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2013年3月21日 (木)

電気自動車の現状

電気自動車 (EV) の販売台数について考えてみる。

EVの国内登録台数を示す。対象は、i-Miev(三菱自:2009)、リーフ(日産:2010)、フィットEV(ホンダ:2012)、eQ(トヨタ:2012)である。eQは数量限定車である。他に少数販売しているモデルがあるが数量が確認できなかったので略した。

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 年     EV
2012年  13,455
2011年  12,600
2010年    2,359
2009年     844
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台数は緩やかではあるが伸びているように見える。しかし、最近の論調としてEVは駄目というよく目にする。2010年頃は、ハイブリッドもEVもやっていない会社は十年後の未来はないような意見があったが、三年過ぎた現在どちらもやっていないマツダの業績が注目されるのだから、世の中の評価というのは当てにならないものである。経営者は世間の評判より自社に抱える社員の意見を重視すれば良かろうにと思うが、隣の芝は青いと決まっている。
EVの伸びが期待したほどでない(カルロス・ゴーン限定の言葉でもないだろう)理由を、充電設備の不足、航続可能距離の短さ、車両価格といった要素に求めているようである。充電設備は随分と増えたと思うので大きな問題ではないと思うし、航続距離の短さは用途によるのだろうから、選択しない人は興味を持たないから致命的でもないように思える。つまり、買いたい人なら買うだろうが、売れていないから適当な理由を求めているに過ぎないと聞こえる。結論は買いたい人がいないということになる。それでは、ハイブリッドカーの販売開始当初どんな具合だったかを確認してみた。1997年にトヨタのプリウスが最初で、その後モデルチェンジをして今日に至る。トヨタの同じシステムを利用している車種も増えてきている。各年のプリウス、プリウスα、アクア、SAIとCT200hの国内販売台数推移を下に示す。

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  年    プリウス プリウスα  アクア  SAI_CT200h
2012年  187,827  129,848   266,567   19,868
2011年  197,407    55,121      361   33,459
2010年  315,669                  33,455
2009年  208,876                   3,817
2008年   73,110
2007年   58,315
2006年   48,568
2005年   43,670
2004年   59,761
2003年   17,040
2002年   6,698
2001年   11,003
2000年   12,500
1999年   15,200
1998年   17,700
1997年    300
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プリウスは2003年9月に最初のモデルチェンジをしている。それまでの第1世代 (2000年5月以降の1.5世代も含めて) は、思ったより売れたが、ビックリするほどではない台数であろう。プリウスがビジネスで成功したのは第2世代の2003年以降と考えて良い。ハイブリッドも成功するまで5年を要している。EVは2009年からの販売開始で、ハイブリッドより別のインフラを求めることを考慮すれば、出だしは悪くないという見方も成立する。
車両価格について考える。トヨタとレクサスで販売しているハイブリッドカーの車両価格と燃費を示す。価格.comの新車価格を参考にした。

車種名       価格[万円]  燃費[km/L]
アクア         169~185      35.4
プリウス     217~334    32.6
プリウスα    235~320    26.2
プリウスPHV  305~420    31.6
カムリ        304~382    23.4
SAI         338~437    21.0
エスティマ    379~513    18.0
クラウン      410~536    23.2
アルファード   395~595      17.0
ヴェルファイア  395~595    16.2
CT          356~433    30.4
RX         559~674    17.4
HS         410~552    20.6
GS         700~800    18.2
LS         1050~1550    11.6

現在、最も売れているのはアクアであり、次いでプリウス、プリウスαと続く。価格の安い方の3台が売れている構図になっている。自動車購入は非常に大きな金額 (非日常的と言って良い) を支払う買い物であるので、慎重に選ぶのは当然である。燃費の良さである程度の価格の高さは回収しようという思惑もあるだろう。実際には、自動車の価格はほとんどのモデルで重量で決定すると考えて良い。重いクルマは高く、軽いクルマは安い。重いクルマは多くの材料を使い、強度を高めたり、耐久性の高い材料を使用したりと費用が増える。結果として価格が高くなる必然性がある。もちろん、軽量化の達成の為に新素材を用いて高くなるケースもある。高価格帯のクルマではあるが、大量販売されるクルマではないから例外としてよいだろう。ハイブリッドのように新規技術の導入がコストを高めるケースはままあり、電池の容量が車両価格を大きく変える要素になる。これも自動車用に利用できる電池の選択肢がそれほど多くないことを考えれば、思いのほか差が出難いもののようである。
電池の価格が車両価格を支配していて、電池を安くするには大量生産が最も効果があると思われる。すると鶏と卵の話になってしまうが、広く流通させようと考えるなら安いクルマを出す必要はあるだろう。EVは、売れるクルマがどんなクルマかを考えるより、売る為に何をするかのフェーズに入っているだろう。充電場所も増えたし、性能も知られるようになった。売る時期に来ている。
i-Mievのパワーユニットをそのまま流用して、スズキが安く作る算段をするのが最も現実的な解のように思える。広く売るにはリーフは大きすぎる。その先にある世界はどんなものか分からない。ただ、扉を開ける者がいなければ、今と同じ世界が続くだけのことである。

プリウス話を考えていたが、それは次回に譲ることにする。


ブログが150回になった。沢山書くより、たった一つの素晴らしいものを残すことに価値がある。まあ、書いていれば少しはましになるだろう。千が必要かもしれないが。

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