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2013年9月20日 (金)

廃炉対策1兆円、合理化で捻出

東京電力は安倍晋三首相の要請を受け、福島第1原発の廃炉に備えた放射能汚染水対策などの費用として、新たに1兆円を確保する方針を表明した。東電の広瀬直己社長は、今後10年程度で、コストダウンや設備投資の抑制などで資金を捻出すると説明している。ただ、東電は既に大規模な合理化を実施中。さらなる資金確保が可能かは不透明な上、巨額の新たな負担は経営再建にとって重荷となる。
東電は福島第1原発事故直後の2011年3月、同原発1~4号機の廃炉方針を表明。しかし、被害が小さかった5、6号機については白紙としてきた。安倍首相は、汚染水処理などの事故対応に集中するため、5、6号機の廃炉も要請。東電は「関係者の英知を集めて年末までに判断する」との談話を発表した。
現行の会計制度では、設備の減価償却や廃炉費用の積み立てが終わっていない原発を廃炉にすれば一度に巨額の損失処理を迫られ、財務が急激に悪化する。ただ、経済産業省は、廃炉費用の分割処理を認めるなど、電力会社の負担を軽減する新制度を近く導入する見通し。東電にとって、廃炉を決断しやすい環境が整う。(時事通信:9月19日)


福島第一で汚染水が漏れたりと大変な東電について考える。


すべての始まりは福島第一に事故発生後に東電を倒産させなかったことにある。東電の社債は公的な年金運用に多く用いられていたし、株式の保有も多かったことが潰すことを躊躇させる理由にはなっていただろう。心理的には、電力供給の安定化を揺るがしてはならないというのはあったかもしれない。しかし、東電が潰れたら電気が来ないというのはおとぎ話に過ぎない。JALの飛行機が飛ばなくなったり、ダイエーの店が臨時休業したりはしなかった。債権者は、少しでも多くの資金を回収するには、止めることより動かすことが大切なことを承知している。いまさら言っても仕方ない話ではあるのではあるが、この選択によって非常に縛りのキツイ状態に陥ってしまった。それでも、事故処理は行わなければならない。

組織運営として疑問を感じるのは、1年半が経過しているのに東電の技術スタッフが事故処理に当っていることである。東電の原子力発電所の仕事というのは、発電をつつがなく行うことである筈だ。もちろん放射性物質の外部への漏洩に対処するという仕事はあるだろうが、発電所が形を変えてしまう状態での仕事は想定されていないだろう。第一、事故発生に関わる仕事は通常非常に限定された範囲である。原子力発電に関係した仕事といっても、放射性物質の漏洩に対する専門性がどれほど高いかは保証の限りではない。それでも、放射性物質に関係する専門家など、どこにもいないという主張があるだろう。もっともであるが、誰もいないなら、今から作るというのが当然だろう。目の前に問題が発生していて、いつまでも素人が扱う理由などどこにもない。現在対応している東電のスタッフが最適な陣営であるというのは、あまりにも発想が乏しい。無い袖は振れないのだが、それを何とかする知恵を出すのが政治家の仕事である。必要な専門家を追加して、仕事のない人は外すというのが当然の行為である。事故を起こしたのだから最後まで責任を負わせるというのは感情論から出ていない。目的は速やかに事故の収束を達成することである。経済性から逃れられない民間企業であるなら、他で有益な仕事が出来るのならその部署に異動させるのが適切な経営判断としての人事であろう。
福島第一の状態は国のレベルの問題になっている。東京電力という民間企業の手におえない状態が発生したといても、東電は出来ません、倒産しますで済む (これとて簡単なことではない) が、国家で責任を持つとなると投げ出す訳にはいかない。このまま東電に任せておくと、出来ない事情が生じると電力供給を理由にして国から金を引き出すことになる。現在の状況は東電に厳しき当っているように見えても、東電は何があっても対応可能な丈夫な財布を握っている状態である。
そこで第一にしなければならない作業は、この便利な財布を東電から取り上げることである。倒産せよとは言えない事情は理解する。今やったら、本来責任を負うべき株主が売り抜いてしまい、善意の株主に責任を求めることになる。誰もこの体制に手を付けないのは、株式会社というのは支払い能力のない借金をすれば倒産してしまうから、東電を倒産しないで何とかするという奇妙奇天烈な連鎖で、国の丈夫な財布が活用されるという無限ループに入ることになる。今日において、国の財布というのはそれほど丈夫でもないことは知られていることであるが、民間企業の財布と比較すれば丈夫であるのは間違いない。

東京電力は良く仕事をしたと言うことにして、(この発言をしたら大変な騒ぎになりそうだ) 福島第一処理の専業団体を作ることにする。法人として、東電と国が出資するのが常識的な判断だろう。東電が責任を逃れるという主張は、東電を潰さなかったのだからいまさら言うなということである。電力供給を人質にする話とペアにして堂々巡りするのはもう良いだろう。どうしたってここ数年で代わりの電力供給事業者はいないのだから。有限責任の法人では嫌だというなら、組合にすれば良い。東電の経営者を理事に据えて、無限責任を共有すれば良い。コントロール下にあると主張するなら安倍も加わることに抵抗はないだろう。理事を沢山にしても手当を出す団体ではないから費用は生じない。運営に文句を言うなら解任すれば良い。解任されてからと言って、無限責任の枠から外れたわけではないのが組合の責任の考え方である。問題発生の時期に理事であったのなら遡及される。そうは言っても自己破産すればそれ以上追及されることはないのだが、責任ばかり口にする国民への説明にはなるだろう。福島の事故処理に最適な体制の構築無しに資金を投入するのは、海に流すのと同じことである。まあ、既に流れ出しているようだが。


ことあるたびに資金を入れるということは、そこに新たな利権が生じるのではないだろうか。

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