« 2012年度医療費、38.4 兆円=10年連続で過去最高更新-厚労省 | トップページ | 中華料理店経営者を射殺、死刑囚の死刑執行 »

2013年9月11日 (水)

素材こだわるプレミアム食パン活況

素材にこだわったプレミアム食パンの市場が活気づいている。敷島製パンは9月10日、「超熟シリーズ」にライ麦を使った最高価格の新商品を10月に発売すると発表した。先陣を切ったセブン&アイ・ホールディングスの自主企画(プライベートブランド=PB)商品の「セブンゴールド 金の食パン」(4月発売)は、販売好調を受け今月末に異例の早さでの商品刷新する。山崎製パンも9月に素材にこだわった高付加価値食パンを発売した。市場は競争激化の様相を呈してきた。 (SankeiBiz:9月11日)


食パンの市場性について考えてみる。

市場規模が分からないので、矢野経済研究所のまとめた数字から、国内の商品別パン市場規模推移を確認した。結果を下に示す。

■ 商品別パン市場規模推移 (メーカー出荷金額ベース・単位:億円)
   年       2005     2006     2007     2008     2009     2010     2011     2012
  調理パン    2,289    2,289    2,289    2,243    2,220    2,176    2,132    2,132
  フランスパン   533     538     544     544     544     547     549      555
  デニッシュ    1,010    1,020    1,041    1,040    1,050    1,045    1,040    1,034
  菓子パン    5,674     5,788    5,902    5,901    6,078    6,139    6,170    6,170
  食卓パン    1,177     1,171    1,189    1,201    1,201    1,201    1,201    1,201
  食パン      2,653     2,640    2,693    2,759    2,732    2,718    2,718    2,718
  合計      13,336    13,446   13,658    13,688   13,825    13,826    13,810   13,810

米離れが進んで、パン食が増えたという話はもう少し前との比較であったようだ。ここ最近はパンの国内市場の伸びは小さい。2,700億円の市場で、量は期待できないから質の差によって市場を確保しようというのが最近の流行のようだ。少しの量しか買わないが、高いものを求める高齢者をターゲットにした商品開発は各社表明している。高齢者向けというと、小分けされた食べきりサイズで、塩分控えめや低カロリーといった健康志向を表面に出して、それでも味は良いというのが商品企画になっているようだ。量が少ないが微妙に高くなっている、すごく高くなっていると思わせないような値付けになっているのが共通している。こんなお気楽な商品企画を通すのはどうかと思うが、味付けに関してはその道のプロが対応しているのだろう。
PBで最も大きいのはイオンのトップバリュ―で、それにセブン&アイHDのセブンプレミアムが続く。この二つのブランドの売上推移を下に示す。各社の決算資料より抜粋した。

■ プレイべーとブランドの売上推移 (単位:億円)
   年     トップバリュ     セブンプレミアム
  2002     1,083
  2003     1,309
  2004     1,632
  2005     2,037
  2006     2,040
  2007     2,201
  2008     2,647           800
  2009     3,687          2,000
  2010     4,424          3,200
  2011     4,489          3,800
  2012     5,273          4,200
  2013     6,816          4,900

このPBは、食品はもちろんのこと、衣料品や文房具も含まれている総合的な商品構成になっている。食品市場に対するPBの割合は一割を超えることはないだろう。数年前は5%超と言われていたから、市場がPBに傾いてもそれが二倍になってはいないだろう。PBについては欧州では三割程度あって、英国、スイスでは四割を超える。食品は保守的な市場であるから、生活習慣か文化の違いもあっての話であり、ことは簡単ではないが日本のPBには市場成長性があると考えるのは否定できないだろう。販売側がいろいろ工夫している様子が分かる。
ナショナルブランドはどうかというと、あまり元気はないようで、最近は製造している会社を大きく表記したPB商品まで出てきている。セブンイレブンで即席袋麺「金の麺(醤油味)」を東洋水産と共同開発し、東洋水産に製造を委託して販売するとしている。これはどう考えても、東洋水産のヒット商品「マルちゃん正麺」の技術を引き込んだとしか思えない。これだけ販売側の優位があって、製造側の体力の低下があるのだろうと想像する。本当のところは分からないのだが、自社開発した重要な技術を競合会社ではないとはいえ、簡単に外部に流すという気持ちが分からない。それ相応の技術の流出防止策はとっているのだろうが、製造会社の商品への誇りが失われていくのではないかと心配する。

話を戻して、敷島製パンのライ麦パンが健康志向に合っているとあった。正しくはライ麦入りパンだろう。ライ麦の割合をホームページでは公表していないが (商品には成分表記がある筈だ) 、10%程度のものだろう。ライ麦を80%以上使ったパンは、日本の柔らかい食パンに慣れた市場では大きな支持を集めるのは難しいだろう。10%入れたらカロリーオフで、様々な成分が摂取できますというのは不当表示だと思うが、巧妙にそのような表現は避けている。山崎製パンでは出来ないだろうが、他の会社ならライ麦を40%程度使った商品も出せるだろう。
参考の為に記すと、2010年の世界の農業生産量で、小麦は653,655 キロトンで、ライ麦は12,374 キロトンである。ライ麦が貴重であるというのではなく、小麦の方が商品性が高いと理解する方が良いだろう。小麦の作付けが不適な寒い地域で栽培されるのがライ麦である。ライ麦はやせた土地でも栽培できるところに特徴がある。また、丈が高く成長するのも特徴である。家畜用の飼料には使われずに人間の食用に用いられる。大規模な輸出はどこでもなされないようで、国内消費が多い穀物である。ネコのエサ用の草の種にライ麦が入っていたことがある。厳密には違うかもしれないが、冬場の畑で埃が巻き上がるのを防止する種として販売されているものもあった。
栄養成分で有用なものが多くあっても、美味しくないものを売るのは難しい。健康を看板に掲げるなら、美味しいも両立するような商品開発を行うのが、食品を扱う専門家の矜持とするところだろう。


健康の為なら死んでも良いという輩が多いのは、どこか病んでいるということなのだろうか。

« 2012年度医療費、38.4 兆円=10年連続で過去最高更新-厚労省 | トップページ | 中華料理店経営者を射殺、死刑囚の死刑執行 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 2012年度医療費、38.4 兆円=10年連続で過去最高更新-厚労省 | トップページ | 中華料理店経営者を射殺、死刑囚の死刑執行 »

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ