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2013年10月14日 (月)

芦屋学園に硬式野球部 高野連に加盟せず「育成軍」として活動

学校法人芦屋学園は10月2日、来年4月に兵庫・芦屋学園高に日本高野連に加盟しない硬式野球部を新設し、関西独立リーグの兵庫二軍の下部組織に当たる「育成軍」として活動すると発表した。
対象は「プロを志す学生」で、兵庫・芦屋学園中にも硬式野球部を設立する。既に兵庫の二軍になっている芦屋大と合わせて「中高大の10年一貫教育で質の高い一貫性のある指導を行う」としている。ともに芦屋大客員教授を務める阪神二軍監督の平田勝男氏、阪神でコーチ経験がある片岡篤史氏ら元プロ選手が指導するという。(スポーツ報知:10月3日)


高野連に加盟しないメリット・デメリットもあるだろう。ということで芦屋学年の狙いについて考える。


芦屋学園というのは戦前の高等女学校が起源で、学制改革に対応して中学、高校を設立(1947:女子)、幼稚園(1953)、女子短大(1960)、大学(1964)、大学院(1968)、中高の一部共学化(1986)、短大共学化(2011)、中高の完全共学化(2012)という発展をしてきた。
高校の募集定員は国際文化科、普通科で各120名である。地方の私立学校の経営は苦しいと聞くので、学生がどの程度集まっているかを確認した。法人発表資料より入学定員と収容定員と在籍者数をそれぞれの課程について抜き出した。下に結果を示す。

■ 芦屋学園の在籍者数 (2010年5月時点)
             入学定員  収容定員   在籍者数
  大学          250     1,000      456  (46%)
  大学院 修士・前期  20       40       10  (25%)
  大学院 後期       5       15       3  (20%)
  短大          120      320      127  (40%)
  高校          220      960      588  (61%)
  中学           80      360      122  (34%)
  幼稚園         ―      170      168  (99%)

幼稚園は三年保育を基本にしているが、途中からの入園も認めている。基本定員は50名となっている。中学は1/3程度、高校は六割で、短大・大学は半分以下、大学院に至っては1/4以下で組織上の問題が指摘されてもおかしくない水準である。阪急の芦屋川駅から徒歩で3km位と少し離れている。(夙川駅でも同じくらい) 高校や大学では交通の不便な場所は嫌われる傾向があるから、地の利に恵まれないと言えよう。
学校経営を考えたときに、在籍者数だけで判断すれば大学院は募集を停止しなければならず、短大も整理対象だろう。中学については周囲から求められていない状況と考えて募集停止するか、定員割れが著しいので定員数を半減するかというところだろう。大学も見直したいがそうすると幼稚園以外は不要となってしまう。事情を知らな者がそこまで言うのは若干の抵抗を覚えるから、ここまでとする。

人気のない地方の大学と付属の中高校を何とかしなければならないという事情があることが推察される。人気回復を目的として、スポーツに重点を置いた学校運営を行うことを選択したようだ。芦屋学園スポーツモダニズムプロジェクトと称したスポーツを通じた人材育成に取り組むという方針が公開されている。中高大の10年間一貫した指導体制を取ることがここに説明がある。既に、ボクシング、バスケットボールについて発表されている。これに今回野球が加わったものである。
野球については、高校野球で甲子園を目指すという目標で多くの高校が活動している中で差別化を計る為なのだろう、プロ野球経験者の指導を可能とするようにしたことが新しい。しかし、このことによって、甲子園を目指す、つまり高野連への登録は出来なくなってしまう。このデメリットを補う為に、関西独立リーグの兵庫ブルーサンダーズの下部組織に位置付けて実力次第で兵庫ブルーサンダーズのゲームに出場可能としている。
独立リーグというのはプロ野球ではあるが、興行をするという意味では経営が成り立つレベルにない。兵庫ブルーサンダーズの本拠地である城山公園野球場(キッピースタジアム)収容人員が1,250人 で、主催試合が年間20試合に満たない状況では200万円の年俸を20人の選手(HPの表示があった数)に支払うと4,000万円になる。20試合1,000人入場したとすると20,000人で平均2,000円の入場料で4,000万円だから営利的な活動にするには苦しそうである。実際、兵庫ブルーサンダーズはNPO法人が運営している。少数の例外を除いて、プロスポーツで生活していくというのは困難で、アルバイトで生活費を稼ぐ状態が普通のようである。少し前にブームになった女子サッカーもその前はこの状態であったし、オリンピック出場が叶った女子アイスホッケーもこの状態から少し改善したことが話題になっている。
芦屋学園の説明によると、兵庫ブルーサンダーズの二軍相当に大学を、その下に位置する育成軍に中高を当てる計画でいる。高校が高野連に加盟しないことにより出場できないことは、社会人クラブチームの試合に参加することで補うという。
プロ野球経験者による指導を継続性を持って受けられることは大きなメリットであるだろう。しかし、その先にある独立リーグの実力がプロ野球(NPB)の二軍程度であることは希望を持つには少々弱いと感じる。独立リーグ出身者がプロ野球で活躍するのは数人程度しかいない。まだ歴史が短いという事情はあるにしても、トッププロというのはそういう性質のものなのだろう。少し足らないは、絶望的な距離があるということを意味する。独立リーグの延長線上に、NPBや米国のメジャーリーグがあるというのは夢がある。その程度の夢なら、サッカーの地域リーグに加盟したチームに入ればマンチェスターユナイテッドに入る可能性があるというのとそれほど差がない気がする。

芦屋学園の発表記者会見にはマスコミ11社と関係者を含め21名が集まったという。この簿妙な数字が、このプロジェクトの微妙さを表しているようだ。高校野球で指導者とのもめごとや、チームの不祥事に関係して野球を継続することが難しくなった高校生の受け入れ先としては有力かもしれない。しかし、野球をやる為だけに流されていく姿が、その高校生の将来を投影するようでもの悲しくものではある。


高野連とプロ野球は指導について協力をもっと検討するのが良い。
高野連が高体連と独立して多くの資金を有するのは別の問題があると感じる。

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