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2013年5月21日 (火)

「トクホウ」と「特保」紛らわしい

日本コカ・コーラが4月に発売した炭酸飲料「カナダドライジンジャーエールFIBER8000」のテレビコマーシャルが特定保健用食品(特保)と誤解を与える恐れがあるとして、消費者庁が同社に改善を指導していたことが5月15日、分かった。 (MSN産経ニュース)


特定保健用食品(トクホ)だからと買うことがないというか、付いている物は買わない傾向があるのに、トクホについて考えるのもどうかと思う。しかし、自分の専門や興味の外のことを考えるのがこのブログなので、トクホについて考える。

カナダドライジンジャーエールFIBER8000を知らない。四月下旬から三週間の限定商品であったようで、店頭で見るのは難しい。これから探すとなるともっと難しいだろう。今回問題になったのは、宣伝に用いた「トクホウ(特報)」のコピーが、特定保健用食品を意味する「トクホ」に間違えることが起こることである。
コカ・コーラはトクホコーラに類する商品の販売予定はないよう。トクホに乗っかって商売するようにも思えないから、トクホをからかうような、ある種のパロディーであるようにも見える。しかし、食品の商売をしている大企業が、消費者庁が管理している特定保健用食品を笑うのは天に唾する行為にも思える。この国の統治機構が非常に成熟して役所の意向など気を使わないようになったのなら結構な話とも思えるが、そうであるなら特定保健用食品などというヌエのような名称が重視されることもないだろう。

人が口にする物は、食品と薬に区分される。そして、食品のほとんどは身体に良いものであるか、必要なものである。これに対して、薬は特定の疾病に改善を促す効果が科学的に確かめられている物であり、効果がある一方で副作用を伴うのが普通である。
食品はバランス良く摂取しないと身体の状態を悪くする。バランス良くが難しく、日本のように豊かな国では美味しいものを選んで食べることで、栄養の偏りが生じてしまうことが発生する。この偏りを是正したり、摂取し難い栄養素を補助する食品を健康食品として表示することを許した。だから、特定保健用食品は薬ではなく、食品に過ぎないが、食品として区別された群になっている。

清涼飲料水には暗黙のルールというか、イメージがあるようで、通常の商品は会社の色が任意に選択されているが、カロリーオフ (またはゼロ) の商品では黒色をラベルに使い、トクホ商品では黒に加えて金色を入れることになっている。トクホ飲料としてすでに販売されている、サントリー「ペプシスペシャル」や、キリンビバレッジ「メッツコーラ」もこの規則に従っている。今回のカナダドライジンジャーエールFIBER8000が黒金のラベルを採用するのは違反ではないが、トクホ飲料を意識しているのは間違いないだろう。トクホ飲料と同じ方向を見ている商品であるのだから。
ラベルの色といえば、オレンジジュースならオレンジ、アップルなら赤といった約束事がある。ジンジャーエールの色は緑が多い。ジンジャーエールの緑ではなく、黒金のラベルを採用すればトクホ飲料だと消費者が認識する可能性は高く、それを期待しているのだろう。
一部報道で日本コカ・コーラが消費者庁に事前に今回の商品について相談して、確認を取っているというものがあった。役所が事前相談でOKを出すことはないと思って良い。彼らは責任を取らないから、法律や法令、過去の事例やらで問題が明らかな場合には問題を指摘するだろうが、問題が無い場合であっても無いとは言い切らない筈である。もし確認したとしたら、トクホウという宣伝文句に問題が無いかまでで、役所は問題があるとは言い切れない程度の回答はしたかもしれないが、それ以上の回答をした可能性はないだろう。もししたのなら、その担当者は処分対象になってしまう。自分の役所の範囲を超えた判断をしたとされるからである。具体的には商標に関する内容は、特許庁が扱うもので消費者庁ではないから判断はつかない。こんな話がごろごろあるのが縦割り行政の特徴である。どうも事前確認したというのは誤報であったようだ。
今回のCMについて、消費者庁は行政指導したとされる。トクホウとCMで使っても違法行為とは言えないが、消費者に混乱を起こすから使わないでねとお願いしたということである。お願いといっても、役所のお願いだから微妙に強制力がある。この微妙加減は国内の慣習によっているから、コカ・コーラにような外資系企業からしたら市場での活動を制限する非関税障壁だと主張しても良いようなものではある。従ったところからすると、いったいこの商品を何の為に販売したのだろう。トクホ飲料の予定はないとしているようだが、売れれば参入するものである。参入しようとしたときに、今回の事例がプラスに働くことはない。トクホ飲料潰しを派手にすれば、炭酸飲料を中心とした飲み物は健康に悪いと宣伝することにつながりかねない。行動を起した意図があるなら、撤収するときの意図も同じライン上になければならないだろう。失敗なら撤退でこれは恥じることはない。しかし、進む道と退く道が違うのは指揮系統の混乱であり、組織の統制が乱れていることになる。これは認めたくはないだろう。

トクホやサプリメントと称されるものを食することを好む人がいる。薬ではないことになっているから、それほどの副作用があるとは思えない。しかし、高濃度の凝縮された成分を摂取するのは臓器に負担が生じる可能性を考慮しなければならない。逆に、臓器に負担が生じない、つまり吸収されないのなら何の効果も無いから飲まないのに等しいことになる。薬にしてもそうだが、無邪気に効能を喜び過ぎている。深刻な副作用があることを認識しておいた方が良い。素人が医薬品やそれに近い食品を取るのは、もう少し慎重であってよいだろう。病気から健康に回復するのは、自分自身の回復力によるもので、薬はその手助けをするだけと思っていれば良い。そう考えれば、サプリメントを気楽に食べるのは躊躇われるだろう。どうしたらよいかは専門家の意見を聞けば良い。専門家はその為に居るのである。
トクホの認証を得るのに、5,000万円から2億円の費用を要するという。あのラベルを得るのにこの金額と時間を掛けるのなら、類似した成分で一般食品として売るのも手である。それだと秩序が壊れるが、同じ物が安いなら消費者は嬉しい。それだけで健康になる訳ではないものを健康を全面に出して売る商売があざといのだが、バランス良い食生活では商売にならないのは同情する。


今回で200回になった。よくだらだらと続けるものだと感心している。これを機会に、目的は見直そうかな。

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