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2013年7月25日 (木)

Suicaデータ無断売却でJR東が謝罪

JR東日本は25日記者会見し、IC乗車券「Suica(スイカ)」の乗降記録などを無断で外部に売却していた問題で、「乗客に心配をかけ、深くおわびする」(田浦芳孝常務)と謝罪した。新規の売却は二カ月間停止し、既に購入した日立製作所に対しては利用停止を求める。希望者の記録は過去にさかのぼって売却対象から除外する。ただ、JR東は「法令上は問題ない」(田浦常務)として、二カ月後から売却を再開する予定だ。告知はホームページ上で行うとしている。 (時事通信:7月25日)

ビッグデータは、典型的なデータベースソフトウェアが把握し、蓄積し、運用し、分析できる能力を超えたサイズのデータを指すという。データサイズとしては、テラバイトではなく千倍のペタバイトのイメージのようである。総務省は、ビッグデータを「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」とし、ビッグデータビジネスについて、「ビッグデータを用いて社会・経済の問題解決や、業務の付加価値向上を行う、あるいは支援する事業」と目的的に定義している。それはそうなのだろうが、ビッグデータの定義に従えば大概の事業関係のデータは満たすことになりそうだ。しかし、全体としては妥当な定義だと思う。
単純で、繰り返し性のある大きなデータというのは、以前は抜き取り調査を行う対象であったが、現在ではその多くを直接的に解析することが可能となっている。駅で切符を購入する人が随分と減っているし、定期も磁気カードの人は珍しいくらいになっている。首都圏のラッシュ時の混雑の緩和に最適なダイヤを検討しようとすれば、Suicaの乗降データは最適なものである。路線のある区間が不通になった場合のお客の代替輸送をどのように実施するかなどというのは、事故発生の経験によって最適化を行うより事前に計算しておく方が乗務員の負担は小さくできるだろう。

JR東の2013年3月期の決算説明会資料によると、Suica関連の数字として下記が公表されている。

■ JR東 Suica関連情報
   ・ Suica発行枚数          約4,247万枚
    [ 内、電子マネー対応 ]     約4,020万枚
   ・ モバイルSuica会員数      約311万人
   ・ Suicaポイントクラブ会員数   約165万人
   ・ 2013年3月の月間利用件数  約8,583万件
   ・ 1日あたり利用件数       約340万件 (過去最高値)
   ・ 利用可能店舗数         約205,910店舗
   ・ 利用可能箇所数(端末台数) 約377,870箇所

利用件数の1日340万件というのは、定期利用は含まないだろう。しかし、駅の自販機で飲み物を買えばカウントされる。キオスクの支払いにSuicaを使う人を良く目にするから、キオスクでは多いかもしれない。キオスクも駅中コンビニにシフトして店を減らしているようなので、ホームは自販機で改札の近くはコンビニという流れにあるのだろう。もともとは鉄道弘済会だったのだから、キヨスクは株式会社でなく財団法人であった。鉄道事故による身体障害者の鉄道職員に対する福祉活動であった。国鉄の分割民営化によってこちらも分割されて株式会社組織になっている。この部分に関しては、国鉄の方が良かったと言えるのではないかと感じる。鉄道の公共性と、営利とのバランスに苦労するレベルとこ次元の違う公共性であるだろう。鉄道関係の事故による身体障害者が減ったことはこの背景にあるだろうから、事故抑制を目指すという正しい作業の結果として福祉目的が薄らいだというのなら、正しい作業の延長線上にある正しい結果だと受け入れなければならない。

さてJR東は、関東の1都6県の人口が4,000万人、東北6県が900万人で、これに長野と山梨の合計の半分150万人と新潟の240万人が営業範囲の人口となる。合計は概算で5,300万人となる。鉄道を利用しない地域もあるし、利用しない人もいることを考慮すれば4,000万枚を超える発行枚数は、JR東の為のものではなく、別の都合により複数枚所有する人がいることが想像される。
実際、Suicaの利用を広げる為に、JR東は社員証や学生証としての利用を行ったり、地域の商業的なポイントカードの置き換えを行ったりしている。これらの顧客データはJR東を希望してSuicaを買ったのとは違い、選択の余地がなくSuicaに流れたものである。
電子マネーとしてのSuicaを普及される為に営業活動を行った結果、利用者が非常に膨らんだ。これはSuicaを電車の乗降から拡張することで経済的なメリットを出せるし、JR東のみで端末負担を負うより実際的であるのは間違いない。しかし、そうやって広めるだけ広めといて、データの扱いはJR東が自由にやるというのでは不満も出るだろう。これだけカードを発行したのだから、ICカードの発行手数料も当初より安くなっているだろうから、チャージ可能な機械でデータを自由に扱うことを了解したら100円カードに戻しますと宣言したら、ほとんどの人が手続きを行うのではないだろうか。皆やったら40億円になるが、この100円は鉄道利用にしか使えないと制限を掛けたらそれほど腹は痛まない。この位のことをやらないと納得させるのは難しいだろう。
開示不可の人は申し込めということだが、それほど多くの人は申し込まないだろう。勝手に情報を使われて誰かが儲けるのは業腹だが、大した情報でないのに金にもならないのに手続きをするのはご免だというのが小市民の心情である。
JR東は、生年月や性別、乗降駅、利用額などの情報を日立に売却していたが、個人が特定されることはないから法的な問題はないとしている。法的な問題があれば犯罪である。問題が無くても、顧客が不快に思うことを事前に回避することをサービスの良い会社と日本語で言う。金のやり取りを法律の範囲内で判断するのは良くない傾向である。精神としては鉄道弘済会に戻った方がよさそうに思うが、如何だろうか。


キヨスクとキオスクが混在しているのはミスではない。JR東のみキオスクと称している。変だ。

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