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2013年10月 4日 (金)

吉野家HD:今期最終黒字2億円に下方修正 コスト増など重荷

吉野家ホールディングスは10月4日、2014年2月期の連結最終損益が2億5,000万円の黒字(前期は3億6,400万円の赤字)になりそうだと発表した。従来は10億円の黒字を予想していた。米や肉など原材料の価格が高止まりしているほか、販促費や光熱費なども想定より膨らむことが響く。売上高は4%増の1,720億円(従来予想は5%増の1,730億円)、営業利益は15%減の16億円(同60%増の30億円)へそれぞれ引き下げた。(日本経済新聞:10月4日)


吉野家について考える。


吉野家HDは、牛丼の吉野家の他に、寿司の京樽、ステーキのどん、うどんのはなまるを抱える。その他に、ピーターパンコモコというファーストフードもあるが、これは知らない。
吉野家HDの会計年度は2月末日で〆ている。下記の期間で牛丼事業は全体売上の六割を超えている。はなまるの出資比率を上げて子会社化したのが2006年5月で、どんを吸収したのが2007年12月である。これらの影響が無い2004年2月期には牛丼関連が全体の2/3を超えていた。吉野家の牛丼事業の事業推移を確認した。結果を下に示す。

■ 吉野家HDの牛丼関連事業の売上高、営業利益推移 (単位:百万円)
     年        売上高    営業利益    営業利益率
  2002年2月      97,345     16,297       16.7%
  2003年2月      96,754     15,228       15.7%
  2004年2月      95,885     12,436       13.0%
  2005年2月      72,259     -1,367       -1.9%
  2006年2月      76,371      2,113        2.8%
  2007年2月      85,673      3,178        3.7%
  2008年2月     101,053      6,978        6.9%
  2009年2月     103,533      6,435        6.2%
  2010年2月     102,150      2,440        2.4%
  2011年2月     102,141      4,397        4.3%
  2012年2月      97,974      4,433        4.5%
  2013年2月      96,433      1,706        1.8%

2002年の利益率15%超はもはや昔話になってしまっている。BSE騒ぎで牛丼販売の休止になり赤字になった2005年の影響は、2008年には回復したがその後再び利益は下がっている。食品の値上がりが大きかった時期 (多分に投機的) でもあり影響があったと考えられる。それに加えて、2013年の利益減少は、牛肉を米国に依存することから為替が円安側に振れたことが大きいだろう。
牛丼以外の事業について確認する。2010年2月期以降の寿司、ステーキ、うどんの事業の売上高と営業利益の推移を下に示す。

■ 吉野家HDの牛丼関連事業以外の売上高推移 (単位:百万円)
   年       京樽       どん      はなまる
  2006年     33,576     15,197      7,308
  2007年     33,202     30,172      7,873
  2008年     32,475     29,554      8,945
  2009年     31,501     28,161     11,646
  2010年     26,318     24,923     14,565
  2011年     25,681     22,082     14,700
  2012年     27,638     20,666     15,573
  2013年     24,205     20,853     19,279

■ 吉野家HDの牛丼関連事業以外の営業利益推移 (単位:百万円)
    年      京樽      どん   はなまる
  2006年      733      -424
  2007年      373      -356
  2008年      193       42
  2009年     -438      490
  2010年     -435     -1,632     873
  2011年      123      686      798
  2012年     -606      573      783
  2013年     -137      392      907

現在の三つの事業の売上高は似た水準にある。はなまるは売上を伸ばしているが、京樽は減少傾向にある。どんは不安定である。利益ははなまるが堅調で、他の二つは安定しない。ただし、はなまるの2009年以前の営業利益は確認出来なかった。はなまるについてまとめる。
はなまるはセルフ式のうどん店であるのである。2003年8月に100店舗、2003年12月に150店舗、2007年10月に200店舗、2008年11月に250店舗、2011年3月に300店舗と拡大していき、中国への進出も果たしている。うどんが主力製品であるので、牛肉ほどの国際価格の影響を受けなかったとも考えられるが、小麦粉の値上がりがあり、低価格での商品提供であることからこの後影響が出る可能性もある。

吉野家は10月1日に福島での米生産を地元農家と協同で農業生産法人を設立し行うことを発表している。福島の農産物を使うのは復興に貢献することで良いことなのだが、放射性物質の汚染に神経質になっている人も依然として多いようだ。田畑への放射性物質の汚染の影響が産品に出る割合は低いように思うが、心配というのは尽きないものだから嫌われる要素になってしまうのだろう。吉野家がこの発表をした場合に、マイナス要素に働くことは考慮しただろうと思う。これを復興に貢献するから売上が伸びる切っ掛けになると信じたのなら、それは楽観的に過ぎると言えるだろう。経営に関する全体的な印象として、まとまりに欠ける印象を持つ。福島の米生産の今後の計画として、どの程度の量を使う見込みなのかを示した方が良いし、放射線検査の厳格な取り組みを行うことも合わせて発表するのが当然求められる。これがないと、福島の米を安く買いたたいて原価を下げようとしていると思われてしまう。
他にもいろいろ感じたのだが、調べて確認するのが億劫になったのでこれくらいにする。原価アップ要素はもう少しありそうな気がしているが、どうだろうか。


鶏がゲージで餌を食べるようで、この手の店は好まない。

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コメント

福島の米は震災前と同じ価格で買わないと、たしかに
>福島の米を安く買いたたいて原価を下げようとしていると思われてしまう。
となっても仕方ないですよね。というか意味が無いと思いました。

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