« ブログ記事が300になった | トップページ | 自民参院幹事長が有権者“軽視”発言 »

2013年9月18日 (水)

リニア中央新幹線ルート発表

JR東海は9月18日、東京・品川-名古屋間で2027年の開業を目指すリニア中央新幹線の環境影響評価(アセスメント)準備書を公表し、その中で詳細な走行ルートと中間駅の所在地を明らかにした。中間駅は相模原市緑区のJR橋本駅付近▽甲府市大津町付近▽長野県飯田市上郷飯沼付近▽岐阜県中津川市千旦林付近の4カ所で、相模原は地下駅、残る3カ所は地上駅とする。起点となる品川駅は現在の東海道新幹線品川駅(東京都港区)の地下に設置し、ホームの深度は約40メートル。名古屋駅は同新幹線名古屋駅(名古屋市中村区)の地下約30メートルに設置する。建設着工は2014年度の予定。 (毎日新聞:9月18日)


リニア中央新幹線について考える。

早く移動できる手段があれば経済的に大きな変化をもたらすだろう。長野県飯田市から東京の大学を目指す学生が増えるとか、名古屋に支店を置かない会社が出るとかいろいろなことが起こる。良いこともあれば悪いことも起こる。良いことばかり考えて、悪いことが起きると不満を言うのは人の常であるが、経済活動とはそういうものと割り切らなければならない部分もある。
リニア中央新幹線は、速度を最大化することを意識しているから、当然ルートは直線状になる。曲がることが苦手な構造でもあるようなので、当然の結果である。その結果として、南アルプスの赤石山脈の下を突き抜けることとなった。諏訪を抜けるルートは距離が延びるのと、線路の曲率がきつくなることから採用しなかったのだろう。どちらも速度命を開発テーマにすれば、採用出来ない要素である。
南アルプスのトンネル工事に自信があるのかという質問をする人があるようだが、この規模の工事では掘ってみなければ分からないことだらけだろう。つまり答えは分からないである。マスコミにはこの手の答えを不真面目と受け取る傾向があるようだが、分からないことを分かると言うことは嘘を付くことで、科学的な取り組みをしようとしている者のとる態度ではない。理性のある技術者なら分からないが正解である。逆に分かると答える者は、技術者ではなく経営者としての建前を発言しているに過ぎない。現実には過去に経験のない工事であり、遅れが生じるのは致し方ないことだろう。開通出来ない可能性さえあると思わなければならない工事だと考える。
問題無しも可能性が無いも情緒的であるのは明らかで、現実社会は線路を敷くことを計画して、実務的に作業が動いている。確実に発生するのは残土の処理であるが、現地で処理することで決まったようである。輸送すれば費用が生じるから当然ではある。残土の見積もりは300万立法メートルとのことである。当初は200と言っていたと記憶するので、精度が増した計算なのか、以前がどんぶりだったのか、あるいは意図をもって数字をいじったか、そのあたりは想像でしかないから言及しない。この残土の量はというと、一辺が144メートルの立方体となるからかなりのものである。144メートルは積み上げるのに高過ぎるから30メートルとすれば326メートルの正方形になるから、とにかく大量であることが分かる。
ダムを造るくらいではないかと思って調べた。岩石や土砂を積み上げて建設する型式のダムであるロックフィルダムの例として、1995年より建設開始、2005年に完成した南相木ダムがある。長野県南佐久郡南相木村、信濃川水系南相木川に建設されたもので、揚水発電用に作られたダムである。この堤体積は730万立方メートルとなっている。他に、これも揚水発電用だが、本沢ダムがある。これは今回のリニア線の橋本駅の西側5kmくらいのところにある。1965年完成で堤体積は185万立方メートルとなっている。それぞれの総貯水容量は、1,917万立方メートルと474万立方メートルである。堤体積の2.5倍くらい貯水出来るが、トンネル工事で出る残土はダムと作れるくらいか、ダムを埋めるくらいの量があることがわかる。天竜川にダムを造る予定もないだろうから、処理には知恵を使わないと環境破壊しか発生しかねない。大井川の上流にダムを造るというのは技術的には可能だろうが、適地には見えない。薄く広く盛るというのは山間には馴染まないだろうから、どこかの谷戸を埋め尽くして、その上に植林するという見た目は綺麗という方法を採用するのだろうか。現地処理以外の公表情報はないので、これから話題になってくるだろう。

2020年に東京オリンピックの開催が決定したことでリニア新幹線の開業を前倒しするということが話題になった。JR東海は有り得ないと言っているが、上記の事情を考えれば前倒しはないだろう。しかし、営業ベースでの走行試験はする価値があるかもしれない。そこについて考える。
実験線が既に完成していて、この長さは42.8kmである。西側は、山梨県笛吹市境川までいっていて、山梨県の駅予定地点までは10km少々のところである。東側は、やはり山梨県で、上野原市秋山となっている。西側は中央自動車道の境川PAの近くで、東側は中央自動車道富士吉田線の都留ICの東に10km位のところである。実験線の東端から駅予定地の相模原市橋本までの距離は40km弱となる。直線距離なら35km程度だが、車両基地予定地もあって少し迂回するようなルートになっている。約40kmの完成路線に50km加えると2駅間を結ぶことになる。山梨側は平坦な領域で、神奈川側は高い山はない。強いて言えば相模川を超える部分が少し複雑になる。津久井湖のダムのすぐ下を通過することになるのに、川の下ではなく橋を架けるとなると高さが必要になる。ダムの川下に二つの橋があり、圏央道の橋も架かることから、この領域に更に橋を加えるのは複雑すぎる気がする。圏央道の下を横切るのは決定的で、この相模川の西には圏央道のインターチェンジも予定され、人口建造物が集中している田舎になっている。この辺は随分前に決まっていることなので考慮されていることだろう。
山梨県の駅は甲府駅の南の小井川駅付近であるから、甲府駅から身延線で10km強でそれほど便利ではない。神奈川県の橋本駅もそれほど便利でもない。中央線八王子駅から9km弱、京王線を利用して新宿まで39km弱である。不便ではないが便利でもない。
こんな区間を動かしても仕方ないとも言えるが、新しいことをするのに試験は多角的に実施した方が良い。運営側と利用側の意見の違いも出てくるかもしれない。7年間でこの区間のすべてを完成形にまで仕上げるのは難しいだろうが、全長80kmとすると、片道30分で問題ないだろう。一つの完成相当の車両を往復すれば1時間に2本程度走らせる。用途からすれば1時間1本で充分だろう。新しい試みもあるのだろうから、走らせてみて気付くことも出てくることだろう。実際にリニア新幹線を走らせれば、この2駅はほとんど止まらない駅になるだろうから、試験走行の時だけ沢山止めてあげれば住民の反対感情も抑えられるだろう。
JR東海も頑なに拒むのではなく、オリンピック予算と称して怪しいとこに流れるよりも、自社に使った方が良いと広い心でお祭りムードに乗ったらよい。地獄はこの先いくらでもある。楽しめるときに楽しむのが良いだろう。


電磁波の健康への影響の話もあるが、健康の為なら死んでも良いという人の主張は難解過ぎる。

« ブログ記事が300になった | トップページ | 自民参院幹事長が有権者“軽視”発言 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ブログ記事が300になった | トップページ | 自民参院幹事長が有権者“軽視”発言 »

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ