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2013年9月28日 (土)

みずほ銀に業務改善命令 反社会的勢力と取引放置

金融庁は9月27日、みずほ銀行に対し、暴力団構成員など反社会的勢力との取引を把握しながら2年以上、事実上放置していたとして、業務改善命令を発動した。立ち入り検査の結果、自動車購入者に対する信販会社オリエントコーポレーションなどを経由した提携ローンで、230件(2012年秋時点の残高、2億円超)の不正取引が発覚した。事後対応の不備も重なり行政処分につながった。
金融庁が反社会的勢力との取引に関連して、大手行に行政処分を出したのは07年の三菱東京UFJ銀行以来。金融庁はみずほ銀に対し、経営責任の所在の明確化、法令順守の強化、再発防止策を盛り込んだ改善計画を10月28日までに提出するよう命じた。みずほ銀は担当役員を含めた社内処分を検討している。(日本経済新聞:9月27日)


銀行の融資先の問題である。少し考えてみる。


みずほは、第一勧銀+富士+興銀だが、大きくなる前も大きかったのだが、それでもやることには変わりはないということか。第一勧銀時代に総会屋への利益供与事件があった。総会屋は株主としての権利を濫用することで、不正に会社から金品を受け取ることを生業にしている者である。一部の株主である総会者に便宜を計って、多くの一般株主が不利益を受けるという図式は問題がある。これは理解できる。ところで、反社会的勢力に融資してはいけないことになると、反社会勢力の認定機関はどこなのかとなる。そもそも反社会勢力とは何かとなる。
暴力団対策法に基き、都道府県の公安委員会が指定するという手続きになる。公安委員会が指定したのは不当だと、暴力団が裁判を起す可能性は理論上はあるのだろうが、暴力団が裁判所に救済を求める図柄は据わりが悪いこと甚だしい。肩で風切って街を歩く存在であったヤクザが、身を縮めて歩く時代になっているようだ。
公安委員会について調べた。この組織は、、警察の民主的運営と政治的中立性を確保するため、警察を管理する機関であるそうだ。警察への政治的な圧力を排除する機能はあるかもしれないが、民主的な運営がなされているかどうかをチェックするというのは出来るのかなと思う。そうはいっても無いより、はるかに良いというのは間違いない。
ヤクザを擁護する気はさらさらないが、反社会勢力の構成員と指定し、差別して社会から排除する動きに繋がれば、ヤクザは暴力団を過ぎてマフィアとなるだろう。ヤクザも暴力団もマフィアも区別は付けなくても良いのだろうが、極左のテロ組織が地下に潜伏するのと同じことがヤクザでも起きることになる。地下に潜伏することは組織が縮小する方向に向かうから良い方向だというのは、物事を単純にしか理解しない発想である。地下に潜れないチンピラは社会から排除された恨みを抱いて、それこそ反社会勢力として活動することは必定だろう。取り締まる側に安直な手法があれば失敗する。暴力団という組織は自己防衛の為にあるような組織であるから、暴力団をターゲットにする活動は筋が悪く、手間暇かかるが犯罪を取り締まって活動を制限していくのが正しいだろう。
以前の警察は暴力団組織と付き合って情報収集をしていたようだが、最近の警察は付き合わないようだ。これは警察の都合より暴力団側の論理によって交流を遮断しているようである。暴力団との付き合うのが良いとは思わないが、ヤクザの論理を理解しないで行動しては取り締まりが難しいだろう。ここらあたりは充分理解しての行動だと思うが、警察官が暴力団に取り込まれている事件があるにつけ、どうしたことかと考えてしまう。

さて、今回の事件に戻る。不正取引の舞台となったのは、提携ローンという取引形態である。主な方法は、自動車ディーラーを窓口にして、車を買った顧客に対し、信販会社が審査・保証し、銀行が融資する仕組みであるという。信販会社を間に置くことで銀行側はリスクを負わなくて良いか、リスクが小さくなるかの仕組みがあるのだろう。信販会社がまず審査する為、銀行のチェックが甘くなったというのは、言い訳としても出来が悪いだろう。チェックは甘いなどというのはなく、そもそもしないか、問題があるのを承知で通すかのいずれかだろう。都市銀行がこんな中途半端な仕事をする習慣があるとは思えない。
反社会勢力 (指定暴力団と言ってくれ) との取引など、担当者が単独で取引を出来ること筈もなく、通常の上司の承認では済まず、かなり上まで行くことだろう。担当役員まで行っていたのは当然で、責任を問われるのだから上に持ち上げるのが組織の中で生き延びる為の最低限の手段である。担当役員が止めたのもどうかと思う。頭取や、他の経営陣が知らないというのは、融資関係の状況を知らせたくないと担当役員が思ったからだろうか。まあ、監査役に報告する馬鹿はいないだろうが、中途半端な状態にすれば漏れる可能性は高いのだから、正しい口止め策をしているものだろう。都市銀行で役員になるには大変な苦労があるだろうから、自己防衛も怠りなく行うものだろう。

しかし、暴力団への融資金額が1件当たり100万円程度なのだろうか。昔は、ヤクザと言えば無駄にでかいアメ車に乗っているというのが普通な時代があったが、バブル期にはベンツ (これもでかいやつ) に変わって、現在では国産のワゴン車が標準のようである。シノギが厳しいという話であるが、この融資の状況はその通りであることの証明なのだろう。シノギと簡単に書いたが、シノギとはヤクザが収入や収入を得るための手段のことを言う。反社会組織の下部組織では、本部から水や雑貨を押し付けられて販売に苦労しているというから、なかなか世知辛い世の中である。水売れる能力が高いなら、ヤクザではなくで水商売というか、ミネラルウォーターの販売を行えば良い。そういう方面の才覚がないから、反社会勢力なのである。

先日ネットカジノの開帳の話を書いたが、溝口敦の本を読んだら2007年頃の名古屋で同様の仕事を広域暴力団が行っていたことが記述されている。名古屋の警察との癒着の話もあった。新聞記事になったのは警察庁のリードがあったのではないかと想像させるが、違法行為は正しく取り締まるのが警察の役割である。広域暴力団の多くが以前は薬物の取引を禁じていたが、最近ではそれほどではないようだ。シノギが厳しければ、大きな上納金が動くのなら文句は言わないということらしい。どこの世界も似た事情がある。広域暴力団においても、獲得した金に色は付いていないということを言うようだ。日本が薬物の大きなマーケットになっているという話もある。反社会勢力に指定して、街に覚醒剤が溢れる状況は全体の利益になっているのだろうか。叩くだけで解決する問題なら、ずっと前に片付いている。もう少し考えたらどうだと思うのである。考える主体が誰かは分からないが、例外は少ないと思っている。


暴力団本は、出演者が多くて電話帳みたいだ。

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