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2013年7月 3日 (水)

英語公用語の話

昨日、片山豊について触れたので、そこで英語を公用語にするとした会社のその後のことを考えることにした。


英語を公用語にすると発表して話題になった会社は、ユニクロと楽天が有名である。この他にSMKという会社が公用語として英語を使うことを公表している。SMKは旧社名を昭和無線工業という、コネクター関係とタッチパネルなどの部品と製造販売する会社である。この三社の売上高の推移を下に示す。

■ ユニクロ、楽天、SMKの売上高推移 (単位:百万円)
         ユニクロ     楽天     SMK
  2012    928,669    443,474    54,475
  2011    820,349    379,900    55,340
  2010    814,811    346,144    61,914
  2009    685,043    298,252    64,371
  2008    586,451    249,883    72,742
  2007    525,203    213,938    87,659

小売業とサービス業と製造業を単純に売上高で比較するのはあまり意味が無い。SMKは電気部品の会社として500億円の売上があるから小さな会社ではない。ただし、売上が毎年減少していることが気になる。最近二年については、営業利益も当期純利益も赤字である。三社の売上高に占める海外売上の割合の推移を下に示す。

■ ユニクロ、楽天、SMKの売上高海外割合の推移
         ユニクロ    楽天      SMK
  2012     33%      13%       74%
  2011     27%     10%未満     69%
  2010     16%     10%未満     71%
  2009     11%     10%未満     69%
  2008     12%     10%未満     72%
  2007     10%     10%未満

海外展開しているように思えるユニクロで海外売上が1/3にやっとなった。楽天は直近の決算で初めて海外売上割合を公表したが、それ以前は一割未満であることから公表していなかった。一方、SMKは七割前後の海外売上があることを公表している。
売上を基準に考えれば、SMKは英語を公用語にする必然性がありそうである。そして、ユニクロと楽天はそこまでの必要性は見いだせない。

英語を公用語とする理由は、日本の市場だけを相手にしていても発展が期待できないこと、海外の優秀な人材を取り込んで仕事をするのに必要であることが理由のようである。海外の市場を重視するが日本の市場も無視できない会社では、内向き志向の社員が増えることが困るという事情もあるようだ。
海外に展開すると言っても、国内売上に大きく依存しながら発展してきた会社においては、英語を公用語にするという指令は、これまでの実績を否定的に捉えられては我慢が出来ないだろう。海外で売ると言って、国内で無理やり売る会社なら、英語は話すより日本で売る工夫をしてくれという不満も出ることだろう。
優秀な人材の確保も、海外展開も、つめりはその会社が売上を伸ばして成長していくことが前提になっている。つまり成長の為の手段である。英語公用語に対する不満は、手段が目的にいつしか変わり、英語を話すことだけが価値であるようになっていることなのだろう。英語を話すことを重視するのは理解しないではないが、その土地の微妙な言い回しを会話の切っ掛けにすることは商談で普通にある。海外市場を重視して、外国人を沢山採用して、海外に工場もオフィスも移してしまったときに、その企業は日本の企業なのだろうか。そうなってでも企業の存続を計るのが経営者だとすれば、正しい判断であるのだろうと思う。しかし、それなら会社を解散して、株主と社員に分配するというのも優秀な経営者であるのだろう。


片山豊からのついでの話で今日は終わる。

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