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2013年8月 7日 (水)

短期大学の数と進学率の推移

短期大学の数と進学率の推移から、短大について考えることにする。

基礎的な情報の確認から行う。短大の進学率と18歳人口、推定される短大進学者数の推移を下に示す。

■ 短大進学率(男女別と合計:%) と18歳人口 (万人) と推定短大進学者推移
   年    短大    女   男  18歳人口 短大進学者(推定)
  1955    2.2     2.6    1.9    177      4
  1960    2.1     3.0    1.2    200      4
  1965    4.1     6.7    1.7    195      8
  1970    6.5    11.2    2.0    195     13
  1975   11.0    20.2   2.6    159     17
  1980   11.3    21.0   2.0    158     18
  1985   11.1    20.8   2.0    156     17
  1990   11.7    22.2   1.7    201     24
  1995   13.1    24.6   2.1    177     23
  2000    9.4    17.2   1.9    151     14
  2005    7.3    13.0   1.8    137     10
  2010    5.9    10.8   1.3    122      7

昨日の短大の持つ特性としてあった女性比率が高いことが分かる。男性は2%前後で当初より推移していたが最近は減っている。短大への進学者数の推定 (18歳人口に進学率を掛けて算出) では1990年代まで増加してきたが、以降減少に転じている。原因については前回考えたが、短大の数がどのように推移したかを確認した。適当なデータが無かったので、各短大の創設年と学生募集停止年を確認して、各年の短大数を
   (短大総数) = (前年短大数) + (新設短大数) - (停止短大数)
の数式で算出する方法とした。
新設大学数と短大総数の推移を下に示す。

■ 新設短大数と総短大数の推移

Tandai_3
文科省によると1950年に開始された短大数は149で、入学定員は 20,155人であった。当初の短大創立が落ち着くと新設は減ったが、短大が暫定から正式な組織として認められたことで、1964年前後からブームを迎えた。その後は緩やかな増加傾向が続き1993年にピークを迎えて減少に転じた。
女性に注目してみる。女性の四大、短大進学率とその合計について推移を下に示す。

■ 女性の大学進学率推移
   年    四大   短大   合計
  1955    2.4    2.6    5.0
  1960    2.5    3.0    5.5
  1965    4.6    6.7   11.3
  1970    6.5   11.2   17.7
  1975   12.7   20.2   32.9
  1980   12.3   21.0   33.3
  1985   13.7   20.8   34.5
  1990   15.2   22.2   37.4
  1995   22.9   24.6   47.5
  2000   31.5   17.2   48.7
  2005   36.8   13.0   49.8
  2010   45.2   10.8   56.0

1990年の短大のピーク以降に短大進学率は減少しているが、それ以上に四大進学率は向上している。四大と短大の合計進学率は短大進学率が減少して以降も伸び続けている。
四大への変更が短大減少の大きな理由になっている。私立短大に限っていうと、四大に変更した短大が216、廃止となったのが60、現行が351である。(現行は文科省資料より、他はネット上での検索結果なので精度の確かさは保証できない) 2000年以降に創設された短大が18あることから、全てを四大に向かうような動きにはなっていない。新設される短大の科目が何かに少々後ろ髪引かれる思いはあるが先に行く。
前に示した短大の推定進学者数とそのとき学生を募集していた短大数から1短大あたりの平均入学学生数を算出した。結果をしてに示す。

■ 短大の推定進学者と1つの短大当たりの平均入学学生数推移
   年  短大進学者(万人) 短大数  平均学生数(人)
  1950    2.0       149      135
  1955    3.9       261      149
  1960    4.2       279      151
  1965    8.0       357      224
  1970   12.7       479      265
  1975   17.5       509      344
  1980   17.9       507      352
  1985   17.3       534      324
  1990   23.5       576      408
  1995   23.2       574      404
  2000   14.2       523      271
  2005   10.0       415      241
  2010    7.2       367      196

短大が暫定でなくなった1965年頃から短大当たりの学生数は増加していた。それが2000年以降減少している。これは規模の大きな短大が四大に変更したことによるだろうと推定される。200人規模というのは代表的な短大規模として見掛ける。短大が四大になるのに障害になるのは設備や教授の確保である。2年が4年になると二倍になるだけでは済まないことがおおくあるのだろう。都心の短大を地図検索してみると、その近所にある小学校より面積が狭い場合ばままある。小学校では高い建物が利用できない事情があるが、短大にはそれがないから上に伸びているということはあるが、グラウンドの面積は非常に狭いことが多い。
短大のカリキュラムを試しに確認したところ、専門として扱われている科目に重点が置かれている。というより、それ以外の科目が極端に少ない。短大と四大がある亜細亜大学のカリキュラムを確認した。どちらにも経営学科というのがあったので比較した。短大のほうは、簿記・会計に関する科目と外国語が基本になっている。情報処理に関する科目はコンピュータ会計、eビジネスというのがあるが他にはない。教養科目になかに数学と自然科学がそれぞれⅠ・Ⅱとあるが数学やコンピュータの基礎は扱わないようだ。一方、四大の経営学科はというと、必修の会計の他に選択必修として財務、人事、組織という名のついた科目がある。貿易や証券、原価、保険というような企業活動で触れるであろう科目も選択可能である。会社の経理に配属されて、事務処理をする社員を養成するコースとして短大があるのに対し、四大の方は経理以外の部署に配属される可能性が高くあり、どの部署に行くにしても将来管理職になることをイメージしている科目構成になっている。他の実務系短大のカリキュラムも見たが、これでいいのかと思う内容であった。
 ※ 亜細亜大学のカリキュラム(四大・短大比較)
   亜細亜大学 経営学部 経営学科 http://www.asia-u.ac.jp/keieigaku/pdf/keiei.pdf
   亜細亜短大 経営学科       http://www.asia-u.ac.jp/junior_c/pdf/tandai.pdf

正直な感想としては、四大の経営学科の科目構成も問題があると思った。理由は単純で、会社経営の状態は数字を扱うのだから、数学に関する基礎は抑えておかねばならない。数学が苦手だからと社会科学系に流れるのは悪い習慣で、大学の専門で扱う程度の数学は教養として持っておかなければならないと信じる。高校の数学が苦手という手合いが、時価を扱う科目についていけるのだろうか。指導教官にお見舞い申し上げるよりない。(大きなお世話であるのだが)
短大の方は、もう少し教養を高めるような工夫を入れて貰いたいものだと思った。きっと、保育士を目指すコースはもっと職種に寄った科目構成なのだろう。見るのが嫌になったというのは、サボる口実と決まっているのだが、目的もなしに沢山の資料を見るのは生産性が低すぎるので止めにする。
短大がこれで良いのかと考えると疑問を持つ。どんな状態が好ましいかについての検討は次回行うことにする。


役に立つ科目というのは直ぐに役に立たなくなる。役に立たないという科目は、役には立たないが知らなければならないものである。

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