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2013年4月 8日 (月)

東京市場:円急落、99円台=3年11カ月ぶり

4月8日の東京外国為替市場は円売り・ドル買いが優勢の展開となり、円相場は1ドル=99円台に急落した。99円台は2009年5月8日以来、約3年11カ月ぶり。

デフレ脱却を旗印にして就任した黒田東彦新総裁の金融緩和策が市場に影響しているようである。日本銀行と政策について考える。

総裁の掲げた政策が円安方向に向かうのは周知のことである。黒田の主張する政策が正しいかどうかは分からないが、そう言って席に就いたからにはその通りの仕事をしないと、市場は激しくがっかりするから、この段階での修正は禁止事項となる。実際の作業に入っても同様で、がっかりさせないには相応な政策を発表し、実行しなければならない。政策を発表する際も、黒田ならこの程度だろうと市場関係者が見込む水準より高いものを発表することで市場を過熱させ、更に実行すると市場が予想しなかったレベルに相場を動かす。この宣伝効果で多くの資金が動くから、目指す方向に誘導できるというのがシナリオなのだろう。金融政策などさっぱり理解できないのだが、博徒の行動原理というか元締めの原則に従えばこうなる。日本の中央銀行総裁を胴元にしてしまうのは失礼極まりないが、金融政策とやらは世間の耳目を集めないことには成果が出ない仕組みのようだからそう違いはない。黒田と胴元の違いは、後者は金が動けば寺銭があがる仕組みであるから、頃合を見計らって閉めれば良いのだが、前者は引き時が決まらないのが難点である。
中途半端で止められない事情があるから全力で走る。市場がそこまで行くまいと思っているところへ踏み込むと効果が大きいから、市場と日銀のチキンレース化することになる。しかし、市場は一枚岩ではないから (日銀とて同じであるが、決まれば従う組織のルールはある) このチキンレースで儲けようとする者もあるだろう。どこかで日本国債や円の暴落を噂して市場の一部が動けば雪崩が起きる。儲けは際にしか存在しないから、儲けたい者は準備をしたうえで噂を流す。今回の件なら、官制相場で手仕舞いが始まるとでも囁けば欲の皮は突っ張らかっていて、それ以上に神経が張っている出資家は逃げる。逃げ足が早い者だけが利益にありつくのが相場の世界である。

欧州も米国も駄目なら日本に資金を持っていくのは合理性がある。為替が円高に動く理由は部分として理解できる。しかし、日本は東日本大震災の被害、加えて福島第一の放射性物質による汚染処理も済んでいない国である。経済状況からすれば日本から資金を引き上げるのが当然のように思える。短期的な動きとして、阪神淡路大震災 (1995年1月17日) 直後の動きがある。震災前の1994年12月の水準は1ドル100円水準で推移していたが、4月19日に79円まで上昇している。9月になって元の水準に戻り、1996年は103円が年末に115円に緩やかに値下がりする為替相場になった。東日本大震災発生前の水準が1ドル82円であったものが、10月末には75円台にまで上がった。2012年の3月に震災前の水準に戻したが、その後円高に動いた。震災による投機的な動きが沈むには3四半期程度は要するということのようである。
政権交代によって円安・株高になっているような話は正確さを欠くようである。資金は一時欧州や北米から離れたが、もう戻る時期になっていたというのが本当のところだろう。まあ、新政権の影響で良くなったと言っておけば、気分が高揚して景気も良くなるかもしれないからこれに水を差すのも野暮というものだろう。

円安が進んでいるのは、対ドルだけではなく、主要16通貨に対して全面安の状態である。ロンドンの午前10時(日本時間午後5時)には99円にまで行ったようだ。市場は100円突破は時間の問題で、110~115円までいくと見ているようである。100円になれば中央銀行が為替を誘導して自国の利益を拡大していると批難されそうであるが、ぽつぽつ出てきてい入るようだが騒ぎには至っていないようだ。企業が円安で海外での製品価格の引き下げによって市場を支配しようとする動きがあれば非難が出るだろうが、円安のメリットを享受して価格変更はしていないのだろう。それだけ輸出企業は疲弊しているということである。しかるに、黒田は1ドルを幾らにしたいのだろうか。リーマンショック前の水準が107円であるが、これを適性と見るのだろうか。まさか、ITバブル崩壊後の2001年の120円を妥当としている訳ではあるまい。黒だがこれを口にすれば思惑で市場が動くから、決して発言することはないだろう。
自国通貨を高くなる方向に持っているのが正しい政策だと考えている。しかし、急激な変化は商取引にもろもろの支障を来すから急激な変化は避けなければならない。震災後の円高は急激であり、円安を指向するのは間違っている。実際に弊害は出ていて、ガソリンや小麦の価格は上がっている。経団連の会長が円安を有り難がるのは理解する。出身企業は売上の輸出依存は半数を超えている。そうはいっても彼が元気なうちにも日本でも生活に悪影響が出るだろうが、この国からどこかの国に生活を移すかもしれない。それならお気楽に円安を楽しめないのではあるが。
プラザ合意 (1985年9月22日) の後、その前の1ドル240円レベルは1988年には120円になった。ドル安、マルク安のよる資産価値の減少に歯止めを掛ける為に、1987年2月2日にルーブル合意をG7で決めても、十分な協調には至らなかったから効果が出なかった。思惑が絡めば協調などできないものである。まして単独で動けば効果が乏しく、利益が違えば行動は別の方向を向く。つまり、日本銀行の政策ですべてが語れるほど簡単なものではない。

日本銀行は株式を発行しているから株式会社だと思っていた。市中にある株式をTOBしたら総裁を解任できるかと調べてみたら、株主でも役員の選任はできない規則になっている。総裁、副総裁、審議委員の任期は5年で、解任されることはない。株主に対する責任もなく、財務大臣から罷免されることもない。不利益を被るのがこの国の国民であって、総裁自身が負うものはない。自説の検証に国を質草にするのは見上げた根性であるが、何のリスクも背負わないのはバランスが悪い。一方的に不利になる側が白紙委任したとすれば、有利な条件の側が負うべきものは誇りとなる。黒田が歴史に名前を刻むか、歴史の十字架に晒されるかは未来の歴史家に委ねるよりない。しかし、歴史の十字架に名を晒すことに不名誉を感じないのなら、黒田は大きな実験を自由に行えることになる。どんな仕事でもしがらみが多いと動きが悪くなる。自由であるのは成果を期待させる。


小さな博打は所帯博打と馬鹿にされる。しかし、身代を傾けては堅気としては最低となる。

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