« ガソリンスタンドについて-2 | トップページ | キユーピー:イスラム国ではシンボルマーク変更 »

2013年5月17日 (金)

コバルト国際価格上昇

コバルトの国際価格が上昇し、1ポンド12.30~13.50ドル前後と四月の直近の安値に比べ13%高い。主産地のコンゴ民主共和国が鉱石の輸出を制限するとの観測を切っ掛けにして、需要家が高値で購入している。

コバルトについて考える。

コンゴ民主共和国(DRコンゴ)がコバルト鉱石の輸出を制限する可能性があるとの四月中旬の報道がきっかけとなり価格が上昇した。USGSの資料から、コバルトの世界の生産量の推移をまとめた。また、主要生産国のコバルト生産量も同じ資料から抜粋した。結果を下に示す。

■ コバルト生産量 [単位:トン]
  年   生産量       年   生産量
 1994  18,500      2003   48,400
 1995  22,100      2004   52,400
 1996  27,000      2005   57,900
 1997  27,000      2006   67,500
 1998  26,300      2007   65,500
 1999  29,900      2008   75,900
 2000  33,300      2009   72,300
 2001  36,700      2010   89,500
 2002  47,600      2011  109,000


■ コバルトの主要生産国の生産量 [単位:トン]
        2011    2010    2009   2008    2007    2006    2005    2000    1995
コンゴ   60,000   47,400  35,500  31,000   25,300   28,000  22,000   7,000   1,650
カナダ   7,100   4,600   4,100   8,600   8,300   7,000   5,500   5,300   5,270
中国    6,800   6,500   6,000   6,000   2,000   2,300   1,300    
ロシア   6,300   6,200   6,100   6,200   6,300   5,100   5,000   3,600   3,500
ザンビア  5,400   5,700   5,000   6,900   7,600   8,000   9,300   4,600   5,000
キューバ  4,000   3,600   3,500   3,200   3,800   3,800   3,600   2,400   1,560
豪州    3,900   3,850   4,600   6,100   5,900   7,400   6,000   5,600   2,500

コンゴ民主共和国は1997年までの国名はザイール共和国であった。ややこしいのは、西にコンゴ共和国がある。1960年にベルギーから独立したときの国名はコンゴ共和国であった。この二つの国にアンゴラ共和国の北部はコンゴ王国としてひとつの国であった。19世紀のベルリン会議でベルギー領(コンゴ民主共和国)とフランス領(コンゴ共和国)とポルトガル領に分けられた歴史がある。
コバルト鉱石は銅鉱山で銅の副産物として採れる。DRコンゴでは鉱石を中国の製錬工場などに輸出していたが、製錬など川下工程を自国に取り込みたいとする意向があるものと思われる。世界的需要を引張る要素としては、リチウムイオン電池の部材に用いられるもので、モバイル用途のある製品が増えれば需要が増加する。
コバルトの価格は、2008年1月に50ドルまでいった価格は、2010年1月に22ドル、コバルトが生産過剰気味にあったことから以降下がり基調で推移してきた。実際、2012年6月には1ポンド13.65ドルと5月下旬に比べ13%安くなったという報道があった。増産によって市場が緩んだものがここで少し戻したという様子である。ここ数年増産が続いて、市場の伸びより増産が大きくなり供給過剰状態が続いたが、欧州や北米の経済が安定してきたことで需給バランスが整ってきたと見られる。

DRコンゴは金属資源と木材の輸出が経済の柱になっている。この他に、工業用ダイヤモンドと石油がある。金属ではコバルトの他に、銅、錫が多い。DRコンゴの銅の生産量は520千トン(16,100)、錫は2,900トン(244,000)である。カッコ内に示したのが2011年の世界生産量である。世界に占める割合は、銅が3%、錫が1%強となる。過去に銅価格の低迷によって、経済発展が停滞し、対外債務が拡大した経験がある。
アフリカにある貧国であり、国内の武装勢力も活発化している状態である。資源、特に競争優位であるコバルトの精錬を国内に取り込み、国を豊かにしたいとするのは自然な考えに思える。なお、DRコンゴのGDPは、156億ドル(2011年)であり、主要援助国としては、(1)ベルギー(648.80)、(2)オランダ(422.16)、(3)スペイン(306.20)、(4)米国(277.85)、(5)英国(250.78) [単位:百万ドル]である。


強磁性体の産出する国は治安が悪いと考えていたが、勝手なイメージに過ぎなかった。

« ガソリンスタンドについて-2 | トップページ | キユーピー:イスラム国ではシンボルマーク変更 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ガソリンスタンドについて-2 | トップページ | キユーピー:イスラム国ではシンボルマーク変更 »

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ