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2013年8月15日 (木)

政治家の発言

暑いし、世間ではお盆休みでブログを見る人も少ないので、政治家の発言を拾って考えることにする。


◆ 自民党の溝手顕正参院議員会長は8月7日、党本部で開かれた新人参院議員向けの会合であいさつし、「安倍晋三首相のように大変勢いのよい首相の下だと、ばかでも、チョンでも(選挙に)通る」と発言した。「チョン」は韓国・朝鮮人に対する差別的表現とされている。溝手氏は直後に撤回し、記者団に対し「非常に問題ある発言だった」と陳謝した。(毎日新聞:8月7日)

溝手顕正は自民党の参議院議員で当選五回、広島県選挙区の選出である。岸田派だという。チョンは朝鮮人のことを指すのだろうが、これに韓国人を含めた表現を新聞報道のようにするとより差別意識が強くなる。朝鮮併合のときの朝鮮半島の国の名は、大韓帝国であるのだが、韓国という呼称は当時の日本でなされていないだろ。朝鮮半島が一つの国であったか、日本に支配されていたかの時期に発生したかよく使われていたかした言葉だろうから、韓国人に対する蔑称と丁寧に解説されると傷み入るよりない。強いて解説するなら、朝鮮半島出身者に対する蔑称となるのだろうが、この表現を新聞に載せたら問題になりそうではある。
チョンが国籍に関わる差別用語となっているのは理解しているが、溝手がどうしてこのような発言をしたのかが理解できない。というのは、この国で被選挙権はこの国の国籍を有する規定された年齢の人に与えられている。公民権停止などの処分対象者は別にして、これが普通選挙と呼ばれる制度の基本となっている。これにチョン、つまり朝鮮人が対象となるのなら、北の将軍様が安倍政権なら当選できると言ったということになる。将軍様が自民党所属の参議院議員になるという発言なら、これは訂正しなければならないだろう。
溝手は外国人参政権に関係しているかと思って調べたが、これには関係していないようだ。日韓議員連盟や朝鮮半島問題小委員会に関係があるようだが、これらの活動内容がどんなものかは分からないが、自民党の保守系の主張で動いている団体ではない。何を思って発言したのだろうか。ちなみに、溝手は東京大学法学部の出身であった。ただし、政治学科である。1966年の卒業であるから、そんなに制度が変わっていない。東京大学に入学し易い時代があったとは思えないが、入ってしまうと勉強しない学生がいるのはどの時代も同じだろう。
法学部出身でありながら、外国人に被選挙権がないことを認識しないで、外国人でも議員になれるかのような誤った情報を発信してしまったことを撤回し、問題のある発言だったと陳謝した。ということであれば理解できる。この意味ではないのだろうか。
もっとも普通の解釈では、在日韓国・朝鮮人で日本国籍を取得した人でも国会議員になれるという意味で使ったのだろう。国籍変更をしても出自は永遠に影響するという意味で使えば深刻な問題になる。麻生のように外国人を具体的に例に出して話せば、人権上の大きな差別観念だと国際的な問題になることもできる。目立つ・ウケるが何よりも大事を考えている国会委議員は、体を張ってウケ狙いをして貰いたいものだ。


◆ 稲田朋美行政改革担当相は終戦記念日の8月15日午後、自民党有志議員による「伝統と創造の会」会長として東京・九段北の靖国神社を参拝した。午前には新藤義孝総務相と古屋圭司国家公安委員長が参拝。安倍晋三首相は参拝を見送る代わりに、自民党総裁として代理人を通じて私費で玉串料を奉納した。中国や韓国はA級戦犯が合祀されている靖国への閣僚参拝に反発した。
稲田氏は参拝後、記者団の問い掛けに何も答えなかった。周辺によると、「二礼二拍手一礼」の神道形式で参拝し、玉串料は有志議員の会として納めたという。 (時事通信:8月15日)

稲田は、伝統と創造の会の一員として、8月15日に参拝する意向を固めたとの報道が8月3日に朝日新聞であった。8月2日に稲田は、「自分の国のために命を捧げた人に対し、感謝と敬意、追悼の意を表すことは主権国家として許されるべきだ」と述べているから、参拝後にも同様のことを語るだろうと思ったら、黙って去っていったというのはどう言う訳か。いろいろと意見のあることではあるので、非難もあるであろう参拝なのは覚悟のことである。それなら発言しないと、参拝しなかった以上に別の意味で問題がある。
伝統と創造の会とは崇高な理念のある団体かと思ったら、2006年にできた自民党の保守系新人議員の勉強会であった。俄か右翼が群れていると言ったら問題になるかもしれないが、こそこそ参拝して逃げるように去る輩を表す適当な表現が思い付かない。
稲田をこのブログで扱ったと思って調べてみたら一言も出てこなかった。今年の5月に、「慰安婦制度は、悲しいことではあるけれども、合法」と述べて、問題化して発言を撤回しているから扱っても良さそうだが、それほどの者でもないと判断したのだろう。記憶に残らないタイプの政治家と言える。もしかしたら本人にもその自覚があって、問題発言を積極的にするのかもしれない。5月の慰安婦制度の発言では、慰安婦を売春婦にすれば問題にはならないが、同時に意味もなくなる。稲田は弁護士とのことだが、論理的な考えが苦手なのだろうか。慰安婦の問題は、慰安婦の定義や状況に確定した調査解析がなされていないことに根本がある。定義に揺らぎがある用語を不用意に使えば非難されるのは必然である。稲田の狙いは、合法であるか否かより、合法と発言すれば世間の注目を集められるの思いであったのではないだろうか。
今回の参拝においても、8月15日には行かないという判断もあっただろうが、ネット上の稲田支持者の期待に背くわけにはいかないのだろう。ネットのお友達は、こそこそ帰っていく様子がテレビで流れても悪く言わないだろう。悪いのは否定的な意見を流すマスコミなのだろうから。
発言しないことを問題発言というのもおかしな話だが、挙動不審な国務大臣なのだから致し方ない。


◆ 68回目の終戦記念日を迎えた8月15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれ、天皇、皇后両陛下や遺族ら6,091人が参列した。安倍晋三首相は式辞で、歴代首相が言及してきたアジア諸国の戦争犠牲者に対する加害責任に明確には触れず、「歴史に謙虚に向き合い、学ぶべき教訓を胸に刻みつつ国の未来を切り拓(ひら)く」と述べた。(毎日新聞:8月15日)

靖国神社に参拝できなかったから、「深い反省」や「哀悼の意」を表明してきたことを削除したというバランスで見てしまう。主張したいことが叶わなかったから、文言に主張を盛り込んだというのが大勢の見るところだろう。安倍の行動全般に共通しているのは、この子供っぽさである。普通の表現をすれば幼い。主張しなければならないことならば譲ることなく主張する。一方、無用の摩擦を避ける必要があると判断すれば潔く諦める。このメリハリがない、もしくは非常に弱い。お坊ちゃん育ちがそうさせるのか、そもそも考える力に欠けるのかしらないが、この行動の結果は、安倍の大好きな右側に居る人達 (物事を単純にしか考えられないネットの住人) にも嫌われるし、安倍のお嫌いな左側の人達 (TPPに反対すると左翼と呼ばれるから日本医師会は左翼の活動家団体だ) にも相変わらず国益を考えないと馬鹿にされる。
複雑なことを考え能力がないから、軍事力の比較だけで済む (そんな簡単な話ではない)  武闘派右翼に行きたがるという図式はあるかもしれない。左側のインテリぶった左翼がいけ好かないという理由もあるだろう。なんだ、それなら学歴コンプレックスである。


靖国神社の大きな収入の一つがバス駐車代金であるようだ。巨人の人気が落ちると神社の経営が苦しくなるのだろうか。

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