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2013年5月11日 (土)

自動販売機-3 (酒)

まだ自販機の話が続く。

酒類の売上が、自販機でもコンビニでも減少しているので、酒が減っているのか、あるいは別のどこかに行っているのかを調べることになったのが前回の終わりの部分である。そこで、酒類の国内消費量の推移を調べた。国税庁統計年報書に依る。量の少ないは物省いている。

■ 酒類販売(消費)数量の推移 [単位:キロリットル]
     清酒   焼酎  ウイ  Wine  ビール  発泡酒 リキュール その他   計
         甲  乙  スキー                       醸造酒等
1970 1,532 151   51 132    6   2,910     0    15      1     4,901
1980 1,504 146   92 360    44   4,383      0    17      2     6,660
1990 1,373 307 218 209  118   6,463     0   122      8     9,035
1992 1,369 313 231 184  110   6,861     3   134      9     9,427
1994 1,257 358 249 165  123   7,057     17   193     12     9,644
1996 1,213 403 286 139  159   6,697   289   236      17     9,657
1998 1,052 393 296 138  298   5,857   926   262      19     9,456
2000  977 411 324 124  266   5,185  1,574   381      16     9,520
2002  888 468 364 106  259   4,132  2,465   541      15     9,455
2004  746 497 486   88  226   3,617  2,213   692    232     9,042
2006  688 480 520   80  229   3,305  1,516   745   1,032     8,856
2008  632 457 516   75  227   2,986  1,307  1,161    838     8,519
2010  589 443 480   94  262   2,764   948  1,754    808     8,515

清酒は1970年からずっと減少している。焼酎は2000年以降は横ばいである。ウイスキーは1980年以降減少していたが、ここで少し回復した。ワインは1990年以降伸びたが、伸びを失った感がある。安定したと解釈するのが妥当だろうか。ビール関係は複雑なので後でするとして、消費全体としては1990年代の後半から連続して減少している。家飲みが増えて、外飲みが減少する傾向があるとの報告があるが、所謂若者の酒離れが消費を下げる要素になっているのだろう。酒を飲む習慣がなければ、年齢を重ねて習慣ができるとも思えないので、酒の消費は今後増えず、人口の減少傾向が顕著になれば加速することになりそうである。アルコールと薬物で多くの人が死んで、平均寿命が短い国になるより良いという考えもあるが、精神疾患や自殺が社会問題になっているのなら、依存症にならない程度までならアルコールに走ってもらった方が良いという考えも成り立つ。酒消費と自殺の関係があるかどうかはまったく不明であるので、こんなことを信じてはならない。しかし、酒を飲んで陽気に行きましょう、というのは他人の迷惑を最小限にすれば良いことなのかもしれない。
さて、問題のビールである。ビールの他に、ビールに似たアルコール飲料として、発泡酒が1994年以降出荷量を増やしてきたが、税制変更の影響があり人気を落とし、その座を第三のビールに奪われた。第三のビールというのは総称で、上記の分類ではリキュール類に入るものと、その他醸造酒に分けれれるものがある。リキュールに分類されるものは、 発泡酒に別のアルコール飲料(大麦、小麦等を問わない麦由来のスピリッツや焼酎)を混ぜたものであり、その他の醸造酒は、 原料を麦芽以外のものである。リキュールに分類されるものが伸びているのが見てとれる。ビールと発表酒、第三のビールの合計量を算出すると、2000年に7,156であったものが2010年には6,274にまで減少している。
缶ビールが酒類自販機の主力商品であることを考えると、自販機の酒類売上が減少するのは市場動向からすると必然であるようだ。コンビニでは、プライベートブランド(PB)の強化を計っている。セブンイレブンではビールにおいても、セブンプレミアム 100%MALTという商品を出している。これはサッポロの製造である。PBの中で、市場に受け入れられて優位になっているものと、そうでないものとに二極化している可能性がある。そんな見方で日を改めて検討してみようと思う。一般論として、コンビニがいくら顧客に接触しているといっても、コンビニ利用者に限定される。酒類のような商品開発に、コンビニの有する情報が優位に導く材料になるかに疑問がある。むしろ、パンのような商品において、POSシステムの情報と販売店オーナーの意見を集約して競争力のある商品を出せる可能性があると思う。しかし、パンであっても現在ある組み合わせとして最適解を提示するに過ぎず、新たな提案ができるのはパンを製造している会社であるのだろうと思う。最近、セブンイレブンが調理パンの製造委託先である武蔵野フーズの見学を実施したりするのは、売る側だけでなく作る側の協力が必要と感じているからなのかと想像するが、本当のところはどうなのだろうか。

自販機に戻る。1990年の自販機の国内販売台数は66万台、売上は3,070億円であった。これが2000年には51万台、2,160億円になり、2010年には31万台、1,100億円にまで下がった。年齢確認の追加があったり、電子マネーの対応で市場が刺激されたといっても効果は限定的である。先の震災後、自販機の多さが電力消費を大きくして問題だとする意見も多くあった。自販機メーカは表示ライトを消したり、温度設定の最適技術により消費電力を減らす技術を展開しているが、自販機で扱う商品販売数が伸びていない市場環境では、機械の置き換えを行うのは難しい。
自販機が街中に並んでいるのは、治安の良さによるものである。よって、優れた技術があっても、海外への輸出は非常に限定される。自販機メーカは、存在そのものがこの国固有の事情に依存していると言えなくはないから、国際化の流れが必定とすれば絶滅危惧種と言えなくもない。ただし、電子マネー主体の装置であれば治安要素は少し変わるかもしれないから、輸出の道はあるのかもしれない。それでも、30万円の装置と人件費を比較するのは変わらないから、導入できるのは先進国が主体になるのだろう。


自販機の話がほうぼう逸れたが、最後は平凡なのはいつものことである。

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