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2013年5月31日 (金)

三菱自工:軽商用車の新規開発を中止

三菱自動車工業(7211)は軽トラックなど商用車の新規開発を中止する方針を決めた。生産台数が少なく、採算も取りにくいため生産も段階的に縮小。日産自動車と共同開発した軽乗用車や電気自動車などに経営資源を集中し、商用車はスズキから調達する方向で調整する。三菱自は再建に向けて優先株処理と復配を急いでいる。財務の健全化に加え、事業面で課題となっている国内の開発・生産体制の効率化を進める。 (5月30日:日本経済新聞)

軽自動車の商用車について考えてみる。


国内の新車販売で軽自動車が好調という記事で、この軽自動車は乗用軽自動車である。商用軽自動車というのは、黄色のナンバープレートの小さな数字が4または6で始まるものである。事業用は黄色でなくて黒地に黄色になっている。8で始まるものも一部あるが、細かい話になってきたので省略する。要するに、トラックとバンと呼称される軽自動車のことである。
軽商用車のメーカは8社あるが、OEMがあって実際に生産しているメーカは4社である。会社の供給関係を下に示す。

  供給元        OEM先
  スズキ   →    マツダ
  三菱自工 →    日産
  ダイハツ  →    富士重工、トヨタ
  ホンダ

日産は乗用軽でスズキからOEMを受けているが、マツダは1998年、富士重工は2012年に自社生産を止めている。日産、トヨタは軽自動車の生産実績はない。各社の2012年の商用軽自動車の新車販売台数を下に示す。出所は全国軽自動車協会連合会調べによる。

■ 2012年軽自動車(貨物)新車販売台数
        ライトバン  トラック     計  (シェア)
スズキ    83,110     59,788   142,898 (34%)
マツダ      7,443      3,492    10,935 ( 3%)
三菱自工  19,052     13,076    32,128 ( 8%)
日産     21,195      8,396     29,591 ( 7%)
ダイハツ   65,210     60,680   125,890 (30%)
富士重工  12,584     24,072    36,656 ( 9%)
トヨタ      6,418      4,557    10,975 ( 3%)
本田技研  11,558      21,094     32,652 ( 8%)
貨物車計  226,570    195,155   421,725

これを供給元に振り分けると以下のようになる。

■ 2012年軽自動車(貨物)新車製造元
        ライトバン  トラック    計  (シェア)
スズキ    90,553     63,280   153,833 (36%)
三菱自工   40,247    21,472    61,719 (15%)
ダイハツ   84,212    89,309   173,521 (41%)
ホンダ    11,558    21,094    32,652 ( 8%)
貨物車計  226,570   195,155   421,725

ダイハツ、スズキに比べて半分以下の三菱自工は開発負担は大きいだろう。商用軽自動車は乗用車に比べて新車開発サイクルが長いものの、毎年型式が変わり、後部座席へのシートベルト装着義務など安全に関する法規対応が必要となるという。販売台数が少ないと大変なのだろう。
2012年の富士重工の撤退は、赤帽がサンバーを供給されなくなって困ることが生じたが、現在は他から供給を受けているようだ。赤帽サンバーはテスタロッサと呼ばれる専用仕様のものだし、そもそもサンバーは農道ポルシェとも呼ばれていた。しかし、ダイハツになって赤帽が困っているとは聞かないから問題が表面化するのはもう少し時間が経ってからかもしれない。
三菱自工は、運送会社など特定の大口顧客が多いことから、当面は生産を維持するとしているが、顧客の側で三菱に頼む理由が無くなるから、大口であればあるほどスズキやダイハツに頼む理由が生まれる。部品供給の不安など業務で使っている者にとって考えたくないだろう。財閥系の企業では三菱マークが付いていないといけない理由もあるから、すべてが同じ方向に動く訳ではない。三菱自工も日産もスズキからのOEM供給に切り替えることになる。このは両社は合同で軽自動車製造会社を立ち上げたりして、従来スズキからのOEM供給を受けていた日産(モコなど)が、再びスズキに供給を求めることになる。スズキからすれば面白くないところもあるだろうが、鈴木修はそんなことは気にせずに受注せよと命ずるのだろう。実際に三菱・日産分がスズキに移ったとして生産数は2012年をベースにすると下記のようになる。

■ 2012年を基準に計算した軽自動車(貨物)新車製造元
        ライトバン  トラック    計 (シェア)
スズキ    130,800    84,752   215,552 (51%)
ダイハツ   84,212    89,309   173,521 (41%)
ホンダ     11,558    21,094    32,652 ( 8%)
貨物車計  226,570   195,155   421,725

スズキはこの市場の半分を持つことになる。全体で年40万台の市場であるから多くは期待できないが工場の安定稼働には有効だろう。ダイハツも相当数期待できるが、ホンダは3万台レベルとこの市場を継続するには難しい。アクティのライトバンの方はNシリーズとの共通化も考えられるだろうが、トラックの方は難しい。バモスもあったりとホンダの軽自動車は複雑で、少量生産に対応できる仕組みがあるのかもしれないが、法規制が変化するようでは負担は小さくないだろう。


昨日は過去のブログを整理し、アメブロにカテゴリー分けした。建設的な理由ではなく、同じことを書かないようにする為だが、ずいぶん時間を要した。

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