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2013年10月17日 (木)

がん情報提供義務化、自公民の議連が法案提出へ

自民、公明、民主3党の議員連盟「国会がん患者と家族の会」は10月17日、全国の病院にがん患者に関する情報提供を義務付ける法案を今国会に提出する方針を固めた。症状や治療に関する情報を集めた「全国がん登録データベース」をつくり、がん医療の向上につなげる狙い。 法案は、がんと診断された患者の氏名、生年月日、治療内容などの情報提供を義務付ける。データベースは国立がん研究センターに置く。多くの情報を集められるよう患者本人からの同意は不要とする方向。データベースを利用できるのはがん医療の調査研究者などに限り、目的外使用は禁止する。情報を漏らした場合は2年以下の懲役か100万円以下の罰金を科す。
近く開く議連総会で法案を了承した後、自公民党の3党内手続きに入る。他の野党にも賛同を働き掛け、今国会での成立を目指す。(日本経済新聞:10月17日)


どんな制度なのかを考えてみる。


国会がん患者と家族の会というのを確認した。記事の3党の他に、日本維新の党、みんなの党、共産党、社民党と無所属議員も入っている。代表は尾辻秀久(自民党:参議院)である。衆議院議員の30名、参議院議員の21名が2013年9月24日現在登録されている。会の目的として、「がん対策基本法」の着実な実施を推進し、日本のがん医療水準の向上を図ることを目的とする、と掲げている。がん対策基本法は、2006年に議員立法で提出された法律で、がんの対策のための国、地方公共団体等の責務を明確にし、基本的施策、対策の推進に関する計画と厚生労働省にがん対策推進協議会を置くことを定めたものである。この法律には亡くなった山本孝史参議院議員(民主党)が深く関係していて、与野党を超えて共闘している。この作業に尾辻が関わっている。その後、山本に対する参議院での哀悼演説を尾辻が行っている。ほどほどの記事として扱われたが、ほどほどであったのは否めない。お涙頂戴記事が大量にマスコミに流れるのはどうかと思うが、伝えるべき事柄の選択基準が読者ないしは視聴者に阿いていることは憂えなければならない。自分の行動の意思決定は自身で行うもので、誰かに委ねるものではない。委ねて良いのは評価だけである。話が逸れた。
全国がん登録データベースの目的は、多くの情報を集めることで今後の医療に役立てようということなので理解できる。問題があるのは、登録を義務付けであると言うことは、登録する側、つまり、病院側の負担に対して一定の手当をするであろうことが予想されることにある。今回、予算上の話については言及されていない。金を出さないで報告の義務化では医療機関から不満が出るだろう。報告内容には治療内容を含んでいるから、年に1回の報告であったとして、1件1,000円では安いが10,000円では高いから安い方を採用する。年間100万人が亡くなって、1/3ががんであったとすると報告対象は30万人を超える。治療期間が2年にまたがることはあるだろうから、年間報告数を50万人分としたとしよう。安い方の1,000円では年間5億円、高い方なら50億円となる。これを健康保険に絡めると反対意見が多そうだが、資金の豊かな製薬会社にスポンサーになって貰うのは、情報管理の面で不安が残る。今後の議論になりそうな部分ではある。
また、個人情報を含む内容を本人の許諾なしに扱うことへの抵抗もある。個人情報の保護がどのように守られるのかは記事ではあまり触れられていない。記事の目的外使用の禁止がそれにあたる部分なのかもしれないが、目的の厳密定義がなされなければ目的外使用に対して罰則適用はできないだろう。逆に運用条件を厳しくしてしまえばせっかくの情報が役に立たない。情報管理の手法によって回避できるのかもしれないが、もう少し考えて欲しいものだと感じる。


超党派というのは批判が見え難くなって困る面もある。

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