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2013年8月 8日 (木)

短大の将来の姿について

短大について考えてきたまとめとして、将来像を考えることにする。


ここ数日、短大のホームページを見ることが多かった。過去に見たこともなかったので新しいことばかりである。ホームページを見て思うのは、短大の関係者は女子のウケを良くすることを重視しているということである。カラフルな表示で統一されている。愛想の欠片もない、数字の羅列を平気でするブログを書いている身とは違う場所に住んでいるようである。こっちは、少しだけ読み易さを考慮して、266回目で初めてグラフ表示をするという歩み寄りをしたのであるが、そんなことでは相手にされないので比較するのに無理がある。

文科省の定める短大の必要単位数は62である。幾つかの短大では必要な単位数が公開されていたので拾ってみた。単位数の表記があったものを下に示すが、この数倍調べた東京とその近郊の短大では記載がなかった。資格取得を全面に出しているので、取得に必要な科目を受講すると単位数が増えるということを表に出したくないのからと想像したが、そんな細かいことは気にしていないだろう。単位数は書いてなくても標準的な受講例はあったりするのでインサイダーにとって不親切にはなっていない。短大の状況を知りたいと思うアウトサイダーに親切にする理由もないからある意味当然ではある。

■ 短大の卒業までの必要単位数例
     短大名                学科               必要単位数
  実践女子短期大学        日本語コミュニケーション学科     68
  東京家政大学短期大学部    保育科・栄養科              62
  大妻女子大学短期大学部     国文科                   66
        〃             英文科                   62
        〃             家政科・食物栄養専攻          71
        〃             家政科・家政専攻            64
        〃             家政科・生活総合ビジネス専攻    62
  東京経営短期大学         経営総合学科              66
  日本体育大学女子短期大学部 幼児教育保育科             62
  鎌倉女子大学短期大学部    初等教育科                63
  湘北短期大学            生活プロデュース学科         68
        〃             情報メディア学科            68
        〃             総合ビジネス学科            68
        〃             保育学科                  62
        〃               +幼免・保育士           85
        〃               +幼免                 66
        〃               +保育士               72

幼免は幼稚園教諭免許である。幼稚園と保育園が別の制度になっていることからこの両方の資格を得たいと考えると単位数が増える。幼免は短大なので幼稚園二種免許となるが、文科省の求める必要単位数は62単位、保育士は71単位となっている。こども士のような統合資格が検討されているようであるが、湘北短大の例を見ると両方取ると13単位以上余分に必要となると合理性を求める声は出るだろう。現実的には幼稚園と保育園を行ったり来たりはしないだろうから、統合された"こども園"で複合資格があると業務上の制限が回避されるだろうから、この統合案と同時に検討されるのではないかと想像する。もっとも、その状況においては、どちらかの資格取得者がもう一方の資格を得たい場合に、実務経験と講習と試験で得られるという救済措置が一定期間設けられるのではないかと予想するがどうなることか。既得権を守るのが役所と保守政党の行動性向なので既得権を犯されると反発があるかもしれない。
資格を別にして、短大卒業をするには70単位弱というのが代表的なところのようである。四大の必要単位が124であり、年数に比例している。短い期間であるから必要単位すを多くするのが当然であると考えるのだが、そういった考えは採用していないようである。62なり124なりの単位数はどちらも少ないと感じる。こちらの方は、役所は別にして多くの支持が得られる気がするが、どうだろうか。
資格取得と就職力を看板に掲げる短大が多い。この題目は専門学校では当たり前に見られるし、四大の比較的名前の知られていない大学、乱暴を承知で括ってしまえば入学偏差値の低い大学に多い。就職力というのは、就職し易いということであり、公務員への就職が多いことを掲げることが多いようだ。大学や短大でこのような内容をアピールするのに強い違和感があるのだが、学歴というのは様々な資格試験の受験資格に設定されている要件であるのだから、国の定めた、好ましくは国際標準として受け入れられるような、基準を満たしていることが大切であり、その先の資格等の試験への合格に特化した要素は不要、というよりあってはならない要素だと考える。もちろん、卒業単位とは別に受験対策講座を設けることに反対する訳ではないのだが、履修例を見ていると必要単位に含まれているものもあるようだ。それなら、その学校は受験予備校ないしは専門学校であって、大学(短大も含めて)を名乗るのには馴染まないと考える。
役に立つ対策を勉強するのだから良いではないかという意見もあるだろうが、学問をしたという経験を保証することが学歴であるとすれば、制度を否定する行為となる。文科省が認めているカリキュラムだという指摘はもっともであるが、文科省の指導が適切でないから大学が多すぎたり、ずさんな経営問題や、学生の質の問題が生じていると考えているから、文科省の認可に免罪符を求めても何も解決しない。

ビジネスマナーなる履修科目をある短大で見た。似たものは他でもありそうだ。汎用性のあるビジネスマナーを習うというのは非常に困難である。下町の商店と、丸の内の総合商社と、迎賓館とで求められるビジナスマナーは異なる。上位互換があると思っているのは物事を単純にしか理解できない者の論理である。求められる内容が異なるのだから、学ぶべき点があるなら歴史的な違い、文化的な違いに対する理解である。会社で来客者にお茶を出す作法は代表的なものはあるだろうが、それだけを学べば済むという内容のものでもない。作法に外れたことをしても、そこに出席している同じ会社の者が何とかするし、会議が済んでから怒鳴られて学ぶものである。恥ずかしいも、嫌な思いもするだろうが、それなしで簡単に定着するものでもない。怒鳴るのはパワハラと言うようだが、出来ない事実を適切に伝達しないと改善されない。改善されないで放置するなら、問題のある社員は使わないのだからいつかそこを去るのだろう。怒鳴らないでクビにすることが世の中の為になるとは思わない。
高等教育で大切なことは、若者に自分自身が者を知らないことを認識させることである。何も出来ない事実を確認した上で、何かが出来ることを教えるのが教育である。何かが出来るようになることを指導するのは高校までで済ませるものである。
もしビジネスマナーを学ばせるなら、茶道や華道をやるのが良い。百人一首をすべて覚えて競技かるたをするのでも良い。それが単位ではおかしいという指摘もあるだろうが、それを通して何を学ぶかである。誰かから誰かに伝達するだけで作業が完了する仕事は、高等教育ではない。実践的なというキャッチコピーに致命的に欠落していると感じる点である。

だらだらと長くなったので、まとめは次回に送ることとする。


募集停止や、体制の見直しを計画している短大がまだあるようだ。

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