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2013年11月14日 (木)

椅子型の電動車と車イス

ホンダは11月14日、体を傾けて体重移動で進む椅子型の電動車「UNI-CUBβ (ユニカブベータ)」を発表した。従来モデルよりもシート位置を約12センチメートル下げるなどひとまわり小さくし、乗り降りしやすくした。
オフィスや商業施設など屋内での利用を想定し、有償で貸し出して事業性を検証する。20日開幕する第43回東京モーターショーに出展する。体験試乗もできる。 ユニカブベータは重さ25キログラム。最高速度は時速6キロメートルで、時速4キロメートルなら約1時間30分走れる。リチウムイオンバッテリーで走り、専用充電器で充電する。(日本経済新聞:11月14日)


不思議な乗り物の先にあるものを考える。


UNI-CUBβには、前身のモデルとしてUNI-CUBがある。UNI-CUBは、ユニキューブと呼ぶと思っていたらユニカブであるそうだ。ホンダならそうか。最後にeが付いていないが、電気式の乗り物である。UNI-CUBとβの主要諸元を比較して、目指している方向を想像してみる。

■ UNI-CUB 主要諸元
  全長×全幅×全高:520×345×745 mm
  シート高さ:745~825mm
  バッテリー形式:リチウムイオンバッテリ
  最高速度:6km/h
  航続距離:6km
  使用環境条件:バリアフリー対応空間

■ UNI-CUBβ 主要諸元
  サイズ(全長×全幅×全高) 510×315×620 mm
  シート高 620 mm
  重量 25kg
  バッテリー形式 リチウムイオンバッテリー
  最高速度 6km/h
  最大航続距離 6km (4km/h定常走行時  約1.5時間)
  使用環境条件 屋内バリアフリー対応空間

室内のバリアフリー空間を前提にしているから、サイズは小さい方が良い。進化の方向は寸法は小さく、シート高さも低い方が好ましいという判断だろう。走行時間は1.5時間で、重く大きくならない範囲で必要最小限というのがこの位なのだろう。連続走行するような乗り物ではないし、使用頻度の高い使い方でも4時間くらい持つのだろう。
記事を読んで、バリアフリーという言葉に引かれたのかもしれないが、特定エリアにおける車イスの代替であると思っていた。車イスはサイズが大きく小回りが利かないので、屋内の展示物を鑑賞するような用途では不具合がある。車イスの寸法を確認した。

■ 車イスのJIS規格(大型)寸法
  全長×全幅×全高:1,050×610×880mm

大型サイズを引用したので大きい。もう少し小ぶりのものはどうかとメーカのホームページを確認したところ、幅は使用者の腰の幅に合わせて、背もたれも同様であった。車イスの回転半径を大きくする要素になっているタイヤの大きさも、段差を超える能力や、使用者が手で推し進める為に手の位置と力の入り易さを考慮したものであるようだ。となると、サイズの変更範囲は狭いことになる。介護者が押すことを前提にしても、タイヤサイズは段差対応でそれほど小さく出来ず、着座面の高さを高くすることは使用者に不安を与えることになるから難しいとなると、現状の車イスのデザインは最大公約数として合致していると言える。
車イスより小ぶりで、稼働は電気モータということであれば、室内の段差の極めて少ない環境であるなら便利なのではないかというのが最初の印象であった。しかし、UNI-CUBβのシート形状を見てみると、窪みはあるもののサイドに手すりの様なものは存在しない。車イスを使用する人は歩行が困難であるからなのだが、この障害がある人は安定して座るのにも制限がある場合が多い。つまり、UNI-CUBβは使えない。勝手の障害者の補助ツールとして理解したのだが、そうはいかないようだ。
となると、誰が利用するのかと考えると、最適な利用者のイメージがつかめない。ホンダもそこは明確になっていないようで、展示会においていろいろな意見を聞くというのはそこに目的があるのだろう。
障害の程度を絞った最適化を施せば、現在の製品に若干の修正を加えれば便利になる可能性は高い。しかし、そこまで絞ったときに、利用者があるかというと疑問がわく。比較的障害のある人の集まる展示会なりであっても、最適化をすればその中の一部しか利用できない。最適化したが故に、利用者が無いという状況が発生する。しかし、最適化を施さないと利用し難いという状況から抜け出せない。
歩行に若干の不便さを感じる人に、便利にする道具を提供するという製品と理解するのが妥当のようだ。膝や腰に故障を抱えて外出が億劫になっているひとに、積極的に外に出て貰えるような環境をつくるというところだろうか。もうしこうなら、志の高さは評価しなければならない。これだけでは解決できないにしても、何もしなければ何も変わらないのもまた事実である。

車イスの仕様を確認していたら、価格が高く、重いと思った。価格が高い理由は少量生産であること、仕様に微妙な違いがある。このような製品こそ、国が標準化を行って、基本フレームを安く軽く作ることを検討しなければなるまい。市場規模の限度があるものは、民間で標準が出来る可能性は低い。病院に外来患者の利用に置いてある車イスの重いことといったらない。患者より付添の人が病院内で整形外科に向かう必要が生じるくらいある。フレームは炭素繊維で作ったらどうかと感じるほどである。自転車で使われているのだから、技術的な問題は少ないだろう。競技用の軽量車イスはあるようだが、一般用途で広めて貰いたいものである。


東レは、ため息ばっかりの大会を止めて、車イスに炭素繊維を提供したらどうか。まあ、大会は継続して良いのだが。

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