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2013年10月16日 (水)

ヤマダ電機が初の最終赤字

ヤマダ電機は10月15日、2013年4~9月期の連結最終損益が42億円の赤字(前年同期は139億円の黒字)になったと発表した。従来予想(49億円の黒字)から一転、02年の連結決算への移行後4~9月期として初の最終赤字となる。薄型テレビなどの販売が当初見込みを下回った。海外の店舗閉鎖に伴う特別損失の発生なども響いた。 売上高は11%増の8,970億円。従来予想を330億円引き下げた。映像関連商品の販売も低調だった。
営業損益は24億円の赤字(前年同期は213億円の黒字)。アマゾンジャパン(東京・目黒)などネット通販会社の販売価格に店頭価格を合わせる措置で販売する際の利ざやが縮小した。住宅関連事業の強化に向け専門知識を持つ人材の採用を増やしたほか、店舗に住宅コーナーを新設したため販管費も膨らんだ。(日本経済新聞:10月15日)


家電の小売業は扱ったことがないので考えてみる。


流通の大手三社の売上と営業利益の推移を確認した。全て3月期なので4月1日から3月31日の年度である。下に結果を示す。

■ 家電小売り三社の売上高推移 (単位:百万円)
          ヤマダ電機    エディオン    ケーズHD
  2013年     1,701,489     685,145     637,497
  2012年     1,835,454     759,025     726,015
  2011年     2,153,259     901,010     770,947
  2010年     2,016,140     820,030     648,628
  2009年     1,871,828     803,004     574,188
  2008年     1,767,818     851,205     567,776
  2007年     1,443,661     740,293     431,118
  2006年     1,283,961     714,697     399,791
  2005年     1,443,661     437,992     343,383
  2004年     1,283,961     434,166     220,000

■ 家電小売り三社の営業利益推移 (単位:百万円)
          ヤマダ電機   エディオン   ケーズHD
  2013年      33,930     -2,476     16,498
  2012年      88,978      9,286     34,086
  2011年     122,764      26,339     40,930
  2010年      87,303      10,509     21,896
  2009年      49,522      1,232     11,808
  2008年      65,424      8,480      7,116
  2007年      55,551      6,946      6,136
  2006年      49,372      8,054      3,914
  2005年      55,551      5,011      1,845
  2004年      49,372      5,825      3,136

すべての会社で最も売上と利益が高かったのは2011年で共通している。これはエコポイント(省エネ家電減税)と、地上放送のデジタル化の買い替えが影響している。今回の決算について、競争の激化という要因はあるだろうが、市場環境の悪さの方が支配的要因のようである。参考の為に、通販会社であるジャパネットたかたの売上推移を確認した。ジャパネットたかたは売上の八割を家電が占めていると言われるから、上記の三社と販売構造は似ていると考えられる。通信販売市場では、ニッセン、千趣会、ベルーナとジャパネットたかたの四社が同じレベルの売上高である。ジャパネットたかた以外の三社は衣料関係を主な商品にしているようである。ジャパネットたかたの売上推移を下に示す。

■ ジャパネットたかたの売上高推移 (単位:億円)
        売上高
  2012     1,170
  2011     1,531
  2010     1,759
  2009     1,491
  2008     1,370
  2007     1,161
  2006     1,080

ジャパネットたかたは12月期の決算である。ここでもエコポイント、地デジ移行の影響で売り上げが伸び、その反動で下がるという同様の傾向が認められる。
ヤマダ電機は家電販売チェーンの中で規模を拡大して成功している例である。この会社が苦しんでいるということは、この業種の現状はそこまで悪いというとだろうか。上記の三社について、2013年4-6月期の四半期決算を比較した結果を下に示す。

■ 三社の2013年4-6月期経営実績 (単位:百万円)
             売上高     営業利益    経常利益  四半期純利益
  ヤマダ電機    428,910     -3,888       266      -5,808
  エディオン     160,836     -2,981      -2,297     -1,328
  ケーズHD     151,508     1,265       3,009      1,140

前期の業績が悪かったエディオンはその状態が継続している。ケーズHDについても売上高こそ維持しているものの営業利益は前年当期比で三割減少している。家電の量販店は非常に苦しいと考えて良いようだ。
ヤマダ電機に戻して、四半期毎の経営実績推移を確認した。結果を下に示す。

■ ヤマダ電機の四半期経営実績推移 (単位:百万円)
   四半期     売上高     営業利益    経常利益  四半期純利益
  2013 4-6     428,910     -3,888       266      -5,808
  2013 1-3     470,036      -771      4,675      -7,098
  2012 10-12    425,417     13,320     18,296      15,362
  2012 7-9     423,887     14,006     16,180       9,697
  2012 4-6     382,149      7,375      8,755       4,242
  2012 1-3     404,552     -1,377      3,021       1,412
  2011 10-12    443,827     27,354     30,005      15,970
  2011 7-9     509,446     31,672     35,779      20,321
  2011 4-6     477,629     31,329     33,420      20,562
  2011 1-3     491,313     25,206     28,875       8,857
  2010 10-12    648,173     50,466     54,966      33,626
  2010 7-9     549,475     33,033     36,554      19,665
  2010 4-6     464,298     14,059     17,452       8,606
  2010 1-3     526,165     32,401     37,195      20,701
  2009 10-12    553,382     29,783     32,151      18,873
  2009 7-9     505,918     21,367     25,596      12,930
  2009 4-6     430,675      3,752      6,644       3,443

四半期の推移は季節変動要因を含んでいるが、それは気にしないで全体的な傾向として眺めることにする。今回の記事の売上は前年当期より高くなっているものの、営業利益が出ていない。売上高に限って言えば2012年以降の平均的なレベルにある。
エコポイント終了後に、住宅関連に期待した、具体的には太陽光発電に市場を求めたようだ。震災とそれに伴う原発事故と電力供給不安で市場の大幅な広がりを期待したのだろうが、芳しい結果にはなっていないようだ。太陽光発電の商売は胡散臭い業者もある中で、ヤマダ電機なら大丈夫というには難しいだろう。ヤマダ電機は販売会社で、住宅への設置工事は外部に任せることになる。個別の事情が違う販売になる商品は、ヤマダ電機の得意な仕事ではないようだ。三菱自動車のEV販売も行っているようだが、畑違いの観はぬぐいきれない。ネット通販に価格を合わせる方式の問題というより、手を広げた負担増の方が対策が必要な要件のようである。


商品を手に入れることには、選ぶ楽しみも含まれていると思う。

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