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2013年9月30日 (月)

婚外子相続差別は「違憲」 最高裁決定

結婚していない男女間に生まれた婚外子(非嫡出子)の相続分を法律婚の子(嫡出子)の半分とする民法の規定を巡る裁判で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は9月4日、規定は法の下の平等を定めた憲法に違反し無効だとする決定をした。裁判官14人全員一致の判断で、規定を合憲とした1995年の判例を見直した。
判例変更に伴う混乱を防ぐため、違憲判断は決着済みの遺産分割には影響しないとする異例の言及をした。(日本経済新聞:9月4日)


何か書いた気でいたら、扱っていなかった。ということで少し考えてみる。


マスコミの論調は、子供の権利は平等であるいう立場であるようだ。差別がいけないというのは当然であるし、差別を残す法律は不適切だという論理も正当であるように感じる。差別というのは、自身に選択の余地がない事柄で分け隔てられる行為と考える。年齢や性別や国籍 (出身地と読んでも可) といったものは自分ではどうしようもない。しかし、学歴や経験は自分で選択したものであるから受け入れなければならない。広く解釈すれば貧乏な家庭に生まれて勉強する機会に恵まれなかったというのも出てくるが、これも差別とすると共産主義国家でなければ成立しなくなるから、狭く解釈するほうを採用することにする。
今回の判決は、法的な夫婦間の子供(嫡出子)と、法的な関係のない男女の間の子供(非嫡出子)に、遺産相続の権利が異なる民法の規定を、憲法の法の下の平等に違反すると判断した。嫡出子という言葉が既に古く、放送禁止用語ではないかと思うほどであるが、妾腹というのは障りがありそうだから、古式ゆかしい言葉が度々出現することになる。最近は入籍しない事実婚という形態もあるようだから、すべてが妾 (お妾さんなら昭和のドラマぽい) ではないのだろう。このような社会的な状況もあって、婚外子 (婚内子) という言葉を使っているようである。この区別が必要な場合というのは極めて限定的だと思う。日常生活で出会う場面では親と子でしかない。

法的な保護を求めたければ法的な手続きを要求されるのは当然である。法的な多続きがなされないことが理由であるのに、不当に扱われたと主張するというのは論理が破綻している。正しい手続きを行った者と、そうでないものに権利に差が付くのは致し方ない話だろう。子供が差別される謂れはないというのには同意するが、その両親には差別されかねない事情 (大人が選んだ行動だ) がある。子供が差別されるのは不当だとする主張には、子供を儲けないという選択もあったことを考えれば、差別が生じる可能性を覚悟しての行動であったのだろう。子供には罪はないのであるが、子供の親は選べない。出自による差別はあってはならないが、親子関係は動かしようがない事実である。
今回の判決について違和感を覚えているのはたった一つ、裁判官14人全員一致の判断であるということである。様々な事情があるのに関わらず、単純に平等が正しいと結論付けるような判断を躊躇する者もなかったということである。10:4であったというなら理解する。逆に、4:10で合憲と判断したとしたら違和感を覚えるかもしれない。子供は平等に扱うべきだという単純な論理で片付ける行為は、世の中そんなに単純でないという事実から目を背けて、思考停止してしまっていないか。グローバルスタンダートという安直な参考資料を手にして、易きに付いてはいないか。日本の文化や風習を軽く見る傾向があることを危惧する。

具体的な例で考えてみよう。Xという男性がいて、妻Yと、愛人Zがいる。それぞれにAとBという子供がいる。どちらもXが認知している。AとBは未成年だとする。Xは既に亡くなっていて、Xの父親のQもそれより前になくなっている。存命なのは、Xの母親Pと、Y、Zとその子A、Bである。下に関係図を示す。
1_1Qは資産家で、死亡の相続で、妻Pと子供Xに財産を等分して渡した。妻PはQの相続財産の半分を現在でも所有している。YはPとの養子縁組はしていないとする。
この状況でPが亡くなった場合、相続権があるのはAとBのみになる。(遺言書は無しとする) Yには相続権はないし、Zにも当然ない。AとBが平等に扱われることになれば、Pの財産の半分をAとBが相続することになる。裁判の注目はAとBになっているが、Yの立場はどうなるのだろうか。YがPの面倒を見て、この家を維持するのに貢献してきたことは評価の対象にない。それはPがYを養子縁組すれば済むことだと法律家は言うだろう。あるいは、愛人Zと子Bに対し不貞行為に関する裁判でも起せというのだろうか。
家族や家庭の在り方について、裁判所からとやかく言われる筋合いはない。違憲だと能天気に全員一致で結論付けるのは、裁判官は選ばれし者だという驕りがあるのではないか。まあ、やんごとなき裁判官は、怪しいブログを書くチンピラなど相手にしないだろうが。


全員一致は怪しいと疑うことが大切だ。

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