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2013年11月 1日 (金)

オハラの業績

コニカミノルタのHDD用ガラス基板製造からの撤退のオハラへの影響を考える。


まず、オハラの業績を確認する。オハラの事業構成について確認する。2012年10月期のセグメント売上を下に示す。

■ オハラのセグメントと2012年10月期売上高 (単位:百万円)
    事業区分        売上高    割合
     光事業         24,438    77%
  エレクトロニクス事業    7,224    23%
     合計           31,661    100%

光事業は、主力製品の光学プレス品、光学ブロック品で構成されている。いずれも光学用ガラスで、レンズなどに用いられるガラス素材である。プレス品は完成体に近い形状のもので、ブロック品はその後成形される汎用の光学ガラス素材である。販売先の顧客に違いがあるのかもしれないが、部外者にはいずれも光学ガラスでしかない。こちらのセグメントが全体の3/4を占めている。
エレクトロニクス事業は、ハードディスク装置用ガラスディスク、石英ガラス、半導体露光装置向け高均質ガラス、液晶露光装置向け特殊ガラスとなっている。エレクトロニクス製品に使われるガラスであるが、HDD用以外は光学ガラスになってしまう。光事業は沢山使用される光学ガラスのカテゴリーであるのに対し、エレクトロニクス事業の方は少量生産される光学ガラス製品のようである。

■ オハラの売上高・営業利益とHDD基板素材の売上推移 (単位:百万円)
   年    売上高    営業利益  HDD基板売上  エレクトロニクス事業売上 (HDD以外)
  2004    24,437    6,844     1,740           4,647     (2,907)
  2005    24,716    5,696     2,434           5,479     (3,045)
  2006    27,761    7,552     3,580           6,895     (3,317)
  2007    28,248    7,074     4,018           6,896     (2,878)
  2008    30,574    6,372     5,606           9,237     (3,631)
  2009    19,490     -605     2,870           6,464     (3,595)
  2010    27,456    3,275     5,346           10,863     (5,517)
  2011    28,659    1,644     2,135           8,213     (6,078)
  2012    31,661    1,072     1,327           7,223     (5,896)
  2013(予)  25,000    -1,000      ―            ―       ( ― )

2009年11月期の業績悪化はリーマンショックによる影響と発表されている。2013年については、9月12日にHDD基板関連の業績悪化に伴い予想を下方修正している。
エレクトロニクス事業 (過去のものは情報事業) のHDD事業の割合は2008年に61%に達したが、その後割合が低下して2012年には18%まで下がっている。HDD以外の売上は、30億円強であったものが60億円まで成長している。HDD以外は安定的な売上であるようなコメントがあるので、2009-2010は発表資料で、2012年はエレクトロニクス事業の年間売上からHDDの年間売上を引いて四等分した金額を各四半期の非HDD売上であるとして、HDD売上高を推定した。結果を下に示す。

■ オハラのHDD用ガラス売上の四半期売上推移 (単位:百万円)
   年  四半期  HDD売上
  2009  11-1    1,355
       2-4    1,432
       5-7    1,406
       8-10    1,153
  2010  11-1     530
       2-4     334
       5-7     591
       8-10     679
  2011  11-1     215
       2-4     827
       5-7     230
       8-10     55

2011年10月期の決算以降一時の回復はあったものの壊滅的な状況に陥ってしまったと思われる。オハラも2012年10月期決算時の翌年の見込みとして売上高30,400百万円を設定したものの、2013年3月14日には29,000百万円に下方修正、続いて6月13日には27,000百万円に、さらに9月12日には25,000百万円へと連続下方修正をしている。この短い期間での50億円余りの売上の下方修正は、HDD事業はある程度の回復が可能と見ていたものが、予想外の展開になったということを示している。
9月12日には、減損損失として、1,800,226千円、たな卸資産評価損として263,451千円を計上するに至っている。18億円を超える資産の減損、2.6億のたな卸資産評価損というのは撤退に近い動きを予想させる。たな卸資産の2.8億円は、2012年10月期の平均四半期売上が3.3億円であることからすると、四半期分の売上相当が価値がないとしたことになる。この段階でコニカミノルタの撤退ないしは、事業の大幅な縮小の通知があったと想像させる。

コニカミノルタのHDD基板事業の撤退は、この会社以上に取引先であるオハラに大きく出ているものと思われる。株式の書き込みには、両社ともに今回の発表と関連付けされた内容は見られなかったが、トレーダーは済んだことは気にしないということなのだろうか。
HDDの変化の大きな状況については、次回考えることにする。


過去の分析もしないで、未来が見えるというのは、株屋は占い師に近い職業のようだ。

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