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2013年6月20日 (木)

タイ自動車事情

タイの自動車市場で、世界のトヨタが苦戦している。代わって勢いに乗っているのが、一昨年の大洪水被害で工場が半年にわたり操業不能となったホンダである。トヨタとホンダに何があったのか。

タイの自動車製造と販売について考える。

ASEAN各国の自動車の販売台数と、生産台数の推移を示す。台数は各国の団体発表の数値を用いた。単位は千台である。

■ 東南アジア各国の自動車販売台数 [単位:千台]
             2006   2007   2008   2009   2010  2011   2012
  タイ          682    631   615    549   800   794   1,435
  インドネシア    319    433   604    484   765   894   1,116
  マレーシア     491    487   548    537   605   599    570
  フィリピン      100    118   124    132    168   142    157
  ベトナム        41    80   112    119   112   111    80
  シンガポール    115    93    81     58    33    21     28
   合計       1,748  1,843  2,084   1,879  2,484  2,561   3,386

■ 東南アジア各国の自動車生産台数 [単位:千台]                     
             2006   2007   2008    2009    2010   2011    2012
  タイ        1,188   1,287   1,394    999   1,645   1,458   2,454
  インドネシア    296    412    601    465     703    838   1,066
  マレーシア     503    442    531    489    568    534    570
  フィリピン      56     62     64     63     80     65     72
  ベトナム       35     75    115    108    106    100    -
  合計       2,078   2,278   2,704   2,124   3,102   2,995   4,160

販売台数に注目すると、100万台を超える市場になっているのが、タイとインドネシアであり、それに次ぐマレーシアは50万台クラスとなる。各国のGDPと人口について確認しておく。下記に2011年の名目GDPと人口を示す。

■ ASEAN各国の名目GDPと人口
  2011年      名目GDP(M$)   人口(万人)
  タイ          365,560      6,438
  インドネシア     878,200      24,447
  マレーシア      303,530      2,946
  フィリピン       250,440      9,580
  ベトナム       138,070      9,039
  シンガポール    276,520       541

シンガポールは購買力は高いものの、国土が狭く自動車の新車販売を制限している。自国での自動車生産がないので全て輸入となる。自動車取得に関わる費用が高いこともあり、この制度の変更が無いと自動車市場の拡大は期待できないが、面積に関わることであることを考えると市場性は低い。
ベトナムは人口が多く成長が期待され自動車会社が進出している。進出の理由は高い関税があったことも要因になっている。しかし、国内の規制強化があって2012年は販売不振となりっている。これは同時に国内生産にも影響して、非常に稼働率が低くなっている。生産能力の半分程度ではないかという見方もある。AFTAの取り決めにより2018年にはASEAN国からの輸入関税が0~5%まで減る。(2014年では50%) 自動車産業がハイテク産業と扱われておらず、政府の投資支援対策の対象になっていないことを考えると、非常に難しい状況にあると言える。
フィリピンは国内自動車産業の支援をする為に、付加価値税を還付する方法などを検討していることが報道されている。これまで自動車産業の育成に力を入れていなかったことで、自動車完成メーカがあっても部品会社が弱いといった生産体制が整っているとは言えない状況にあった。ここでもAFTA対策として作業が始まったところだと言える。
マレーシアは上記の国の中で、国民車を有することで異なっている。国内にあるプロトンとプロドゥアの二社はブミプトラ政策のもとで保護だれてきた。乗用車比率がASEANの中で高いこともこの影響による。AFTAに反対していたマレーシアが賛成に回った大きな要素は、関税撤廃する代わりに、国民車と同じクラスの自動車について、日本が官民挙げてマレーシアの自動車産業を支援(2015年まで)することを確約したからと言われる。
タイは自国内への販売よりも、輸出を重視した産業構造に既に移っている。インドネシアはタイほどの完成度はないことから、今後の成長が期待できる有力な市場であると言える。どちらの国もAFTAのプラス効果を最大にすることを考える立場にあるから、両国ともに自動車産業を重視した政策を実施していくものと思われる。

基礎的なタイの自動車産業について確認したので、実際のタイ国内の状況について考えながら、冒頭のニュースについて明日検討することとする。


イタリア代表の方がかっこいいと思うのは私だけだろうか。

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