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2013年7月18日 (木)

ホンダと川崎の二輪事業

昨日に続いて、二輪車事業について、本田技研工業(ホンダ)と川崎重工業の例について考えてみる。

二社の売上と、二輪部門セグメントの売上高・営業利益・売上割合の推移を下に示す。単位は百万円である。決算資料より集計した。


■ ホンダ二輪車事業売上・営業利益推移 (単位:億円 / 3月期決算)
          売上高    二輪車売上  二輪車利益  二輪売上割合
  2013      98,779     13,395      1,102       14%
  2012      79,481     13,488      1,426       17%
  2011      89,369     12,882      1,386       14%
  2010      85,792     11,403       588       13%
  2009     100,112     14,115       999       14%
  2008     120,028     15,587      1,513       13%
  2007     110,871     13,706      1,006       12%
  2006      99,080     12,258      1,140       12%
  2005      86,501     10,978       693       13%

■ 川崎二輪車事業売上・営業利益推移 (単位:億円 / 3月期決算)
          売上高    二輪車売上  二輪車利益 二輪売上割合
  2013      12,888     2,518       23       20%
  2012      13,037     2,352       -29       18%
  2011      12,269     2,344       -49       19%
  2010      11,734     2,030      -270       17%
  2009      13,385     2,169      -316       16%
  2008      15,010     3,364      -101       22%
  2007      14,386     4,339       196       30%
  2006      13,224     4,037       275       31%
  2005      12,415     3,669       198       30%
  2004      11,602     3,384       167       29%
  2003      12,395     3,183       72        26%

決算はいずれも三月期である。
2009年頃から売上が落ちていることが昨日のスズキ、ヤマハと共通している。ホンダはその後回復し、川崎は回復しきれていない。地域性との関連に注目するのは、前回のスズキ、ヤマハと同様である。そこで、二社の地域別の売上高推移をまとめた。結果を下に示す。

■ ホンダ二輪車事業地域ごとの売上推移 (単位:億円 / 3月期決算)
       2013   2012   2011   2010   2009   2008   2007   2006   2005
日本     729    729    702    705    818    936   1,018    990    974
海外   12,666  12,759  12,180  10,698  13,297  14,651  12,689  11,268  10,003
北米    1,122    973    967   1,040   1,823   2,656   3,083   3,497   3,218
欧州     864    961   1,039   1,247   1,786   2,267   2,198   2,081   1,985
アジア   6,675   5,796   5,777   4,611   4,604   4,844   3,834   3,240   2,892
その他   4,005   5,029   4,397   3,801   5,084   4,884  3,574    2,449   1,909

■ 川崎二輪車事業地域ごとの売上推移 (単位:億円 / 3月期決算)
      2013   2012  2011  2010   2009   2008   2007   2006   2005   2004   2003
国内    121   121   113   129    147   152   159   171   190    251   205
海外   2,044  1,912  1,872  1,576  2,524  3,274  2,972  2,609  2,404   2,190  2,230
北米    797    780   785   563   1,343  1,771  1,837  1,595  1,381   1,278  1,426
欧州    385    422   477   562    732   1,107   809   680    675    612   496
その他  862    710   610   451    449    396   326   334   348    300    308

ホンダは以前は国内:海外が1:10であったが、近年は1:17まで開いている。川崎の傾向もホンダと同様である。それぞれの会社について述べる。まず川崎から。
川崎は以前は北米に大きく依存していたが、北米が半分程度に減少した結果、北米とその他 (アジアと解釈して良い) とが同じレベルとなっている。欧州は北米の半分が相場 (例外はリーマンショックの影響の強い2010年) となっている。北米・欧州・日本が大きく減らす中で成長の期待できる新興国市場を伸ばさなければならないが、減少を補うに至っていない。川崎もインドネシアに工場を持つが、先進国向けに大排気量モデルを中心とした商売をしてきた結果として、小排気量の品揃えが充分でない。インドネシアの情報が手もとにないのでタイの情報を参考の為に示すと、150ccを超えると高額な税金が発生する。そこで、125-150ccのモデルが販売されている。国内メーカと合わせて五社(日本の四社に国営会社)ある。排気量が実質同レベルの製品なので、どれも似ている。川崎のタイ工場のホームページには、250cc,650cc,1400ccのモデルが目立つところにある。大排気量の輸出用を一部販売しているとも考えられるが、110-150ccのモデルが下の方にあった。なんたってタイ語のページなので理解できない。写真が載っている他のページを見たら、やはり川崎は大排気量志向であるようだ。現実に売れるモデルと、イメージアップのモデルが違うのは普通だろう。川崎は高額モデルを少量販売するという先進国向け販売方法と、価格を抑えた小排気量モデルを多数販売するという違いが、川崎にとってアジアでの販売の最大の課題になるかもしれない。
ホンダはフルランナップメーカであるので、新興国向けの小排気量モデルも充実していることが景気の影響を最小限にしている。川崎の5倍の売上があるのは、新興国向け品を早くから手掛けてきたことも影響しているだろう。昨日のインドネシアの販売で話題にしたが、新興国での販売のノウハウもあるのだろう。

二輪市場は新興国市場に中心は移っている。日本で250-400ccのモデルが売れるといっても世界の市場の中ではごく一部の現象に過ぎない。むしろ、アジアでのモデルを日本に輸入するのが現実的な方法であるが、排ガス規制や騒音規制が飛び抜けて厳しいとなると少々厄介である。TPPの対象となれば、非関税障壁となる規制要素は排除対象となるが、どうなるのだろうか。
ということで、この項は終わりとする。


国内販売台数の排気量別推移や各メーカの製造台数推移も調べたが使わなかった。

 

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