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2013年10月10日 (木)

都民銀と八千代銀、経営統合検討で基本合意

東京都民銀行と八千代銀行は10月10日、両行の経営統合に向けて協議・検討を進めることで基本合意したと発表した。両行の株主の承認と関係当局の認可を得て、2014年10月1日をめどに共同持ち株会社を設立する。
東京や神奈川を中心とする首都圏を地盤とする金融グループとなることで財務基盤を強化し、中小企業や個人などに向けたサービス向上をはかる。統合で経営の効率化も進める。
両行は「統合準備委員会」を設置し、統合に向けた準備や調整を急ぐ。2014年3~4月までに統合に伴う株式移転比率を含めた最終契約を結び、同年6月に予定する両行の定時株主総会での承認を決議する見通し。
持ち株会社の社名や本店所在地なども最終契約を結ぶ時期までに決める。持ち株会社は東京証券取引所に上場する予定。(日本経済新聞:10月10日)


地銀と第二地銀の合併話である。金融に明るくないので考えてみる。


どちらの銀行も店舗を見た記憶はあるが、馴染みは無いので経営状況から確認することにする。両社の決算をホームページで確認して推移としてまとめた結果を下に示す。

■ 東京都民銀行決算推移 (単位:百万円)
    期     経常収益   経常利益   当期純利益
  25年3月期    46,951    3,294       2,577
  24年3月期    49,277    -2,665      -3,304
  23年3月期    52,930    1,708        749
  22年3月期    58,659    3,078       1,559
  21年3月期    57,312   -17,724      -11,401
  20年3月期    66,742    8,788       4,832
  19年3月期    64,156    14,180      9,133
  18年3月期    59,964    11,353      8,091

■ 八千代銀行決算推移 (単位:百万円)
    期     経常収益   経常利益    当期純利益
  25年3月期    42,852     7,787      5,638
  24年3月期    44,314     8,865      6,051
  23年3月期    44,254     7,035      6,768
  22年3月期    44,598     3,508      4,530
  21年3月期    46,863    -27,419    -18,233

経常収益というのは、製造業でいうところの売上高に相当する。両社の経常収益は同じようなレベルであるから、規模は同等と見て良さそうである。銀行業で経常収益がどこくらいあるのかの相場を知らないので、直近の決算(代表的には平成25年3月期)の経常収益上位50行を下に示す。

■ 銀行業界 経常収益ランキング(平成24-25年) (単位:億円)
  順位  企業名     経常収益      順位  企業名      経常収益
   1  三菱UFJ・FG    47,632       26 スルガ銀行       1,112
   2  三井住友FG     43,264       27 大垣共立銀行      1,095
   3  みずほFG      29,130       28 関西アーバン銀行   1,062
   4  三井住友T・HD   11,157       29 第四銀行         953
   5  りそなHD       8,321       30 セブン銀行        949
   6  新生銀行       3,860       31 山陰合同銀行      910
   7  横浜銀行       2,940       32 滋賀銀行         888
   8  ふくおかFG      2,550       33 南都銀行         888
   9  千葉銀行       2,227       34 紀陽HD          872
  10  静岡銀行      2,031       35 肥後銀行         859
  11  ほくほくFG      1,991       36 百五銀行         823
  12  八十二銀行     1,624       37 鹿児島銀行        783
  13  北洋銀行      1,622       38 武蔵野銀行        776
  14  山口FG        1,580       39 百十四銀行        746
  15  西日本シティ銀行 1,562       40 京葉銀行         738
  16  常陽銀行      1,504       41 北國銀行         693
  17  広島銀行      1,323       42 東京スター銀行     679
  18  群馬銀行      1,288       43 阿波銀行         651
  19  伊予銀行      1,185       44 みなと銀行        651
  20  あおぞら銀行    1,181       45 トモニHD         626
  21  中国銀行       1,171       46 名古屋銀行        626
  22  十六銀行       1,158       47 東邦銀行         609
  23  七十七銀行     1,121       48 大分銀行         568
  24  京都銀行       1,120       49 千葉興業銀行      539
  25  池田泉州HD     1,115       50 秋田銀行         516

メガバンクと旧都市銀行の流れの銀行は全国の広い範囲に支店を持つので経常収益が大きい。ふくおかFGは金融持株会社で、福岡銀行(福岡:地銀)と熊本ファミリー銀行(熊本:第二地銀)と親和銀行(長崎:地銀)を傘下に抱えるから営業範囲は広い。地方銀行は一つの県を中心にした営業範囲を設定していて、1,000億円くらいの経常収益というのが代表的な数字となるようである。参考の為に記すと、地銀協加盟の地方銀行は全部で64行で、第二地方銀行協会では41行である。全国銀行協会の資料を見ると、この他に都市銀行6行、、信託銀行4行および新生銀行、あおぞら銀行で、合計117 行とある。
両社の経常収益を合計すると900億円くらいになるから、合併した暁にはセブン銀行より少し小さいくらいである。上位10行が2,000億円超であるから、1,000億円あれば地銀として規模が大きいと思って良いようである。

今回の二行について考えていく。都民銀行は東京を地盤とする地方銀行である。首都である東京は市場が大きいが金融激戦区でもある。東京に本店を置く地方銀行は都民銀行のみであるが、都市銀行が活発に活動している。もともと日本興業銀行系と言われていたが、興銀がみずほになってからは関係は薄くなったようだ。そこで、関東に経営地盤を置く地銀の千葉興業銀行(千葉)、武蔵野銀行(埼玉)などと経営統合の話題が出ていた。
八千代銀行は東京を地盤とする第二地銀である。もともとは信組で、その後信金となり、1991年に普通銀行になっている。規模の拡大が好きなようで、はるか昔から統合を繰り返している印象がある。
東京を地盤とすることは共通で、地銀と第二地銀の組み合わせであるから都民銀行の方が大きいようにも思えるが、経営状態は都民銀行がかなり厳しい状態であるという。退職引当準備金が底をつくという話があったが、退職引当準備金の意味が分からないので触れない。大変な状況であるとだけ理解する。
経営が苦しい地銀を、第二地銀から地銀になりたいと願う八千代銀行が統合しようという話と理解して良いようだ。もともと、2001年からATMの相互無料開放を行うなどの業務提携を行っているから地ならしは済んでいる。
八千代銀行が都民銀行を吸収するという話だと理解していたら、ことはそれほど単純ではないようだ。八千代銀行は2000年に国民銀行の店舗網と預金、正常債権を譲り受けている。このときに預金保険機構から1,837億円の贈与と350億円の公的資金を注入されているのだが、まだこの案件が残っていて経営は良好とは言い難いようである。
こんな時に活躍するのは、この国ではメインバンクないしは、主要取引先となっている。そこで、両行の主要株主を確認した。結果を下に示す。

■ 東京都民銀行主要株主
     株主名                         比率
  みずほコーポレート銀行                  4.7%
  東京都民銀行職員持株会                 2.6%
  三井住友海上火災保険                  2.5%
  フクダ電子                          2.4%
  日本生命保険相互会社                  2.1%
  日本マスタートラスト信託銀行              1.8%
  住友生命保険相互会社                  1.7%
  CREDITSUISSE                       1.7%
  日本トラスティ・サービス信託銀行            1.5%

■ 八千代銀行主要株主
     株主名                          比率
  三井住友信託銀行                     15.3%
  日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口)        5.3%
  八千代銀行従業員持株会                  3.0%
  日本マスタートラスト信託銀行(信託口)          2.5%
  三井住友海上火災保険                   1.7%
  共栄火災海上保険                      1.1%
  野村ホールディングス                    1.0%
  CBNY DFA INTL SMALL CAP VALUE PORTFOLIO  0.9%
  東日本銀行                           0.8%
  東京都民銀行                         0.7%

都民銀行は興銀の流れでみずほが筆頭株主であるが、特徴てきな株主は見えてこない。一方八千代銀行はというと、三井住友信託銀行が出てくる。これは国民銀行の処理の対応で関係が深まった信託銀行である。それ以外はこちらも特徴がない。ということは、三井住友信託が重要な役を担っているだろうと想像される。銀行の特性上、役所も大いに関わっていることだろう。こういったところは役所の名前や企業名が変わってしまっても、古式ゆかしい日本の制度が生きているようである。


結論:金融の話は理解し難いものがあった。

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