944   28,365     200    4,418    22,128
  2013年2月   3,389   27,646    8,158     769   21,925   28,520     172    3,980    23,184
  2013年1月   3,732   27,715    7,427     847   23,635   27,889     234    5,436    23,244
  2012年12月   2,967   26,219    8,837    1,344   37,977   28,263     324    7,801    24,097
  2012年11月   6,120   48,803    7,974    1,504   39,446   26,220     588   13,729   23,335
  2012年10月   7,528   58,768    7,806    1,466   38,992   26,605     632   14,252   22,550
  2012年9月   5,670   47,272    8,338    1,502   43,688   29,088     259    6,176    23,841
  2012年8月   6,804   50,748    7,458    1,602   47,115   29,406     369    7,779    21,080
  2012年7月   5,983   45,586    7,619    1,636   48,039   29,355     343    7,997    23,291
  2012年6月   6,999   53,130    7,591    1,777   51,452   28,948     299    7,147    23,940
  2012年5月   7,501   56,198    7,492    1,438   40,285   28,019     340    8,217    24,176
  2012年4月   8,242   62,271    7,556    1,147   32,636   28,464     276    6,694    24,265
  2012年3月   9,179   70,589    7,690    1,433   41,121   28,694     312    7,659    24,582
  2012年2月   7,411   57,426    7,748    1,155   28,773   24,912     311    7,659    24,602
  2012年1月   4,881   40,316    8,260     856   23,239   27,140     176    4,054    23,030

2013年になってからどの型でも出荷数の減少が著しい。デジタルカメラで数量ベースではコンパクト型が多くを占める。2005年から2010年までは90%がこの型であったが、それ以降割合が低下して現在は70%程度となっている。この傾向は記事にある通り、携帯電話・スマートフォンのカメラ機能の向上によって市場を奪われたと考えて良さそうである。これを休息に縮むと称して良いのかに疑問はあるが、入門的なカメラは携帯・スマートフォンに移ったと言える。
以前の銀塩フィルムを用いたカメラと異なり、センサーとレンズがモジュールになった部品を購入し、適当なプロセッサーとメモリを組み合わせ、電池を付ければ完成という製品で利益を出すのは難しいだろう。フィルム時代の後の方では、オートフォーカスも完成して安くなると差別化が困難ということは話題になっていた。このような製品は労働力の安い地域で組み立てていた。カメラメーカの多くはこの方向に進む製品を手掛けたいとは思っていないだろう。逆に、PC周辺機器を手掛ける会社が単純な構成のカメラを欲しているのかもしれない。
高付加価値に動いているという記事の内容は、上記の表で製品単価に表れている。以前から下がる一方であった単価がここにきて値上がりしている。これは高性能、高機能のモデルが増えたことによるのだろう。コンパクト型では3,000円が4,000円に近いところまで上がっている。一眼レフでも同様の傾向である。しかし、ノンレフレックス型つまりミラーレス一眼を中心とするタイプでは値上がりが少ない。市場が広がると見られていたこのタイプも、思ったほどの成長はなかった。コンパクト型はレンズ付きの価格であるのに対し、一眼レフ型などはレンズ付きの価格であるから、コンパクト型は厳しいが交換用の部品が無いことでレンズの最適化が出来ることが有利な部分もあるかもしれない。


デジタルカメラの話は、新しい発見が無かった。失敗である。

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