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2013年8月 3日 (土)

芸能人の覚醒剤使用報道

芸能人の覚醒剤使用が報道されている。この報道について真偽のほどは定かでないが、国内の薬物使用について考える。


平成23年中の薬物・銃器情勢 (警察庁刑事局組織犯罪対策部 薬物銃器対策課) によると、過去の年間薬物種類押収量は下記の通りであった。

■ 薬物種類別押収量(kg)
           2007  2008  2009  2010  2011
  覚醒剤    340    401  359   306   339
  乾燥大麻   438    375  195   145   135
  大麻樹脂    20     33    17    9     28
  大麻草      63   204   109    25    39
  コカイン     19     6    11    7    29
  ヘロイン     2     1    1    0     4
  あへん      19     7    3    4     8

資料では合成麻薬 (主にMDMA) があったが、量が他に比べ桁違いに多いので表から抜いた。別に扱うことにする。
薬物を国内で製造するのは不可能ではないだろうが、輸入する方が安いか容易であるかの状況があるのだろうと推定して、同じ資料から密輸入押収量の推移をまとめた結果を下に示す。

■ 薬物種類別密輸入押収量(kg)
          2007  2008  2009  2010  2011
  覚醒剤    214   328   220   276   311
  乾燥大麻   354    74    25     2    8
  大麻樹脂    10    26    16     8    18
  コカイン     16    3    11     5   28
  ヘロイン     1    1    1     0    3
  あへん     19    4    1     3    8

覚醒剤の使用量は1回20mgというのが相場のようである。違法薬物で用量用法を守って使っているということもないだろうが、1回20mgとすると難関300kgは、1,500万回分ということになる。これではなんだか分からないから、利用者数 (適切な用語が思いつかない) から推定することを試みる。
厚生労働省の医薬食品局 監視指導・麻薬対策課による薬物乱用の現状と対策 (平成24年10月) によると、麻薬・覚醒剤等事犯検挙人員の推移は下記となっている。

■ 麻薬・覚醒剤等事犯検挙人員の推移
                    2007    2008    2009    2010    2011
  覚醒剤取締法        12,211   11,231   11,873   12,200   12,083
  大麻取締法          2,375     2,867     3,087    2,367     1,759
  麻薬及び向精神薬取締法  542     601     429     375     346
  うちヘロイン           15      15      16      22      19
  うちコカイン           114      120     135     112      99
  うちMDMA            312      311     140      93      86
  あへん法             47      21      28     23      12
  合 計              15,175   14,720   15,417   14,965   14,200

覚醒剤は再犯率の高い犯罪であることで知られ、2010年、2011年は59.1%、59.2%と60%近いレベルとなっている。そこで検挙された人数の半数がヘビーユーザ (不適切は承知だが適当な表現が思いつかない) であり、残りをライトユーザ (こっちの方が問題だろうが、都合でこう表現する) として、ヘビーユーザの使用量が1日10回使用するとして、ライトユーザがその1/4の使用と仮定した。年間の使用量は1回20mgに回数を掛けて12,083人で計算すると551kgとなる。1万円/g をの販売価格とすると年間売上は55億円となる。実際に販売するときは純度を下げて混ぜ物をするだろうから、100億円程度の売上がありそうである。オーダーが分からないから暴力団の推定売上高と比較すると、山口組の売上高は少し前で1兆円くらいだろうと言われていた。山口組は国内暴力団の半分近いと言われていているから、全体で1兆5,000億円 (当局の締め付けが厳しくなっていることを考慮して) となる。
違法薬物を売買しているのは暴力団とされるが、指定暴力団の多くは麻薬の販売を表面上は禁止している。国内の組織が輸入して販売するというのは、キャッシュフローが悪そうではある。海外から国内販売までのルートが出来ていれば利益率の高い事業と言えるかもしれないが、固定的な流れを持つということは当局からの取り締まりを受ける可能性も高くなる。全体売上との関連からすれば市場規模が小さく、様々なリスクも高いというのであれば、公式見解としては禁止しておくのが妥当な判断となるだろう。

覚醒剤が輸入時に摘発されるのが300kg、国内の市中で押収されるのが同じく300kgであるから、輸入時と市中で押収されるのと市中に流れるのが同じくらいということだろう。それだと、1,000kgが輸入され、輸入時に300kgが押収、市中で700kgのうち300kgが押収され、残りの400kgが市中で消費されるという図式となる。
日本の組織暴力団が公式見解通り違法薬物を取り扱っていないのなら、外資系の活動家が市中販売を引き受けていることになる。非関税障壁が違法薬物にはないとうことだろうか。そもそも違法薬物に関税は掛からないのだが。
前で触れなかったMDMAの押収量推移を示す。

■ MDMAの押収量 (単位:kg)
           2007     2008     2009     2010    2011
  押収量   1,187,434   202,886   36,467   15,653   25,966
  密輸入   1,179,733   189,768   35,027      95   24,590

MDMAは一度に大量に動かしているようで年によって変動が大きい。市場 (例の如く不適当な表現だ) の変化というより、扱う業者が大量に扱っているということなのだろうが、トンの単位で密輸するとなると船となる。何とも不思議な薬物である。欧州から運ばれるものが多いとある。合法である訳でもないようなので、使用者が多い地域であるということなのだろう。
MDMAは合成する費用と市場規模が見合わないという見方があった。これは知識が乏しので判断がつかない。MDMAが他の薬物に比べ危険性が低いような記述もあったが、理解できなかった。しかし、市中に流れるMDMAは不純物管理がなされていないからそれだけで十分危険である。


滑舌が悪いのが薬物の影響ではなく、以前からそうだというのはちょっと寂しい指摘である。

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