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2013年4月16日 (火)

CCCが運営受託した佐賀県武雄市の新図書館オープン

レンタルソフト店TSUTAYAの運営会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に運営を委託した佐賀県武雄市図書館の入館者が1日のオープンから1週間で3万人を突破した。想定を上回る勢いに、樋渡啓祐市長は「1日に3,4回訪れるリピーターも多く、驚いている」と話し、50万人としていた年間入館者予測を見直す考えを示した。大幅に改装された武雄市図書館は、東京の代官山蔦屋書店をイメージ。書店とカフェも同居する飲食自由の空間で、年中無休なのが特徴。初日の5,517人を皮切りに、連日3,000人超が来館した。7日には最も多い5,838人が訪れ、累計3万2,489人を記録した。7日までに8,604人が本を借りるための図書カードを作成、うち95・4%が自動貸出機で本を借りると3ポイント(3円分)もらえるCCCのTカードを選んだ。 =2013/04/08 西日本新聞=

武雄市を知らないが、図書館なら分かる。ということで図書館について考える。

昨年、図書館の運営を外部委託することを聞いたときに、単純にまるごと委託する程度の話だと思っていた。そのとき記事を読むと、Tカードで本が借りられるということで、これは問題になるだろうと思った。その後、いろいろな記事があったが、箱物を作ることや、市長の発言といったことは、どこにでもある地方行政の問題なので議論しない。図書館の運営に限定して進める。
地方行政は資金が乏しいので図書館の運営が困難な状況が発生しているのは予想が付く。図書館の運営には地方に限らず、東京にある市営図書館でも予算がなく書籍購入に制限があると言う話も良く聞く。図書館に求められる書籍が人気のある作家の新刊に集中し、予約も当然集中うしてすぐには借りれないことから、図書館側の配慮で同じ書籍を複数買うことがあるそうだ。それが長く借りられ続ければ良いのだが、複数冊必要なほどの人気は長く続かない。多様な書籍の購入をしたいというのが図書館司書の希望のようだ。公立図書館の司書の不満は、管理者に役所の図書館運営に関心の薄い、そして多くは定年間際の人が来ることにある。最近の公立図書館の管理者は、外部に委託していている場合が多くなっているようで、新聞の求人欄に図書館長といった仕事が載っていることがある。このポストならもう少し高いのではと思うような金額だったから、役所の窓際職員では運営上負担が大きいのだろうと思った。図書の整理をしている人はアルバイトが多いから、図書館の経費削減はなかなか涙ぐましいものがある。
そんな状況であることを考えると、地方都市の図書館の運営を外部委託するのは必然だと思う。本屋でもある蔦谷を、図書館と合体させて商売したいというのは、商売のセンスとしてはどうかと思うが、そういうやり方もあるのだろうと感じる。しかし、これは受け入れ難いと思ったのはTカードで本を借りられるということである。図書館ではどこでも必ずといってよいほど掲示してある、図書館の自由に関する宣言というのがある。この内、第3の1から3を下に抜粋する。

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図書館の自由に関する宣言  1954年 採択 、 1979年 改訂

第3 図書館は利用者の秘密を守る
1. 読者が何を読むかはその人のプライバシーに属することであり、図書館は、利用者の読書事実を外部に漏らさない。
  ただし、憲法第35条にもとづく令状を確認した場合は例外とする。
2. 図書館は、読書記録以外の図書館の利用事実に関しても、利用者のプライバシーを侵さない。
3. 利用者の読書事実、利用事実は、図書館が業務上知り得た秘密であって、図書館活動に従事するすべての人びとは、
  この秘密を守らなければならない。
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市立の図書館の貸出利用は、市内在住者等に限定されているだろう。ここでは市民とする。それを、民間企業の作ったTカードというのはICカードで代用するとしたら、Tカードと住民は正しく接続されなければならない。つまり、他人のTカードで借りては駄目だということである。これは法律の話ではなく、図書館の管理運営に関することだ。もし誰にでも本を貸して、本が紛失したら補填は税金で賄うよりないから市民は不満を言うだろう。図書館内の利用に入場管理を行うのなら問題はない。しかし、貸出に使うとなると、どんな本を読んだかが図書館の外部に漏れることを認めたことになる。それよって上記の宣言に違反する。違反したからといって罰則はないが、崇高な精神として謳ったものに逆らうことは、天に唾する行為である。正しく表現するなら、図書館が図書館であることを放棄することになる。罰則が無いから大丈夫というのは子供の論理で、罰則があるからこそ許されない行為があるというのが大人の世界なのである。
蔦谷はこれだけ話題になれば十分な宣伝効果があったことだろう。5年間の契約があるようだが、ひどい赤字になれば途中で止めることだろう。契約には違約金の支払いが明示されているだろうから、書いてある通りの金額を支払い、誠実に対応するなら問題が無いというのが民事の世界のルールである。反則金規定がされていることは破り易いことになる。商売でやっているのだから当然のことである。

ふと思い出して過去の記事を検索した。2012年11月の記事で、ドラッグストアでTカードを用いて、利用者の医薬品購入データを収集して、販売促進のために利用していたことが明らかになり問題になっていた。こっちは刑法犯になる可能性があり、ドラッグストアが患者の医薬品情報をCCC(Tカードの運営会社)に提供する行為は、医薬品情報を扱う「薬剤師」や「医薬品販売業者」が業務上知った秘密(患者の医薬品情報等)を漏らしたとして、刑法(134条:秘密漏示罪)に抵触する。Tカードの契約約款に書いてあるから了解済みだとしているようだが、こちらは刑事だから了解したでは済まない話となる。個人情報が分からないように統計的に処理しているというのが外部向けの説明であったが、それなら店の売上管理のPOSシステムの範囲からそれほど出ない。もっと付加価値を付けた情報にしたいと思うのは人情である。みんな (同業者としようか) が人情を理解する中で、それでも収集はするが使いはしないというのはなかなか難しい。ここに高い透明性を達成できるのなら、その仕事が社会的に評価されるものであるだろう。まわりくどい。出来なかろう。
その後の状況は知らないが同じ会社であったという話である。

三年くらいで撤退するのではないかと思ってしまう。批判が厳しければ五年の満了で止めれば良いだろう。金で動くのだから、金が集まる仕組みから外れれば止める。それでなければ株主が怒る。これが今日のルールである。市も利用者も楽観的過ぎると思うが、儲かるようにできているのだろうか。地方都市で成功したなら、都市部でも増えることだろう。地代の高い場所では別の問題も発生するかもしれない。図書館の状況をもう少し紹介する記事を書けば、図書館の人にその新聞社は支持されることだろう。なんてったて、沢山の新聞を取って比較できる場所なのだから。


沢山の数字を続けて扱うのは無理がある。本日は人情話。

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