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2013年5月29日 (水)

マクドナルドとモスフードサービス

日本マクドナルドとモスフードサービスについて考える。


モスバーガーを展開するモスフードサービス (8153) について考えてみる。モスバーガーはハンバーガー業界2位の会社である。業界の売上シェアは市場占有率2008によると、下記のようになる。

■ ハンバーガー業界市場占有率 (2006年)
日本マクドナルド     71.7%
モスフードサービス   15.9%
ロッテリア          6.2%
ファーストキッチン    1.8%
フレッシュネス       1.7%
その他           2.7%

日本マクドナルドが圧倒的に大きいが、二番目のモスバーガーは3番目のロッテリアの2倍以上ある。両社の業績を確認する。連結決算の推移を確認し、モスフードサービスについては、モスバーガーのセグメント業績を抜き出した。また、店舗数とフランチャイズ、直営を加えた。結果を下に示す。

■ モスフードサービス連結決算 (決算期:3月31日)
[百万円]    2013   2012   2011   2010   2009   2008
売上高    62,371  62,672  63,175  60,009  60,641  62,301
営業利益   1,889   2,087   3,223   2,282   1,747    752
経常利益   2,124   2,366   3,602   2,523   1,802   1,802

■ セグメント売上・利益:モスバーガー事業
[百万円]    2013   2012   2011   2010   2009    2008
売上高    57,873  58,551  59,355  55,756  55,841  57,330
営業利益   3,745   3,889   4,852   4,238   2,007   1,193
営業利益率   6.5%    6.6%    8.2%   7.6%    3.6%    2.1%
売上割合    91%    92%    92%    91%    90%    90%
直営       86     53     48     45     46     46
FC       1,309   1,324   1,315   1,297   1,121   1,163
総店舗数   1,395   1,377   1,363   1,342   1,323   1,373

■ 日本マクドナルド連結決算 (決算期:12月31日)
          2012    2011    2010    2009    2008   2007    2006
売上      294,710  302,339  323,799  362,312  406,373  395,061  355,696
営業利益    24,780   28,182  28,135   24,230   19,543   16,733   16,733
経常利益    23,770   27,612  27,161   23,252   18,239   15,616   5,708
営業利益率    8.4%    9.3%    8.7%     6.7%     4.8%     4.2%    4.7%
直営       1,105    1,269   1,337    1,705    2,166    2,674   2,832
FC        2,175    2,029   1,965    2,010    1,588    1,072     996
総店舗数    3,280    3,298   3,302    3,715    3,754    3,746   3,828

モスフードサービスはその九割の売上をモスバーガーであげている。その他に、「マザーリーフ」「ちりめん亭」「AEN」「chef'sV」「MOSDO」等の商標を使用した飲食事業を構成しているが、赤字が続いている。この状態を放置している訳ではないようだが、改善の兆しは決算からは見出せない。店舗数の少なさからすると、市場調査を兼ねたアンテナショップの役割もあるのだろうが、それにしては赤字額が大きい。2013年3月期でセグメント営業赤字額が 404百万円となっている。
ハンバーガーの話に戻す。呼称が長いので、マクドナルドはMac、モスバーガーはMOSと表記する。MacはMOSの5倍程度の大きな売り上げである。Macは以前は低かった利益率を近年向上させ、MOSより高い利益率に改善している。
店の構成としては、MOSがフランチャイズ店(FC)が多いのが特徴である。これは以前から変わらないMOSの方針であるようだ。一方、Macは直営店が過半数占めている状態であったが、2008年以降方針の変更があったようで、直営店が減ってFCが増加している。それより遡ればMacの直営店は八割を超えていたそうだから、直営店が全体の1/3というのは大きな変更である。直営店において、名ばかりの管理職で労務問題を指摘されていて、サービス残業の是正をして、人員配置も見直して、といろいろ作業をしていくのなら、居抜きでFS店として売ってしまうというのは有効な対策なのかもしれない。ハンバーガー店でFSを始める際の初期費用は 3,000万円くらいと言われているが、Macの既存店では店舗が相場より大きいだろうからもう少し高いだろうと思われる。ただし、償却分の割引は期待できるかもしれない。MacのFSが増えているのには、ひとりのオーナーが店舗数を5~10店舗を保有するメガフランチャイジー(エリアフランチャイジー)という形態があるようだ。Mac側からすれば、優良なオーナーに移行して引き続き売上の維持向上が期待できるし、店舗への指導の手間が省ける可能性もあるから有り難い話である。
FSのあり方については、以前コンビニエンスストアの話で書いたのと同じく、加盟店との利益配分の問題が生じる恐れがある。MacもMOSも売上が伸ばせない経済環境の中で、FSへの移行が魔法の呪文にならないのは明らかである。この話は、労働生産性と、労働者の賃金、労働者のモチベーションに関連する問題である。視点を変えれば、FSからの収益を増やすというのは、FSでの長労働時間の強制であり、配分を本部側に寄せる行為となる。デフレといのは、売上が増えない中で生産性を上げなければならない過程で、企業が無理をして、その結果、消費行動が減退するということである。適性なサービスの対価として、価格が高いことを受け入れる世の中になれば改善するのだろうが、事業の存続を考えると、価格を高くして労働者の賃金を増やすという選択肢は採用し難い。しかし、この国の人口が減る方向に向かっていることを考えるなら、国内向けのサービス産業ではこのような選択を採用する企業も出るのではないだろうか。


限定正社員の話と関連して考えようと思っていた。ハンバーガー店で働く人の多くは、アルバイトやパートタイマーである。この人達は異動はないし、待遇が大きく変わる昇給はほとんどないだろう。この人達の労働生産性を向上させることが店の業績を上げることになる。限定性の高い労働者のモチベーションをいかに高めるかを考えるのは、限定正社員の話より前に実務的な検討を法律とは無関係に実施できることである。
と、大風呂敷を広げたらまとまりがなくなったので、業績だけまとめて終わることにする。


配偶者控除(103万円)、配偶者特別控除(141万円)、健康保険や厚生年金の扶養家族(130円)、この金額を大きくすれば労働意欲の上がる人もでるのか。

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