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2013年9月22日 (日)

JR北海道、レール異常放置97カ所に 高さも基準満たさず

JR北海道がレール幅の異常を放置していた問題で、野島誠社長は9月22日、札幌市内の本社で記者会見し、レールの幅や高さなどが社内規定の基準を満たしていないのに放置していた場所が新たに見つかり、放置箇所は既に判明していた分を含め、97カ所に上ることを明らかにした。
これまでは列車が追い越したりすれ違ったりする際に待機する副本線だけだったが、特急列車などが高速で通過する本線でも見つかった上、問題は北海道内全域に拡大。公共交通機関としての信頼はさらに損なわれ、同社の姿勢が一層厳しく問われる事態となった。
JR北海道は、副本線でレール異常を放置していた保線の担当者が「副本線なので、本線より優先順位が後という意識があった」と、説明していることも明らかにした。
野島社長は「お客さまにご迷惑をお掛けしていることをおわび申し上げます」と謝罪、自身の進退については「考えていない」と話した。(日本経済新聞:9月22日)


JR北海道は何を考えているのか。JR北海道について考える。


旅客鉄道事業を行っている会社が事故を起せば大きな問題になる。問題が起きれば調査対策を行うのが手順なのだが、問題が起きるまでは調査結果を隠してしまう。これは国鉄時代とは違った思想ではないかと感じる。国鉄が立派な企業であったとは思わないが、もう少し仕事に誇りを持っていたと記憶する。まあ、昔話は美しく脚色されてしまうものではある。
さて、旅客業務を行っているJR各社の経営状況について比較する。

■ JRグループ各社の鉄道路線距離と運輸事業収入 (各社2013年3月期決算より)
          鉄道路線[km]  運輸業収入[億円]  百万円/km
  JR北海道     2,500        777          31.1
  JR東        7,513      18,570        247.2
  JR東海      1,982      12,431        627.2
  JR西        5,014       8,622        172.0
  JR四国       855        266         31.1
  JR九州      2,273       1,610         70.9
   全体       20,136      42,276        210.0

JR北海道は鉄道の路線距離は、JR九州やJR東海に近いのだが、収入は著しく少ない。収入を距離数で割った値を示したが、JR北海道はJR四国と同じレベルでJR九州の半分以下である。JR北海道の電化している路線は半分以下であるから、気動車が多いのも特徴ではある。
上の表で、JR東海の距離数当たりの収入が著しく高いが、これは東海道新幹線の収入に依存している企業であることに依っている。JR東海の新幹線の路線距離は553kmで、JR東の1,135km、JR西の644kmに及ばないが、圧倒的な輸送人員の多さが大きく寄与している。JR東は長い新幹線路線と、首都圏の潤沢な収入があるから他より高くなっている。この数字を眺めてみると、国鉄の分割時にJR北海道はJR東と、JR四国はJR西と一緒にする方が良さそうにも思える。JR東の経営基準で見れば北海道で鉄道を走らせるのは少数になってしまうだろうし、JR西ではJR四国を支えるのは大変だろうということは容易に理解できる。JR北海道は経営が大変になることを前提にして、別に国からの資金を入れることを考慮されていたのだろう。JR四国にも似た部分があると想像する。
新幹線の路線を延長すれば高収益が期待できるように思えるが、利用者があることが前提なのですべてを説明できるかには疑問がある。JR九州は289kmの新幹線路線を持つが、これが延長されたら収入が増えるというのは、あまりに単純な考えではないかと思う。中央リニア新幹線についても、JR東海の収益を更に改善するかと言えば、そうでもないような気がする。地域格差の解消の為には便利な鉄道で結ばれていることが有益なのは理解するが、それですべてが解決する訳でもない。地方の政治家が選挙で叫ぶ、新幹線や高速道路が本当に地方の産業復興に役だったかと言えば、そうでない例を示す方が簡単だろう。人の移動だけで片付く問題ではないという話なのである。

JR北海道の今回の問題は、新しいシステムの導入などのレベルの話ではなく、通常業務を適切に実施してきたかという話に留まっている。これだと、如何なる技術を導入しても間違いが起きる可能性を残すという問題である。技術が問題解決のすべてにはならないが、技術以前の人間の問題ならすべての問題が解決されないことが確定する。
JR北海道は事故のときしかテレビで見ないが、古いディーゼル車両であることが分かる。この一両編成の路線に、十名程度の客を乗せて走るという状況で安全の為に金を掛けろと主張すれば廃線の危機となるだろう。ということは、国鉄時代の作業点検の確実な実施でしか安全は確保されないことになる。それすらも出来ないほど資金的に苦しいのであれば、多くの路線を廃止しなければならない。JR貨物の利用状況が分からないが、バス・トラック輸送に切り替える方が実際的なのかもしれない。

きっと、事故が人的な要因であることから、労働組合に原因を求めることであろうと思う。そんなことで説明が付くレベルにないと思うのだが、東京のマスコミはこのひな形に放り込むような気がしている。北海道のローカル紙を参照しないと誤った判断をしそうな事例である。
もう少し進んだ段階で改めて考えようと思う。


北海道の線路の上に電線が無いのが牧歌的で良いと誰かが言っていたことを思い出した。

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